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2025.12.21
少林寺拳法

【少林寺拳法部】榎木・小野ペアが組演武で本選出場 

〈第5回少林寺拳法千代田区大会=12月14日 千代田区スポーツセンター〉


 11月29日にさいたまオープン、12月7日に川崎市民大会と連戦が続く中で行われた今季最後の大会。専大は今年を締めくくる今大会に組演武で8ペアが出場した。わずか1週間と準備期間があまり無いなか、それぞれが今季集大成の気持ちを込めて演武に挑んだ。予選を唯一通過した榎木花梨(ネット情報3・目白研心高)は「本選に出られるだけで良かった。自分たちの100点とはいかなくても、良いところまでは出し切れた」と振り返った。前日の幹部交代式から新主将に就任し「まずは自分が頑張っている姿をみんなに見てもらい、背中で引っ張るスタイルで頑張りたい」と来季に向けて気持ちを奮い立たせた。

▲大会後の集合写真

 帯の色が異なってもペアを組める今大会。専大は、育成も兼ねて大会に挑んだ。組演武は2人1組でペアを組み、あらかじめ決められた手順で攻撃と防御を行い、その技術の正確さと迫力を競う採点競技。組演武21〜24歳の部に出場した榎木は「(ペアの小野が)段位の違う1年生なので、少しでもスピード感を感じてもらい、成長させてあげられたら」と演武に臨んだ。息の合った演武を披露して見事予選突破を決めた。「(今大会は)下級生への育成が目的でしたし、(予選突破は)ハードルが高いと思っていた。(本選に)挑めるとは思っていなかった」と喜んだ。少林寺拳法は10点満点で構成ごとに点数が付けられる。今後に向けて「基準が8点として、9点になるかならないかの瀬戸際で8点になってしまうことが多い。その壁を越えたい」と課題を口にした。   

▲新主将に就任した榎木

 榎木は大会前日の幹部交代式で主将に就任したばかり。「私が一番上に立つ以上は、まずは安定して1年間土台を作り続けることが一つ。それとは別に、みんなでもっと上を目指せたらいいなと思う」と語る。榎木は1年生の頃から積極的に少林寺拳法部の広報として魅力を伝えてきた。「同期は私含めて2人しかいなかった。そのため、大会に出るためにも新歓を頑張って部員を増やさなければならなかった。部の良さを頑張って伝えようと意気込んでやってきた」と大学から始めた人が半数以上の部活の中で発信を続けた。先輩に向けては、「本当にお世話になったし、直さなければいけないところもたくさん指導していただいた。それは厳しさの中にある優しさでもあると思うので、本当に感謝している」と感謝の言葉を口にした。少林寺拳法部は5月の関東学生大会まで公式戦がない。練習のモチベーションなどの課題に対しては「後で時間がなかったとなるのが勿体ないので、すぐに練習をスタートさせたい。後悔しないためにも(練習を)頑張りたい」と早速意気込んだ。


▲小野(写真左)

 今年から少林寺拳法を始めた一年生の小野澪莉(国コミュ1・豊多摩高)は「とりあえず予選を通せたら」という気持ちで挑んだ。本選出場となったが、「手応えは本当に無かった」と言う。「腰が上手く使えていなかったり、なかなか綺麗な止まり(動きの静止)ができなかったりと、課題は多くあった」と振り返った。今年度を通し「すごく楽しかった。同期の子と大会に出て入賞もできたし、このまま頑張って(来年)は県大会で1位を獲りたい」と目標を新たにした。


 


今年度で少林寺拳法部を引退する4年生2人に想いを聞いた。


力石和奏(文4・東海大学菅生高)

▲半年前から主将として部を牽引してきた力石


――今日の演武を振り返って

自分が今まで先輩と組ませてもらった時は、先輩が自分の能力を最大限に引き出し、自分が一番動きやすいように引っ張って勝たせてくれることが多かったです。自分も実力でそれをしてあげたかったですが、なかなか思うようにできませんでした。最近は小さな大会が毎週のようにあり、期間がない中での調整でした。反省点はたくさんありますが、その中で楽しんで演武ができました。楽しめたことは全力で取り組めた証拠だと思うので、その点では良かったと感じています。


――どのような思いで挑んだか

自分は少し特殊な経緯がありまして、元々の主将から急遽交代する形で、休部からの復帰直後に主将を務めることになりました。主将を務めた半年間はとにかくやることが多く、頭がいっぱいでした。この小さな大会で後輩たちと3つエントリーさせてもらい、純粋に何も背負わず『少林寺拳法は楽しいな』と思って演武ができました。


――現在の部活の雰囲気は

めちゃくちゃ良いです。自分たちの代は3人しかいないですが、今年は1年生が7人も入ってくれました。専大少林寺拳法部は大学から始める初心者がほとんどですが、今年は高校で実績を残している子や、空手経験があって武道に精通している子などが入ってきてくれました。新しい風が吹いて士気も高まりますし、相乗効果が生まれています。


――後輩への思いを

自分は後輩たちから学ばせてもらうことばかりでした。今日組ませてもらった菅波は、毎回必ず「運用法(乱捕り)」に申し込みます。毎回ボコボコにされて帰ってくるのですが、それでもめげません。失敗することや負けることは恥ずかしいし怖いと感じるものですが、それを全く恐れずに毎回挑戦する姿は見習わなければと思います。また、今日決勝に行った小野など、1年生なのに驚くような動きを見せてくれる子もいます。練習姿勢や取り組み方、考え方など、彼らから学ぶことばかりでした。すべてを自分の糧にして、みんなで切磋琢磨して強くなってほしいと思います。


――少林寺拳法の魅力とは

少林寺拳法は本当に好きです。その理由は、身体能力や筋力だけで勝ち負けが決まるものではなく、努力した分だけ確実に上手くなれるところ。すべて自分次第です。努力でいくらでも上を目指せるところが一番の魅力です。部活動経験がなく、大学で初めて武道に触れた人でも入賞経験がある人はたくさんいますし、そこが良いところだと思います。


――4年間を振り返って

去年から振り返ると本当に色々なことがありました。自分たちの代は本来8人ほどいたはずなのですが、入部や退部がたくさんありましたし、主将交代もありました。それでも、後輩たちがいてくれるだけで毎回元気をもらえました。真剣に取り組んでいる姿や、楽しそうに笑っている姿を見るだけで、毎日エネルギーをもらっていました。また、先輩方やOBの方々、監督や指導陣の方々も様々な面でサポートしてくださいました。少林寺拳法を始めてこの部活に入り、色々なご縁に恵まれたことが一番幸せでした。本当に環境に恵まれていたなと思います


 


宮川怜太 (文4・桐朋高)(写真左)


――1年生とのペアだったが、どう意気込んだか

やりたい技や構成を事前に聞いておき、それに合わせる形にしました。そこに、黒帯でないとできない技や技術を織り交ぜていきました。1年生にとっては黒帯取得までまだ時間があり、これから1年間かけて技術を学ぶわけですが、その足掛かりになるような、今後の参考にしてもらえるようなものを準備して入れ込みました。それを1週間という本当に少ない時間でしたが、なるべく詰めて仕上げました。

――この大会に向けてどのような思いで挑まれましたか。

今回は「楽しむ」というのが一番でした。公式の学生大会では組めないペアなので、お互いのための勉強という面も一応あるのですが、自分としては最後に楽しむという思いが一番強かったです。


――専大少林寺拳法部の練習や部内の雰囲気はいかがですか。

専大の体育会の中でも和やかな雰囲気が流れていると思っています。武道という括りなので礼儀作法など厳しい面はあるのですが、風通しが良いというのが自分が4年間続けられた理由でもあります。後輩も自分の思ったことを率直に先輩に伝えられる環境がありますし、みんなで頑張ろうというチーム意識が強い部活だと感じています。


――少林寺拳法の魅力は

少林寺拳法の教えの中で、勝利を争ったり競ったりして点数は出るのですが、それよりも幅広い世代や色々な大学の人たちとお互いを高め合っていこうという思想があります。他大学だから敵同士というわけではなく、お互いに技術を磨き合って、教え合って、関わり合うということが本当に多いので、そこが一番の魅力だと思います。


――4年間を振り返って

振り返ると、感謝しかないなと思っています。自分は中学・高校と部活動をやってこなかった人間で、学生生活の最後に入ろうと決意して入部しました。自分を見つめ直し、自分に何ができるのかをしっかり考える力が付いたと思います。それが自信になり、誇りにもなりました。この部活に入って良かった、専修大学に入って良かったと強く感じています。


――次の世代に向けて一言

楽しむことを忘れないでと伝えたいです。普段の練習が厳しかったり、時には落ち込んだり、結果が出なかったりすることもあると思います。ですが、今練習ができたり、仲間と楽しく過ごせているのは、色々な人の協力があってこそです。このように取材を受けているのも、体育事務課の方々や、インタビューをして広めてくれる皆さんなど、本当に色々な人の協力があって自分たちは活動できていると思います。そこを忘れずに、常に感謝の気持ちを持ちながら、目標に向かって精一杯やってほしいですし、楽しんでほしいです。




 また、立合評価法男子21〜23歳の部にて管波と杉本空大(令6・文卒)が出場した。杉本は単独演武にも出場した。発表の部では榎木と河原井敦監督が演武を披露した。

▲立合評価法に挑む管波(画面右)

 全体としては1ペアしか本選に出場することはできなかった。OBで本日も2種目に出場し、昨季までともに汗を流してきた杉本は「悔しい結果に終わったと思う。この結果を次につなげてほしい」と後輩へエールを送った。

▲OBの杉本

▲発表の部に榎木と出場した河原井敦監督

〈今大会出場拳士〉


〇組演武 20歳以下の部

小野寺康太(法2・神奈川県立有馬高) 二段・松野倭士(法1・専修大学付属高) 5級

松尾歩(文1・叡明高) 5級・高橋駿介(ネット情報2・専修大学付属北上高) 1級

渡邊美空(経営1・清瀬高) 初段・本橋拓磨(法1・専修大学付属高)5級

前村安璃(経営2・東葉高)1級・佐々木純(経営1・朋優学院高) 5級


〇組演武 21~24 歳の部

諸 鎮泰 (経済1・埼玉県立朝霞高)5級 ・宮川怜太 (文4・桐朋高)初段

小野澪莉 5級・榎木花梨 初段

力石和奏(文4・東海大学菅生高) 初段・菅波雄介(ネット情報3・八王子実践高) 1級

黒川茉優(経済3・八王子学園八王子高) 初段・下田梨菜(ネット情報2・成東高) 1級


〇立合評価法 

菅波雄介  

杉本空大(令7・文卒)

〇単独演武  

杉本空大 三段

〇発表の部  

榎木花梨・河原井敦(監督) 六段


文・写真=佐藤佑樹(経済2)