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2025.11.12
バレー

【バレー部】日大の勢い返せず 無念の2部降格へ

〈2025年度関東大学1部バレーボールリーグ戦1部・2部入替戦=11月1日 駒澤大学玉川キャンパス 専大1-3日大〉


 入替戦は波乱の展開となった。


 今試合では代表活動などでチームを離れていた甲斐優斗(経営4・日南振徳高)が合流した。試合の入りこそ甲斐の強烈なスパイクとサービスエースもあり順調な滑り出しを見せる。第1セット中盤で相手の攻撃に守備で乱され若干リードを許すもそこを攻撃で食い止めると専大が第1セットを先取する。その後の第2・3セットは相手の猛攻が続き、相手の雰囲気に押され、流れを断ち切れずに連続でセットを落とす。第4セット終盤まで1点1点に根気強く食らい付くも及ばずセットカウント1-3で敗戦。1部残留を決めることは出来なかった。

▲試合を終えた選手たち


第1セットスターティングメンバー


OH:#12生田 #1甲斐


MB:#2千葉 #11新居


OP:#23マサジェディ


S:#20森田


L:#7水野


 第1セット、甲斐のサイドからのスパイクで専大の攻撃が始まった。甲斐はその後も強烈なロングスパイクとサービスエースで立て続けに得点を決める。それに感化されるように、マサジェディ翔蓮(文1・福大大濠高)と生田宗原(経済3・昇陽高)が強気なオフェンスで得点する。また、千葉貫世(経済4・東北高)と生田の2枚ブロックが決まるなど順調な滑り出しを見せた。だが、日大の強烈なスパイクでレシーブが乱れると中盤で2点リードされる展開に。しかし、千葉がセンター方向のスパイクで流れを切ると、その直後にブロックで同点に追いつく。甲斐の強烈なサービスエースにより、専大が一歩先に20点台に突入した。最後は千葉の速攻と甲斐のアタックで相手に畳みかけていき、25-23で先取した。

▲今試合でサービスエースを連発した甲斐

▲果敢なオフェンスでチームを勢いづけたマサジェディ

▲得点し喜ぶ選手たち


 第2セットに入ると相手の猛攻に対し、レシーブで追いつけない場面が見られ始める。さらに、自陣のアタックによるミスが続き、攻守で乱され、最大で5点差を付けられる。悪い流れを断ち切ろうと、マサジェディのロングスパイクや甲斐のサービスエースで徐々にその点差を詰めていく。その後は新居良太(経済3・開智高)と生田の2枚ブロックで相手の攻撃を止める場面も見られたが、最後は専大のミスにより22-25と第2セットを落とした。

▲レシーブする生田


 流れを変えたい専大は第3セット、序盤こそ相手の鋭い攻撃に乱されるも、中盤にかけて新居が攻守で躍動し、その直後に生田と甲斐がアタックを仕掛け、チームを勢いづけた。その後も千葉と森田慶(経営2・日南振徳高)が2枚ブロックを成功させ、森田は相手の不意を打つツーアタックを決め、相手に4点差をつける。一時は判定に揺れる場面も見られ、気持ちの乱れからミスが生じ、再び相手に逆転された。しかし、甲斐のスパイクで20-20の同点に追いついた。終盤は取っては取り返される意地のぶつかり合いとなった。最後の1点まで諦めずに食らいつくもあとわずかのところで敗れ、23-25でこのセットを落とし、第4セットに望みをかける。

▲サーブを放つ千葉

▲トスをする森田

▲控えの選手たちも見守る


 運命の第4セット、序盤から甲斐が3連続でスパイクを決め、持ち前の勝負強さを発揮した。それに続いて、マサジェディがアタックで得点し、相手に3点差をつける。しかし、中盤で再び相手の猛攻に守備で乱され、それまで好調だったブロックでも相手を止めきれない。さらに、アタックを放つも相手にレシーブされ、決めきれない時間が続く。その後も相手の攻撃力やブロック力が加速し、16-22と6点差をつけられる。中盤から終盤にかけては相手の雰囲気に終始押される展開となった。それでも専大は最後の1点まで諦めずに食らいつき、徐々に点差を埋めていく。しかし、相手の猛攻を止めきることができず、最後は相手のスパイクをレシーブで拾えず21-25で試合を終えた。結果はセットカウント1-3で無念の2部降格となった。

▲試合後、コートに立ち尽くす水野永登(商4・岡谷工業高)


 甲斐の代理として春季・秋季リーグでキャプテンを務めた水野は「相手が対策を完璧にしてきて、自分たちがそれを上回れず、試合会場の空気も日本大学寄りに感じるようになってきて最後まで呑まれてしまった」と試合を振り返り、「甲斐選手だけに頼るという人任せのバレーになってしまった」と反省点を口にした。

▲積極的に声かけをし続けた水野


 来季、最終学年となる新居は「今年の結果は自分達の力不足。最終学年として練習から真面目さや取り組む厳しさなどでチームを引っ張っていき、来年は自覚と責任を持った姿を後輩に見せていきたい」とチームを引っ張る覚悟を見せた。

▲苦しい場面でも自身のプレーで鼓舞し続けた新居


 春季・秋季リーグと苦しむ場面も多かった専大バレー。


 それでも「秋リーグでは春にできなかったことができるようになり、甲斐選手がいない中で3勝できたのは選手1人1人の成長だし、チームとしての成長でもある」と水野が話すように、苦しい中でも個人・チーム両面での収穫もあった。


 今年最後の大会となる全日本インカレがいよいよ来月開幕する。専大の初戦は関西大学。


 水野は「春、秋リーグ、東日本と今年は負けが圧倒的に多く、1番苦しい思いをしてきた。その中で最後の大会になるので最後はみんなで笑っていたいという思いで臨みたい。前年度優勝した分全チームに目をつけられていると思うが、王者というよりかチャレンジャーとして、一戦一戦戦っていきたい」と決意を新たにした。


 全日本インカレまでの”勝負の1か月”が始まった。

1年間のすべてをかけ、チーム一丸となり2連覇へと歩みを進める。


文=平野百々花(人間科学2)

写真=山中美琴(文2)