最新ニュース
〈第93回全日本スピードスケート選手権大会=12月26〜28日 長野市オリンピック記念アリーナ(エムウェーブ)〉
来年2月に行われるミラノ・コルティナ冬季五輪の選考にもつながる今大会。大会初日は5000m、500mに専大から5名が出場した。(全選手の結果は記事下に記載)
500mでは軍司一冴(経営3・白樺学園高)が4位、辻本楓芽(経営2・白樺学園高)は9位に終わったものの、自己ベストを更新する好成績を残した。

▲軍司

▲辻本
〇腰の怪我からの復帰 先輩との対決を制す
第7組に登場したのは、腰の怪我により一発本番の形で挑んだ軍司。「長い間練習ができていなかったけど、レースのイメージができていた」と振り返った。
さらに、同組の相手は同じく専大で1学年上の先輩である高見澤匠冴(経営4・小海高)となった。「今回のレースでも一緒に高め合いながらタイムを出していければいいかなと思っていた」と相手として特に意識することはなかったという。
結果は34.91で同率4位。惜しくも、表彰台入りを逃したが「イメージしていたことは間違っていなかった。でも、3位に入っている選手に比べたらタイムとして差があると思うから悔しい」と思いをぶつけた。

▲軍司と高見澤の並走シーン
〇自己ベスト更新もさらなる成長へ
第3組に登場したのは辻本。先月の大会で滑走中に転倒するアクシデントがあり、少し恐怖心があったというが「今回の試合は最初から突っ込んでいくようにした」と今回の滑りでは全く感じさせなかった。
結果は自己ベストを0秒1更新した35.23でフィニッシュ。「(この会場の)リンクはかなりいい状態だったので、もっと良いタイムが出せたと思う」と満足しなかった。しかし「直線で上手くグレードを滑らせて押し出せたから直線の加速はいい感じだった」と手ごたえを感じた。
次回の滑走は最終日に行われる1000m。「500mは自己ベストを更新できたから1000mでもベストを目指す」と意気込んだ。
〇OB・森重航 2度目の五輪に近づく
今大会にも専大OBが複数名出場した。その中で一際存在感を放ったのが、森重航(令5卒・経営、現オカモトグループ)。森重は前回大会(北京冬季五輪)で銅メダルを獲得し、その後も世界大会でも表彰台に立つなど、活躍している。
森重の前の組で新濱立也選手(高崎健康福祉大)が大会新記録となる34.30を叩き出し、森重にプレッシャーを与える。「緊張感はあったが、最近のレースは非常に楽しい。緊張感も多少感じつつ、滑るのがベースである」と言う気持ちで臨んだ。そのような状況で迎えた自身の滑走では34.36をマークし、大会新記録・国内新記録を塗り替え優勝を果たした。
ミラノ五輪への切符は今大会と全日本距離別選手権、W杯の成績を加味して選考を行うが、今大会で500mの五輪派遣標準記録「SS」(34:51)を切ったため、2度目の五輪を確実にした。「(五輪に向けて)順調に来ているけど、もう一度技術を突き詰める必要がある。最高のレース、自分のしたいレースができれば必ずメダルに届くと思うから、そのための練習を頑張っていく」と大舞台で活躍するために鍛錬を積む。

▲表彰台に立った森重

▲ミラノの舞台では前回の銅よりも上を目指す

▲森重は後輩たちとも会話をした
<大会結果>
5000m
林拓磨(経営3・白樺学園高)14位 6:42.76
笠原光太朗(経営4・帯広三条高)8位 6:34.46

▲林

▲笠原
500m
辻本 9位 35.23
高見澤 14位 35.44
軍司 4位 34.91

▲高見澤
※滑走順
文=知地泰雅(文3)
写真=佐藤佑樹(経済2)

