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<第102回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 10月18日 陸上自衛隊立川駐屯地―立川市街地―国営昭和記念公園 21.0975km>
▲今年度の部内目標である”本選シード権獲得”の夢が破られた
10月18日、第102回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(以下、予選会)が行われ、10校の本選出場権をかけて関東にある42校が競った。今年は暑さ対策として、これまでより1時間5分早まった8時30分からスタートした。2年連続73回目の本選出場を目指す専大は、総合2位と飛躍した昨年度の経験を武器に力走した。だが、スピードレースに対抗できず、他大に力を見せつけられた。チームは10時間39分06秒の総合13位と今季の目標である本選シード権獲得への挑戦が無念にも、途絶えてしまった。
〇本選でのシード権獲得の挑戦 新しい景色に届かず
残酷な現実が襷を引き裂いた。
昨年の予選会では総合2位と創部100周年目の新たな1世紀目に輝かしい第一歩を踏んだ。さらに、本選では往路20位と苦しい戦いを迫られたものの、復路で巻き返し総合17位と次大会につながる結果となった。さらに、大会を経験した主力の大半が残留し、更なる飛躍を託して今季へ襷を受け渡した。
今季は“All for ONE 新しい景色へ”のスローガンのもと、本選でのシード権獲得を見据えて予選会へ挑んだ。
今大会で長谷川淳監督は「3名フリーであとは集団走というところで、ペースについても大体指示通りに行ってくれれば(予選突破は)行けるというのと、総合タイムは10時間35分から36分というところも想定はしていた」と指示を送り、ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高)、新井友裕(文4・浦和実業学園高)、上山詩樹(経済3・敦賀気比高)の三本柱は個別に走り、他の選手は集団走を形成した。
レースの序盤から「ペースは15分10から15秒を意識するようにしていて、それより若干入りが遅くなってしまっていたので、ちょっと遅いなというのがあった。最初の5キロなのでカバーできると考えていた」と長谷川監督の想定よりわずかにスローペースで展開する。10km地点通過時も12位となり予選通過圏内から外れた。
チームのエース格の選手も公園内に入る前に苦しんだ。エースのマイナは2月から7月までの長期の故障が影響し、13km地点を通過したあたりで失速。「怪我の影響があり、あまり良くなかった。10キロくらいまでは良かったが、10キロ半から足が痛くなってしまった」と苦痛に耐えながらのレースとなった。日本人エース・新井は自己記録を更新するも、14キロの給水地点付近で転倒するアクシデントに見舞われ「それからは足の痛みとの戦いみたいになってしまって、なかなか上手く巻き返すことができなかった」。
▲故障の影響で4次合宿から合流したが「夏合宿が終わってから怪我が多かった。しかし、最後には仕上げられていたので良かった」
▲4次合宿の時に故障しかけたと話すが「4年生最後ということで、どんな状況でもしっかりスタートラインに立つということで、今日もなんとか合わせた」
そして、集団走も14km通過地点あたりで崩壊し、丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)が前に出る形となった。
▲「自分としては集団の中で一番余裕があったので、公園から(前へ)出るわと集団に声をかけて、(公園内で)出た」と振り返る
それでも、15km通過地点では11位と14秒差の10位とボーダーラインにしがみつく。
しかし、終盤に気温が上がり、起伏のある公園内のコースに入った後の約17km地点で失速。長谷川監督はレース後半の追い上げに期待していただけに「ペース的にはゆっくり入っていったので、後半に上げられるかなと思っていたが、思いのほか上げきれなかった」。失速の原因も「色々と考えてはいるが、まだ整理ができていないので、なかなか原因の理詰めが出来ていない状況」と悔しさが表情に滲んだ。
最終的に1位通過の中央学大と6分43秒差、10位通過の立大と2分10秒差の総合13位の10時間39分06秒で悔し涙を飲んだ。
〇「本当に選手は力を出してくれた」 今後、必要なのは“積極的な気持ち“
▲報告会で悔しさをあらわにする長谷川監督
予選会後、指揮官は開口一番に「非常に難しい試合だったというイメージ。本当に選手は力を出してくれた」と苦悶の表情で語った。ほとんどの選手のコンディションが良かっただけに苦しい結果となった。受け入れがたい結果に「順位が決まった時、ある程度(順位を)予想はしていた。ただ、レースがプラン通りに行ってるところもあり、不安な要素もあったので、その辺りはこの予選会で上手くいった部分と、想定外のところとどちらもあった」と言葉を零した。
主将・藁科健斗(経営4・横浜高)も「自分自身は予選会よりも箱根駅伝というところを思ってしまっていた。ちゃんと予選会にも方向は向けていたが、それよりも箱根本選という意識の方が強かった」と悔しさを口にする。
▲報告会で悔し涙が零れる藁科主将
今大会を通じて、来季最短での箱根路復帰に必要なのは“気持ちの部分”。指揮官は「力がないわけではないと思うので、あとはそういう自信というか、積極的に行くような気持ちが必要」と選手のポテンシャルを信じた上で、選手自身が己の力を信じることの大切さを語った。
今大会で出走した12人は大きな経験を積んだ。それぞれが悔し涙を忘れず、高みに挑戦し続ける。
▲それぞれが今大会の悔しさを忘れずに走り続ける
【結果】
ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高)
個人総合39位:1時間2分54秒
新井友裕(文4・浦和実業学園高)
個人総合50位:1時間3分12秒 (自己新)
上山詩樹(経済3・敦賀気比高)
個人総合63位:1時間3分19秒
丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)
個人総合83位:1時間3分35秒 (自己新)
平松龍青(経済3・中部大第一高)
個人総合109位:1時間3分56秒
佐藤陸(文3・東京高)
個人総合134位:1時間4分11秒
具志堅一斗(経営3・コザ高)
個人総合140位:1時間4分13秒
田口萩太(文2・東京高)
個人総合148位:1時間4分18秒
日比野陸(経営3・大垣日大高)
個人総合194位:1時間4分43秒 (自己新)
中西慶士郎(経営2・比叡山高)
個人総合197位:1時間4分45秒
和田晴之(経営3・三浦学苑高)
個人総合228位:1時間5分8秒
藁科健斗(経営4・横浜高)
個人総合296位:1時間6分8秒