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2025.11.19
陸上競技

【陸上競技部】「13分台を当たり前に」 日体大記録会で3名が自己新も課題残る

〈第324回日本体育大学長距離競技会 兼 第19NITTAIDAI Challenge Games 11月16日=日体大競技場〉 

 

▲見事な走りを見せた期待のルーキー、西

▲NCGに出場した、エースのマイナ


 16日に行われた日体大記録会5000mに専大からは6名が出場した。中でも佐藤恵伍(文2・自由ヶ丘高)、中西慶士郎(経営2・比叡山高)、西広翔(経営1・専大松戸高)が自己記録を更新。22組で出走した西は140836と13分台に迫る走りを見せた。21組では昨年12月1日以来の出走となった大濵優輝(商2・関大北陽高)は141433と自己記録に近いタイムを残した。 

 NITTAIDAI Challenge Games(以下NCG)の5000mにはダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高)、新井友裕(文4・浦和実業学園高)の2名が出場。マイナは133416と自己記録に近いタイムをマークした。大学最後の5000m出走となった新井は不調ながらも135804と力を振り絞り13分台にまとめた。 


 

〇期待のルーキーが自己記録更新も 「まだまだ物足りない」 

 

 西広翔(経営1・専大松戸高)が専大陸上競技部の新たな光となるか。 

 

 レース序盤「集団の後ろの位置取りになってしまった」と語るように後方からのスタートとなる。「ただ高校の時の記録会を含めて、後ろからのレースというのは多くて、後ろから空いたら付いていく走りはずっとやってきた。特に焦りとかは無く、上がっていけるという自信があった」というように徐々に前方へ食らい付いていく。  

 

 「3000m後半からはだいぶきつくなってしまった」と失速するも、16着の14分08秒36をマーク。先月24日の国士舘記録会で更新した自己記録を9秒02上書きした。「13分台が目標の中で最低ラインが14分台1桁だと思っていたので、とりあえず最低ラインは越えられた」と目標を達成しながらも冷静に振り返る。自身の走りの手応えについても「入部当初に立てた目標は14分10秒だったが、(練習や大会を)重ねるにつれて、14分10秒では物足りないなという考え方になってきている」と確かな成長を実感する。 

 

 レースの課題として「(3000m以降は)余裕が無くて(ペースを)上げられなかったので最後のキレが反省点」と次を見据える。今後に向けては「2週間後に日体大で10000mを走るので、そこで28分台を(出せるように)頑張りたい」と誓った。 

 

 長谷川監督は、飛躍的な成長を遂げる西に対し、「春先からチーム内のトライアルとかでも、非常に暑くても14分25秒くらいを平均的に走っていた。いつでもこれぐらいの記録は出せる状況だったと思うので、着実に自己記録を更新してきている。レースの流れを組むセンスもあるし、レースの掴み方が上手い選手だなと改めて見ていて思う。まだ10000mはやってないので、そこでしっかり結果を出して、同級生も火がつくと思うので、チームに勢いをつける走りをしてもらいたい」と期待している。 

 

 西の10000mの持ちタイムは31分30秒86、(HP掲載の目標タイムは)29分20秒。自己記録を約2分30秒以上縮めることが求められる。5000mの自己記録更新に満足なきルーキーの成長は止まらない。 

▲西は5000mの自己記録を更新した


○万全を欠く状態も力走 ラストスパートに課題 

  今回のレースで、NCGに出走したチームのエース、マイナ。序盤から先頭集団の前方着きレースを展開するも、4000mで先頭から遅れを取り始めた。最終的には8着でフィニッシュ。自己記録は惜しくも更新ならなかったが、好タイム13分34秒16をマークした。 

  箱根駅伝予選会後も膝下の故障が続き、治療を続けている。膝の怪我が完治していない中、自己ベスト近くのタイムを出したマイナは「足の状態からしても、タイムが13分30秒台に乗ったことはすごく良かった」と満足気に話した。 

マイナの走りを長谷川監督は「小さい故障もありながら上手くここまで持ってきたので、自己ベスト(近いタイム)で走れたこと自体は良かったと思う」と評価した。一方で「ラストスパートが少し弱いので、今後ラストスパートをより強化していきたい」と課題を口にした。 

今後に向けて専大のエースは、「スピードの練習をもっと強化していきたい。次の10000mのタイムは、28分10秒台を目指すつもりだ」と意気込みを語った。コンディションを整え、エースの走りを見せられるか。今後の走りに期待がかかる。 

▲万全を欠く状態も力走し切ったマイナ

 

 レース後、長谷川淳監督は「順調にきている選手だけではなかった中で、後半かなり気象条件にも恵まれて自己新記録を出した選手も多くいた。その点がチームにとって良い流れを戻してくれたんじゃないかなと思うので良かった」と全体的に良い記録が出たことを評価。その上で「狙っている水準から見ると、個人の目標はもっと上にあったので、自己ベストは出ているけれど、もう少し上を狙っていかないといけない。特に5000mは13分台というのは一つ基準というか、持っていないといけない記録なので、そこにもっと目線をみんながしっかり持って、当たり前のように出していかないといけない」と選手たちに更なる走力強化を求めた。 

 

 

〇課題は「最後のキック」 29日の10000mで28分台を出せるか 

 レース後、指揮官は「レースの中の課題でいうと、やっぱり最後のキック」だと口にした。他大と競い合えるようになるためにも「ラストスパートのラスト1000m、ラスト400mの我慢。そういったところの爆発力が全体的に少ない」とラストスパートの走りに磨きをかける必要がある。「夏からロングメインでやってきたトレーニングが多かったので、ここからはトラックのレースで上手く記録を出す展開にしないといけないので、その辺りは練習でも意識してやっていきたい」と引き続きトラックレースの走力強化に取り組む。 

 今回、出走したメンバーも29日に行われる日体大記録会10000mに出場予定であるという。現時点、10000m28分台の記録を持っている選手はマイナ、新井、藁科健斗(経営4・横浜高)の3名のみ。「来年、全日本(大学駅伝)の予選を通るという目標を立てている以上、やはり他大のレベルを超えていくか、それと同等くらいのタイムも出さないといけないと思っている。28分台という10000mの一つの基準で戦えるタイムに多くの選手もいかないといけないと思っているので、28分台の選手を数名出したい」と意気込んだ。 

29日の日体大記録会で28分台の大台に乗る選手は現れるか、注目である。 


▲自己ベストを更新する見事な走りを見せた中西

 

 ▲同じく自己ベストを更新し、見事な走りを見せた佐藤


【結果】 

16組 

25着 渕飛天(経営1・宮崎日大高) 14分48秒89 

26着 山本來宕(経営1・自由ヶ丘高) 14分48秒94 

 

19組 

5着 佐藤恵伍(文2・自由が丘高) 14分18秒18 (自己新) 

18着 中西慶士郎(経営2・比叡山高) 14分24秒34 (自己新) 

 

21組 

13着 大濵優輝(商2・関大北陽高) 14分14秒33 

 

22組 

16着 西広翔(経営1・専大松戸高) 14分08秒36 (自己新) 

 

NCG 

8着 ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高) 13分34秒16 

20着 新井友裕(文4・浦和実業学園高) 13分58秒04 

 

 

 

文=門前咲良(文3)、佐藤佑樹(経済2)、田上咲笑(文2) 

写真=田上、小畑祐人(文2)、門前