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2025.11.20
陸上競技

【陸上競技部】苦闘するも力強く走った大学最後の5000m 「専大に新たな歴史を作れるように」

〈第19回NITTAIDAI Challenge Games 11月16日=日体大競技場〉


▲大学最後の5000m出走となった日本人エース・新井


 大学最後の5000mは苦しみながらも、力強さを見せた。


 NITTAIDAI Challenge Games(以下NCG)の5000mに出場した新井友裕(文4・浦和実業学園高)は20着の13分58秒04でフィニッシュ。自己記録更新とはならなかったものの、13分台でまとめた。




 箱根駅伝予選会(以下、予選会)後、調子が全く上向かず「今日が(5000mに出走するのが)最後なので、タイム自体でやっていたというよりはどこまで(集団に)つけるかというのと、現在の自分の状態を確認するということを念頭に置いてやっていた」と臨んだ大学最後の5000mだった。  

 迎えたNCGでは「できれば自己ベストを更新するのが目標だったが、自分の状態を確認しながら、13分台はマストで走ろうっていうことを目標にしていた」とハイペースな集団の後方について走った。だが、2000m付近で集団から離れてしまう。表情も段々と険しくなっていった。それでも、力を振り絞り懸命に走り、20着の13分58秒04でフィニッシュ。「予選が終わってからあまり練習ができてなくて、厳しいレースのことはわかっていたので、どれだけ次につなげられるかということを目標にしていた。その中で1500mくらいから少し苦しくなってしまって離れてしまったが、そこからは2分50秒前後で単独で押すことができたので、そういった面では収穫もあった」と自身の力走を振り返った。

 13分台にまとめたが「自分の状態と照らし合わせると、妥当というか良い方かなと思ったけれど、やはり昨年のタイムに近づけなかったところは少し悔しいものがある」と悔しさも残るレースだった。


▲絶不調の中でも力強い走りでエースのプライドを見せた


 長谷川監督の目にも「本当に絶不調で、練習もほぼできていない状況の中で、今回も出るか出ないかというくらいのレベルだったけれど、やっぱり力はあるなと。300mくらい前(で走っていた先頭集団)と離れてからも、ちゃんと1人で押していって、13分台でまとめるあたりはやはりさすがだなと思った。そういう走りをチームの選手も見ていたので、プライドを持った走りというのを他の選手たちも感じて、そういう選手にならないといけないと思ってほしい」とエースのプライドのある走りが映った。




 最終学年として迎えた今季は前半シーズンに負った故障に悩まされるも、エースとしてチームを引っ張ってきた。だが、予選会では総合13位で最後の箱根駅伝の挑戦権を得ることができなかった。新井自身もアクシデントに見舞われ、思うような走りができず、目の前で箱根路の夢が散った。


▲予選突破できず、最後の箱根の夢が破れた


 予選会から約1か月が経った。最大の目標を失い、心に空虚感が残っている。新井は「気持ちの切り替えができていないっていうのは正直。気持ちを切り替えなくてはいけないなとは思っているけれど、箱根がないというのは、練習も結構苦しいような状況。今は本当にみんなギリギリというか、なんとか練習して試合に出ている」と苦しい心境を打ち明けた。


 今後は今月29日の日体大記録会10000mに出場予定だという。箱根の夢が打ち砕かれても新井は立ち上がろうとしている。「次の日体大で自己ベストを出して、自分の名前を刻むというか、専大に新たな歴史を作れるように、後輩たちにその背中を見せて卒業できるように最後までやっていきたい」。専大史上最速の異端児は最後に大きな足跡を残すことを誓った。


▲卒業までに陸上競技部の歴史に専大の異端児の名を深く刻む




文=門前咲良(文3)

写真=門前、小畑祐人(文2)