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2025.10.20
陸上競技

【陸上競技部】ダンカンマイナ、新井、上山、丹 レース後一問一答 第102回箱根駅伝予選会

<第102回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会 10月18日 陸上自衛隊立川駐屯地―立川市街地―国営昭和記念公園 21.0975km>


 予選会を総合13位で終え、2年ぶりに箱根路への切符を逃した専大。監督とレースに出場した全12名の選手のレース後のコメントを全4回に分け、一問一答形式でお届けする。

▲左から時計回りにマイナ、新井、上山、丹


〇ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高)

個人成績 総合39位 62分54秒(チーム1番手)

レースを振り返って

「きつかったが、よく頑張ったと思います。2月から7月まで、ずっと怪我をしていて。その後、ケニアに帰って少しずつ練習して、9月くらいに日本に帰ってきました。そこからチームに合流して、(4次の)夏合宿から練習に参加し予選会を迎えました」


今日のコンディションは

「怪我の影響があり、あまり良くなかったです。10kmくらいまでは良かったが、10km半から足が痛くなってしまいました」


しばらくチームを離れていたが

「みんな(調子が)良くなっていたが、夏合宿が終わってから怪我が多かった。しかし、最後には仕上げられていたので良かったです」


これから伸ばしたいところは

「来年の箱根駅伝は走ることはできないですが、今後はトラックの練習を大切にして頑張りたいです」




○新井友裕(文4・浦和実業学園高)

個人成績 総合50位 63分12秒(チーム2番手、自己新記録)

レースを振り返って

「個人としては、日本人3番以内を狙っていて、中盤13kmぐらいまではかなり余裕を持って集団に付けたので、このまま目標を達成できるんじゃないかと思ったんですけど、14km手前の給水で転倒してしまって…。それからは足の痛みとの戦いみたいになってしまって、なかなか上手く巻き返すことができなかったので、しょうがないですけど、今回は悔いの残る走りとなってしまいました」


転倒はどのような形でしてしまったのか

「他の選手が急速にちょっとバランスを崩しちゃって、そこに巻き込まれて転倒してしまいました」


自身のコンディションは

「4次合宿の時に故障しかけてしまって、合宿が終わってから、なかなか全体練習に合流できずに個別でこの予選会に合わせてきた。合宿が終わった後、すぐに監督とも話して、『走るかどうか』みたいな話になったんですけど、4年生最後ということで、どんな状況でもしっかりスタートラインに立ち、今日もなんとか合わせた感じです」


そのなかでも自己ベストを更新したが

「(当時、63分38秒の自己新記録を出した)2年前もそうですし、今日も結構(調子は)良かったので、全然納得はいかないタイムなんですけど、足に不安があったり、転倒があったりと災難続きだったので、その時のベストは出せたかなとは思っています」


狙っていたレースプランとしては

「日本人(トップ)集団が速かったら付かないで、速くなかったら付くみたいな感じで(狙っていた)。(今日は)速くなく、しっかりそこは付いていく選択はしました」


転倒が影響してかレース終盤はタイムが落ちたが

「タラレバになってしまうんですけど、転倒がなかったらそこまで余裕を持っていってラスト5kmで上げる予定だったので、ある程度のペースアップまでは付いていけるのかなと思ったんですけど、転倒してしまって…。バランスを崩してしまって、3分2、3秒で押すのが限界になってしまったので、本当に残念です」


今日のレースの課題を挙げるとしたら

「個人としては、転倒は仕方ないんですけど、そこまでの位置取りだったり、もう少し集団の様子を見て、前もって走れたら良かったかなと思っていて。チームとしても、集団走の余裕を持てたはずなのに、離れてしまった」

全体的にハイペースの展開になったが、その難しさは

「日本人の集団はラスト5kmの勝負だったので、そこまでの速さは感じなかったんですけど、集団走の周りはもう少し早かったり、ラスト5km、同じようなタイムで行ったところ、(他大は)15分台だったり、集団走のレベル自体も年々上がっているような感じはしました」


最上級生の4年生は2選手の出場となったが

「昨年は4年生(当時、3年生)が4人走って、今年も走れれば良かったですけど、その4年生を抜きにして3年生、2年生の方が強かったので、それは当然。(4年生が)あまり出なかったのは少し申し訳ない感じです」


チームの箱根駅伝出場は逃したが、今後の目標としては

「まずは一旦、体の状態を戻して。次の目標はまだ決めてないんですけど、挑戦できればもう一度専大記録の更新を果たして卒業できれば。その姿を後輩に見せることで、4年生としての最後の使命というか、そういう走りを見せることで、4年生が強いなと思ってもらえると思うので、やっぱり最後に走りを見せたい」


後輩へのメッセージは

「やっぱりこの1年間見てきて、後輩の力は強くなってきてはいるんですけど、他大学の選手の皆さんと比べてまだまだ箱根への思いとか、箱根への取り組みというところはまだまだ甘かったかなと感じていて。そういった面では、自分の経験だったりを伝えていきたいですし、走りの面では一緒にポイントを引っ張ったりとか、残りの期間で伝えきれたらなと思っています」


甘さは具体的にどういった部分に感じたか

「どの学年にも言えることなんですけど、箱根予選会前にも関わらず、箱根予選会と全く関係ない話をしていたり、陸上に関係ない話もしていましたし、そういったのが(エントリー)メンバー内でも見られましたし、メンバー外でも見られたので。そういったところで、他のチームの話とかも聞いていると、やっぱり直前は(予選会以外の話を)していないですし、本当にこれ一本にかけている人たちが多くいるので、そういった選手たちには走りで同等だとしても、気持ちで負けてしまっていたのかなと感じます」


今年はコーチ陣が入れ替わったが、その変化はあったのか

「昨年と似たような練習はしていたんですけど、その中でも小栗さん(=小栗一秀ゼネラルマネージャー)が来ていただいたことで、実業団の経験とかを教えてもらったことで、本当に一歩先の強度というか、世界を知ることができたり、そういった面では高みを目指せているのかなと思います」


今後、競技生活は続けるか

「実業団で続ける予定ではいます。なかなかこの箱根の悔しさは晴らせないと思いますし、箱根以上のものはないと思っている。(今後)納得のいくタイムとか、大会で活躍すれば少しはその経験を活かせたかなと思えるので、この失敗を忘れるくらい頑張っていきたいです」


応援してくれた専大生・ファンへ一言

「まずは今回の結果は本当に私を含む4年生の責任です。そこは本当に申し訳なく思っています。しかし、色々な方が温かいメッセージをくださったり、応援をしてくださっていたので、本当に感謝していますし、温かいファンというか、良い応援をしていただけたと思っているので、来年は自分がそういう(専大を応援する)立場になるので、自分もやっていきたいなと思っています」




○上山詩樹(経済3・敦賀気比高)

個人成績 総合63位 63分19秒(チーム3番手)

試合を振り返って

「さっきのミーティングで、4年生が最後なこともあって話を聞いたりとか、下級生の話を聞いたりする中で、自分の役割を果たせなかったことは申し訳ないなと思います。レース中に関しては、余裕を持って入るということで、公園内に入って少しネガティブになってしまった部分が勝負を分けてしまいました」


自身のコンディションは

「スタッフのサポートとかもあって、コンディションを上げて来られてはいました。昨日の夜を含めて感覚よく走れていたので、良かったかなとは思いますが、結果が結果なのでもう一回走りのコンディションを考えなくてはいけないなという感じです」


今日のレースプランは

「駐屯地に出るまでに、自分に合う良い感じのペースの人を見つけて、市街地はつなぎで、公園内で勝負できたら良いなというプランを立てていました」


自分の走りを振り返って

「公園内の弱さというか、アップダウンの弱さ、速さじゃなくて強さみたいなところが今回、(課題として)強く出てしまったかなと思います。実力不足ではないけど、実力は出し切りました」


今大会を通じて痛感した課題は

「強さという部分です。ピーキング能力も含めて、ここに合わせるみたいなレースが、やはり自分の弱みだと実感しました。自分の気分(心情)に揺いでしまう部分が多くあるので、一個の目標に向かって頑張る強さやレースのタフさなどがまだ足りていないので、そこを強化したいです」


結果を受けて今後伸ばしていきたいところは

「やはり、新井さんがいなくなってしまうというところで、結構自分の中で心理的な安心感ではないけど、新井さんに頼っていた大きい部分がなくなってしまうので、今後は頼られる存在として、安定感のある選手になっていきたいです」


公園内の起伏・気温について

「弱さというか、本当に実力を痛感する部分でした。個人的に登りが苦手ということもあり、前を追わなきゃ行けない展開なのに、上手く走れないという悪循環に入ってしまいました。抜かれる、でも追わないといかないみたいな、一杯一杯になってしまったのが公園内なので、自分的にはあまり良くなかったです」


腕に書いてあった文字は

「ON The TOP! 21km 上山らしく楽しんで」

「同期のマネージャーに書いてもらいました。せっかく書いてもらったのに、期待に添えず申し訳ない思いです」

▲腕に書かれた文字


前半シーズンからの変化は

「上半期は上手くいかないことが多かったです。今年は特に自分の中でも自分の期待値が上がる中で、納得する走りができなかったので、もがきながらではありますが、予選会については良い感じに仕上がってきていたと思います。夏を経て走り方を見直せたわけではないですが、つかめてきていたとは思っていたので、走り方も含め、もっと練習するべきでした」


応援してくれたファン・専大生に向けて

「今日は不甲斐ない走りをしてしまったというか、ある意味僕らしい走りが出たのかなと思います。簡単に来年とは言いたくないですが、次のトラックレースから1つ1つ、皆さんを元気づけられるような力強い走りを、(垂れるような僕の走りじゃなくて笑)皆が『こいつやるやん!』と思うような走りができるように頑張っていきたいです。引き続き応援いただけたら、嬉しいです」




○丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)

個人成績 総合83位 63分35秒(チーム4番手、自己新記録)

レースを振り返って

「もちろんチームとして(本選出場権を)取れなかったのは、ものすごく悔しいですし、自分としては来年の6区で専大記録を更新するつもりでいたので、それができないというのは悔しいです。個人の走りとしては、自分の実力以上の走りができたかなと思っていますが、思ったより下の順位だったので。これぐらいのタイムで走ったらこのぐらいの順位だろうなという(予想に対して)、自分のタイムと順位のギャップがありました。50番以内でいけるかなと思ったんですけど、やはり周りの大学は強いなと感じました」


今日のレースプランは

「まず監督から任されていたのは10kmから14kmの集団走の引っ張りです。(1km)3分2秒とかで引っ張るというようなレースプランで。自分が引っ張るというか、具志堅(=一斗、経営3・コザ高)と並走して引っ張るという形でした。具志堅は最初からずっと引っ張っていたので、それは申し訳ないなと思っています。そこで引っ張っている時、13km過ぎぐらいでマイナが垂れたという専大の応援が聞こえてきて。自分としては集団の中で一番余裕があったので、公園から『(前へ)出るわ』と集団に声をかけて、(公園内で)出たっていう形ですね。マイナの垂れた分を補うために、結構突っ込んで走って、最後はヘロヘロでした」


初めての予選会だったが

「前回は出たかったんですけど、出られなくて非常に悔しかったというのと、専大が2位で通過したことで自分が走りたかったなというのもありますし、複雑な気持ちでしたね。そこで今年は絶対自分の手で予選から走って箱根を走るという意気込みだったんですけど…。ちゃんと走れたのは良かったのですが、通れなくて。去年は予選会を走らずに、箱根本選に出て、正直そこまで予選会がどういうものなのかをあまり知らなかったんですけど、今回走ってみて、予選会を走る身として、本選というのは本当に価値のあるものだと感じました。こういうプレッシャーを乗り切ってくれた人がいたからこそ、去年自分は走れたんだなと思いました。改めて本選の価値を認識させられました。なので、来年は自分がしっかり走ってみんなにチャンスを与えてあげたいです」


後半の公園内は起伏があり、暑さもあったが

「自分は(箱根駅伝)6区(下り)の選手なので、坂は結構速く走れるっていうのと、ちゃんと脱水対策もしていたので、公園内のきつさと暑さには事前の準備で対応はしていました。予定では17kmまで集団走で行く予定だったんですけど、14kmから出て、予定外だったんですけど、思い切っていけたのは良かったです。ラップタイムも公園内が1番早かったので、他の大学の近い順位の人と比べたら自分の方が早かった。来年の公園内の自信にもつながりました。来年はフリーで行って、後半が得意なので、公園内で魅せたいなと思います」


ベストが出せた要因は

「夏合宿が、自分のこの結果に結びついたかなと思っています。夏合宿までは調子が悪くて、一次合宿も喘息でほとんど参加できなかったんですけど、それがだんだん治ってきたので。あとはもうフォームの改善で、腕振りの部分でだいぶ後ろに引けるようになってきて、力を抜いてでも前に進めるフォームを作ることができるようになりました。そのフォームが完成したぐらいから、練習が楽にこなせるようになってきて。(予選会)メンバー選考の富津の16kmで、チーム内1番で走ることができたことで、正直自分の走りに自信がありました。そういうメンタルで走れたというのが大きいですし、実際、体が予選会に適応して動いてくれたというのも良かったです」


フォーム改善はいつ頃から取り組んでいたのか

「自分は常日頃から毎回の練習でもっと良いフォームないかなというのを模索していて…。監督から『研究者気質だね』と言われているんですけど、日々自分のフォームがこれで良いのかなとか、もっと楽に走れる方法は無いのかなとかいうのをジョグで探して、ポイント練習でそれを実践しています。それで日々試行錯誤していました。特に夏合宿は自分の走りにずっと向き合えるので、それがしやすかったです」


タイムとしては目標に近かったが

「自分は63分半を切ることを目標にして、大体70番とかできれば50番ぐらいで行きたかったのですが、(タイムと順位の)ギャップがやはりあって順位としては目標に届かなかったです。やはり自分の中で1つ基準を上げる必要があるなと。63分35秒は自己ベストなので、自分の中ではよく頑張ったなと思うんですけど、客観的に見て自分が箱根を走るにはもっとタイムが必要だと思います」

今回3年生の出場が多く、普段から仲の良い丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)や日比野陸(経営3・大垣日大高)と走ることができたが

「いつも一緒にいるのは具志堅と日比野で、やっと3人で走れるなと。去年の集団走で具志堅と和田とか佐藤陸で走っていたところを3人で再現しよう、みたいなこと言っていたんですけど、それはできなかったです。ただ、単純にその3人で公式戦を一緒に走ったのは初めてだったので、嬉しいですね。3年生が多くいたことに対しても、この学年はやっぱ専修大学の中でやはり強いんだなと。だからといって、井の中の蛙じゃないですけど、この学年が他の大学のチームと比べてどうなのかっていうところに今後は注目してやっていかないといけないなと思います。3年はみんな仲が良いですし、お互いの力を信用しているので、これからもみんなで力を合わせて来年のシード権を取れるように頑張りたいです」


今後伸ばしていきたいところは

「走りの面ではもっとパワフルにというか、タフになりたいなと思っていて、自分は筋力がある方なので、もっとタフにしていきたいです。また、自分は調子の波があったり、体調不良があったりするので。メンタル面でも燃え尽き症候群になったことがあったので、安定させることを目標にしたいです」


今後、最高学年として

「僕はそんなにチームを引っ張るようなキャラではないんですけど、Bチームの底上げはやっていきたいなと思っています。というのも、自分がチーム内で1番下のタイムで入学してからここまで来たので、下からの這い上がり方はわかっているつもりです。今、B(チーム)でくすぶっているメンバーを上に引き上げることが僕の役割かなと思っています」




取材=竹田一爽(文4)、大内奈々(経営3)、田上咲笑(文2)

写真=髙野葵葉(文4)、竹田、門前咲良(文3)、君嶋悠樹(経済2)