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〈第105回関東学生陸上競技対校選手権大会 1日目=5月21日 カンセキスタジアムとちぎ〉

▲強豪が集ったレースで共闘する主将副主将コンビ
他大の猛者が集うレースで壁を突きつけられるも、大きな刺激を身に刻んだ。
関東インカレ男子2部10000m決勝に専大からは上山詩樹(経済4・敦賀気比高)と丹柊太郎(人間科学4・松山商業高)の主将副主将コンビが出走。強豪ひしめくハイペースな展開に苦戦し、丹は24着の29分24秒07、上山は27着の29分51秒56でフィニッシュ。他大のトップランナーとの差を痛感する一戦となった。
〇憧れの舞台でハイレベルなレースを経験 「まだ成長の途中」

▲「専修大学を背負って、こういう大きな舞台で走れるようになったんだなと実感しながら走った」と語った
地元・愛媛から関東の地に来て、最初で最後の大舞台で戦った丹。
今大会までの調整期間は約2週間。全日本大学駅伝予選会後は数日間の休養を挟み、その後は治療や整体を施しながらポイント練習を行って調子を維持した。しかし、短期間なゆえに難しさもあった。「疲労を抜きすぎてもダメだし、練習を積みすぎても疲れが溜まるしというバランスの調整は結構難しかった。一日一日、次の日の練習はどうしようと考えながら調整をした」と苦労を語る。
さらにレース前の心境について「気持ちの面では結構合わせるのが難しかった。専大のSを背負って走る以上はプレッシャーもあったし、2本続けて緊張する試合というのは大変だった」と明かした。エントリーメンバーの発表後、同じ種目に出走する上山と会話した際には「組が決まった時に『組のレベルが高すぎじゃない!?』という話になって。初めてこういうレベルの試合に出たので、どこまで戦えるかだなという感じだった。(箱根駅伝)予選会校には頑張って勝とうみたいに思っていた」。
副主将であり、最上級生であり、チーム内で上位の記録を保持しているという立場。「同級生からも、後輩からも背中を見られる存在になってしまったので、情けない走りはできないなというのは思っていて、責任感を感じながら走っていた」と大きなプレッシャーを感じていた。
それでも、「高揚感があった」と今大会での出走を心待ちにしていた。「この舞台にまさか自分が立てるなんて、入学した時は思ってなかった。ここまで育ててくれた人に感謝をささげるような気持ちで走ろうと思った」と憧れの舞台へ足を踏み入れた。
号砲が鳴ると、丹は上山や神大の選手たちとともに集団の後方に位置を取る。「主将の上山に着くか、神奈川大学に着くかって2択で考えていて、そのくらいが組の中で僕がつける限界地だと思っていた。僕が最初に位置取りしたところに神奈川大学と上山がちょうどいて、そこについていたけど神奈川大学がかなり速い集団の方に行ったので上山について行った」と想定内の展開になった。3000mを通過後に「途中で上山がきつそうになったので、拾いに行く感じに切り替えた。全部、一応想定内ではあった」と上山よりも前に出た。しかし、ハイペースなレースに苦しみ24着の29分24秒07でレースを終えた。
今大会には27分台から28分台前半の記録を保持するトップランナーが多く集い「そもそもの馬力が違うというか、ペースに対応している力が前の集団の速い人たちにはあって。僕らはそこまで練習を高いレベルで詰めてなくて、まだ僕自身も発展途上な感じがあるので、そのレベルにまだ今の時点ではたどり着けてなかったのかなというのがある」とその差を痛感。だが、「これからだと思う。まだ僕も成長の途中なので、これから戦えるようになったらいいなと思う」と刺激を受けて前を向いた。
今後は箱根駅伝予選会に向けて、鍛錬を積む夏の期間に入る。前回大会の悔しさを知る最上級生ランナーは日本人20位以内を目標に掲げた。日本人トップ集団で勝負するために「単独で押す力をつけたいなと思っていて。予選会では僕自身、集団走から離れて一人とか、他校と戦っていくような、先頭集団の方でチャレンジしたいと考えている。そのためには、一人になった時でも公園内で押せるような力が必要。夏に向けて、練習で引っ張る回数を増やしたり、本数を増やしたりとか新しいことにチャレンジしてみたい」と新たな試みを行う。
副主将としても「やっぱり強いチームにしていきたいなと思っていて、競技をしてる以上は、第一に求められるのは強さだと思っている。実力を上げていかないと勝負できないというのもある。何をするかというのはまだわからないけど、少しはみんなが競争意識を持ってやれるようなチームにしたい」とこれまでの結果を受けて強いチーム作りにもいそしむ。「立場上、チームのことも考えつつ、自分自身がまだ力不足な部分もあるので、まずは皆から“エース”と言ってもらえるような走りをしたい。あとは普段の生活面(で気を配っていること)が精神的な支えになれるように頑張っていきたい」とエースへの更なる飛躍を誓った。

▲”エース”と呼ばれる存在へと駆け上がる
〇「難しかった」とレースを総括 箱根駅伝予選会で日本人トップを誓う

▲レース後に「難しかった」と一言話した
「難しかった」。レース後、開口一番に上山はこの言葉を放った。
2週間前に0.65秒差での敗北を喫し、主将としての責任からか「全日本の後は少し(気を)落として病む時もあった」と苦しい心境を明かした。それでも、「そこから切り替えて、(練習に)ちょっとボリュームを持たせたので、結構タイトだったかなと思う」とわずかな期間で今大会への照準を合わせた。
今大会では全日本大学駅伝予選会の時よりも調子が良かったという。「調整の中で蹴る場所とか、走っている中での感覚的には良かったなとは思った。楽しく走れる期間があったなと思う」と前向きな気持ちで臨んだ。
レース開始後、丹とともに集団の後方でレースを展開した。「全日本とは違って、行けるところまでチャレンジしようという風に思っていたので、守りに入らず、前が行けば行くというか。その中でも下手に走るのは良くないとは自分でも思っていたので、荒れる中でも良い人を捕まえて、その人についていこうかなという風に思った」と攻めた姿勢で走った。中でも、目星をつけたのは帝大の楠岡由浩選手と青学大の平松享祐選手。「一個上のレベルで戦うというところで、その2人は安定して走ってくるタイプ。そういったところのレースの展開を似たようなものを出せればいいかなと思って注目した」と高い次元への挑戦を試みた。
しかし、3000m付近で丹に前を越され、4000m付近を通過後には集団から離れて単独走を強いられる展開となった。その後も厳しいレースとなり、27着の29分51秒56でフィニッシュ。「難しいレースではあったので、自分の感覚とずれるのを痛感するレースだった」とトップランナーとの壁に阻まれた。
「シンプルに弱かったなというところに尽きるかなと思う」。レース後、ハイペースなレースに屈し、悔しさをあらわにした。
チームの核を担うエースとして、今後必要になるのは“自力で勝ち切る力”。「今回に関しても、いろんな面で難しいレースだった。でも、そこで外しているようじゃ結局は勝ち切れる強さではないなと思ってはいる。どんな状況でもコンスタントにというところは練習からどんな状況であってもちゃんと最低限に抑えるとか、練習面でも自らきつい方に持っていったりしようかなと今は考えている」と更なる飛躍に向けて、夏に鍛錬を積む。
最後の箱根駅伝予選会まであと約5か月。上山は“日本人トップ”を目標にすることを宣言した。「主将として上半期は少し微妙だった部分があると個人的には思っている。しっかりとチームマネジメントしながら、自分の結果というところもしっかりとこだわって、(箱根駅伝予選会で)日本人トップというところは変わらず目指していこうと思っているので、そこに向けて頑張っていきたい」と強く意気込んだ。
昨年の悔しさから主将に就任した日本人エース。笑顔で最後の夢舞台への切符をつかむべく、奮闘する。

▲今までの悔しさを胸に、専大史上最速のランナーへと成長する夏にする
〈結果〉
男子2部 10000m 決勝
24着 丹柊太郎 29分24秒07
27着 上山詩樹 29分51秒56
文・写真=門前咲良(文4)

