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2025.12.28
フェンシング

【フェンシング部】吉田、平西が大学ラストマッチ 女子エペ・全日本選手権

〈第78回全日本フェンシング選手権大会(個人戦)2日目=12月27日、港区スポーツセンター〉

 国内最高峰の全日本選手権(個人戦)が行われ、専大から3選手が女子エペに出場した。吉田ひなた(人間科学4・気仙沼高)、平西桜子(経済4・金沢西高)の4年生2人は、大学ラストマッチに臨んだ。両選手ともにトーナメント戦に進出すると、しのぎを削ってきた最大のライバル、明大の選手と対戦した。2選手は要所で粘りを見せたが、吉田は2回戦、平西は初戦で敗れ、大学競技生活に終止符を打った。

▲トーナメント2回戦でポイントを取り、ガッツポーズをする吉田


○関東インカレ、インカレに続き3度目の対戦 宿敵に敗れるも「今まででは1番良かった」

 吉田は、決勝トーナメントの初戦で永井杏奈選手(住友金属鉱山株式会社)を15対8で破ると、2回戦の相手は今季3度目の対戦となる岸本鈴選手(明大)。関東インカレとインカレで連敗を喫した宿敵を相手に、序盤は同時に突き合い、ランプが両側に灯る接戦を演じる。

 しかし、次第に岸本選手に流れを握られると、苦しい展開が続き、9対15で敗れてリベンジとはならなかった。それでも、「格上の相手なので、今までの分析を活かして、少しでも食らい付ければ良いと思って試合をした。今までの中では1番自分で考えて(ポイントを)取ることができた」と大学ラストマッチを振り返った。この試合には同期も駆け付け「『最後だからのびのびやっておいで』と声をかけてもらった。すごく色々な人の縁に恵まれた」と感謝を口にした。

▲予選プールに続き、永井選手に連勝した

 約12年におよぶ競技人生の集大成となった今大会。中学生時代には一度、競技を辞めかけたこともあったという吉田は、恩師との出会いとフルーレからエペへの転向をターニングポイントに挙げる。高校3年次のエペ転向後は、インターハイでの3位入賞や2022年の全日本選手権でベスト8、翌年のインカレでは3位に輝くなど、飛躍を遂げてきた。今後は地元、宮城県の国体選手を目指していく考えだ。


○「1番緊張した」引退試合 憧れの先輩から激励受け気持ちに変化

 平西は「今年で1番緊張して、昨日から『本当にどうしよう』と考えていた」と引退試合を前に平常心を保てず、予選では大苦戦を強いられた。全体39位でトーナメント戦に進出するが、「(進出が)ギリギリまで分からず、泣きそうだった」と話す。それでも、昨年まで専大でともに戦った齋藤華南選手(令7・経済卒/林テレンプ株式会社所属)から『まだ泣かないよ。もう最後なんだから頑張れ』と激励の言葉をもらうと、気持ちを落ち着かせた。

▲トーナメント戦に臨んだ平西

 トーナメント初戦では、本間美月選手(明大)と対戦。難敵のレフティーを相手に、間合いを詰めすぎないよう自らアクションを起こすことを意識した。「自分の中で納得がいく点数を決めることができた」と話すように善戦したが、12対15で黒星を喫した。

 平西は競技生活最後の試合を振り返り、「負けちゃったが、今までで1番スッキリしながら試合ができた。自分の中では楽しいなと思った」と晴れやかな笑みを浮かべた。


 2023年の関東インカレ優勝をはじめ、専大女子エペチームの黄金期を支えてきた2選手が競技生活にひと区切りをつける。平西は7年間の競技活動を終え、吉田は完全に競技から離れるわけではないものの、主戦場を移す。団体戦では、積極的な姿勢と行動でチームの雰囲気を形づくってきた2人。チームに残した競技への情熱は、次世代へと受け継がれる。


〈その他結果〉

宮田咲希(人間科学3・北陸高)トーナメント初戦敗退

▲大西愛選手(日体大)と対戦した宮田

OG選手

成田琉夏 選手(令5・文卒/ 新日本ウエックス株式会社所属)ベスト16(9位)

齋藤華南 選手(令7・経済卒/林テレンプ株式会社所属)ベスト16(12位)


文・写真=竹田一爽(文4)