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2025.11.23
サッカー

【サッカー部】5年ぶり2部昇格! 志村弾で國學大破り悲願達成

2025年度 関東大学サッカーリーグ戦 2部参入プレーオフ決定戦


2部参入プレーオフ決定戦 VS國學院大學体育連合会蹴球部(2部リーグ9位)


11月22日(土) 11:00Kickoff


@埼玉スタジアム2002第2グラウンド(埼玉県さいたま市緑区)


専大 1–0 國學大

得点者 志村


 2部参入プレーオフ決定戦は國學院大學と対戦し、1-0で勝利した。序盤はセットプレーやサイド攻撃から効率よく攻め込む國學大にペースを握られるが、佐藤漣(法2・成立学園高)や道白優斗(文2・流通経済大柏高)が両サイドから仕掛けてチャンスをうかがう。すると、前半30分に中盤での素早い寄せから志村ぼん(経済3・韮崎高)が左足を一閃。見事にネットを揺らし、1点リードで試合を折り返す。後半に入ると、守備陣形を整えながらカウンターを狙う。終盤には相手に押し込まれる時間帯もあったが、そのまま虎の子の1点を守り切った。この結果、5年ぶりの2部昇格を果たし、『強い専修』を取り戻すための第一歩を踏み出した。

▲決勝点となるゴールを挙げて喜びを爆発させる志村


〈試合前情報〉

直近のリーグ戦からのスタメン変更は4名。鈴木、小林、河野、松本が外れ、ラングフォード、志村、橋本、寺島が入る。

以下、スターティングメンバー(4-3-3)

GK 12 上林 真斗(法3・昌平高)

DF 16 ラングフォード 海渡(文3・札幌創成高)

DF 15 伊澤 壮平(人間科学4・浦和南高)

DF  6 岡田 海人(法3・浜松開誠館高)

DF 28 佐藤 柚太(経営2・白根高)

MF  5 志村 ぼん(経済3・韮崎高)

MF 27 岡村 空(文3・帝京長岡高)

MF  8 橋本 燦(ネット情報2・帝京長岡高)後半31分 OUT

FW 14 道白 優斗(文2・流通経済大柏高)後半17分 OUT

FW 17 佐藤 漣(法2・成立学園高)後半21分 OUT

FW 22 寺島 サフィール マイサラ(経済4・専大松戸高)後半21分 OUT


途中出場

FW 11 松本 皐誠(商4・東海学園高)後半17分 OUT

FW 24 柿沼 弘大(ネット情報4・聖和学園高)後半21分IN

FW  9 仲本 隼翔(経済4・松商学園高)後半21分 IN

MF 25 小林 亮太(経済3・仙台大附属明成高)後半31分 IN


〈試合展開〉

 サッカー部が悲願の2部昇格を果たした。3部リーグを4位で終え、2部9位の國學大との2部参入プレーオフ決定戦に臨んだ専大。体調不良で欠場となった主将の河野修和(文4・甲府昭和高)をはじめ、リーグ戦最終節から先発を4名変更した。

 序盤はサイド攻撃やセットプレーから得点を狙う國學大にペースを握られるが、両ウイングの佐藤漣や道白がドリブル突破を仕掛ける。すると、前半18分に佐藤漣の仕掛けから左CKを得る。キッカーの岡村がマイナス方向にグラウンダー性のパスを送り、走り込んだ岡田がペナルティアーク付近から右足を振り抜く。サインプレーからシュートまで持ち込むも、DFのブロックに遭って得点は奪えない。

▲ドリブル突破を見せた佐藤漣

 次第に専大がペースを握り始めると、前半30分には後方からボールをつなぐ相手に対して志村が素早い寄せからボールを奪取。寺島が触り、再び志村のもとへボールが渡る。志村はそのままペナルティアーク付近から左足を振り抜くと、ネットを揺らして先制に成功する。「正直ダフった」と話すように得意の左足から放たれたシュートは、上手く捉え切れなかったが、積極的に足を振ったことが功を奏した。

▲左足でシュートを放つ志村

▲チームメイトと喜びを分かち合った

 昇格に向けて更なる得点を狙う専大は、前半41分に後方からビルドアップをする相手にプレスを掛けてボールを奪うと、寺島からのパスを受けた佐藤漣がカットインからシュートを放つ。得意の角度から放たれたボールは惜しくも、クロスバーを直撃した。前半はそのまま1点のリードを保ち、試合を折り返す。

 後半に入り、主導権を握ったのは専大。後半6分と10分にカウンターからいずれも橋本がシュートを放つが、追加点は奪えず。後半14分には岡村と橋本が立て続けにゴールを狙うも、GKの好セーブもあって阻まれてしまう。

 その後も選手交代を行いながらコンパクトな守備陣形を保ち、カウンター攻撃を狙う。後半32分には岡村が右サイドへ大きくボールを展開。松本がワンタッチでゴール前に鋭いクロスを上げたが、走り込んだ小林にはわずかに合わなかった。試合も終盤に差し掛かると、残留を目指す國學大がロングスローなどのセットプレーから専大ゴールに迫る。しかし、守護神の上林を中心に上手く対応し、そのまま前半に挙げた1点を守り切った。

▲チーム一丸となって昇格をつかんだ

 指揮を執った佐藤陽彦ヘッドコーチは、試合後のミーティングで「4年生を中心に真面目にやり続けられた。運(が良かった)かもしれないがそれを呼び込む努力をした」と夏の中断期間を含め、ハードな練習を積み重ねた選手たちを労った。10月から新たに就任し、1部リーグ4連覇を知る飯田義明部長は「4連覇した大学がなぜここ(のカテゴリー)にいるのか。当時は甘さがなかった。今日をスタートにしていこう」と常勝軍団の復活に向けて言葉を掛けた。

 3年連続で涙を呑んできた参入戦で悲願の2部昇格をつかみ取ったが、『強い専修』を取り戻すための戦いは始まったばかり。さらにレベルアップが求められる5季ぶりの2部の舞台でチームの真価が問われる。



〈PICK UP PLAYER〉

志村ぼん

非”ぼん”な左足で昇格導く 不在の河野キャプテンの思いも乗せた

 後半戦は出場機会に恵まれなかった男が大仕事をやってのけた。志村は前半30分に得意の左足でネットを揺らすと、この得点が決勝点となり、チームを5年ぶりの2部に導いた。

 今季は左サイドバックの主力として開幕戦から先発の座をつかんだが、第12節以降の11試合で得たプレータイムはわずかに152分。それでも、夏場以降はボランチを兼任し、「4日前くらいに急にボランチ(での出場が)あるなと準備してきた」と大一番に備えてきた。その言葉通りに得点だけでなく、中盤でのボール奪取やチャンスメイクで攻守に貢献。コンバートされて半年も経たない中、充実のプレーを披露した。

▲相手の攻撃を中盤で何度も食い止めた

 そしてこの試合は甲府の育成組織時代からともにプレーしてきた河野が体調不良により欠場となった。主将の不在に「少し不安な部分もあった」と話したが、「みんなが(河野)修和のためにという気持ちで戦った。彼が居なかったら昇格はなかった」と切磋琢磨してきた先輩の思いを胸に戦い、昇格を果たした。

 来季は最上級生となり、志村はプロ入りを狙う勝負の年となる。非”ぼん”な左足を持つ3年生は「今季は苦しい時期もあったが、やり続けられた。目標のプロにしっかりいけるように自分の長所を積み上げてきたい」とまだ見ぬ2部での戦いに向けて意気込んだ。


上林真斗

相手攻撃陣完全シャットアウト 2部でも「攻撃的なサッカーを表現できるように」

 90分での勝利が求められる中、守護神がしっかりと無失点に抑えた。上林は目標の2部昇格に「ほっとしたという感情がデカい」と率直な心境を明かした。

 この試合は河野の不在を受けて3年生ながらキャプテンマークを巻いた。「(河野)修和くんはこの1年間、チームのためにピッチ外の見えないところでもすごく貢献してきた。俺は(試合に)出ている責任があるので、お世話になった先輩の思いも背負っていた」と並々ならぬ思いで試合に挑んでいた。数日前に喉に不調をきたし、武器のコーチングが通らないアクシデントもあったが、守備陣と上手く連携。終盤のロングスローにも冷静に対処し、相手攻撃陣を完封した。

 2部昇格を果たしたが、目指すは更なる高みだ。上林は「飯田先生もおっしゃっていたが、(専大が)なぜこの立ち位置にいるのか全員が理解しないといけない」と戒める。来季に向け、「甘さを減らしつつ、攻撃的なチームを2部で表現できるようにしたい」と磨いてきた攻撃的なサッカーを来季も貫き通す。


文=竹田一爽(文4)写真=佐藤佑樹(経済2)、竹田