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2025.10.12
ラグビー

【ラグビー部】3連勝達成も石倉監督は満足せず「7点取られたことは悔しい」

〈関東大学リーグ戦2部=10月5日 専修大G 専大31-7白鷗大〉


 開幕2連勝で迎えた3戦目、専大は白鷗大と対戦した。前半は拮抗した展開が続き、両チームともに無得点で試合を折り返す。

 しかし、後半8分にはセットプレーから主将・吉田温広(経営4・國學院大學栃木高)のトライで先制すると、3分後には山本燿平(文4・大分舞鶴高)のトライなど、その後も得点を積み重ねる。守備ではFWを中心に、留学生をはじめとする相手の強力な攻撃陣を抑え込む。後半アディショナルタイムには7点を奪われたが、31ー7でノーサイド。この試合でも大差をつけて勝利し、開幕からの連勝を3に伸ばした。



▲3試合を終えて、リーグ最少失点を誇る専大ディフェンス



 前半立ち上がりから専大が得点のチャンスを作る。試合開始早々には、相手の反則からラインアウトでトライゾーン間際まで迫るも、専大の反則で相手スクラムとなり、先制には至らない。以降も敵陣でのプレーが続いたが、攻撃でのミスが響いて得点を奪えない。一方、守備ではピンチの場面も我慢強く守り、持ち前の堅守で耐え凌いだ。前半は互いに攻めきることが出来ず、0ー0で終えた。


 後半開始早々に先制すると、勢いに乗り始める。後半7分には、スクラムの流れからCTB松崎雄大(経済4・長崎南山高)、LO大谷亜蓮(経営3・國學院大學栃木高)など人数をかけて細かくパスを繋ぎ、敵陣で相手の反則を誘う。このプレーで得たラインアウトからモールを押し込み、後半8分に吉田が先制トライ。


▲主将・吉田が連続得点の口火を切った



 先制後、相手のミスから立て続けに追加点を決めてリードを広げる。後半11分、相手のハイパントミスを逃さず、ターンオーバーから中央をWTB山本燿平(文4・大分県立大分舞鶴高)が突破して独走トライ。後半18分には敵陣右サイドでのラインアウトから反則を誘発し、スクラムを押し込んで大谷がトライ。大谷はトライの場面を振り返り、「前半は無得点で試合を折り返して、『どこかでFWから行かないといけない』という気持ちがあり、モールを組んだ時に『ここが勝負だな』と思い、一丸で押し込めた」と試合後に話した。


▲後半11分、山本のトライ


▲後半18分、大谷のトライ



 後半31分には、敵陣左サイドでのラインアウトから逆サイドにボールを繋ぎ、FB永井大成(経営3・東福岡高)のランで攻め上がる。永井はトライゾーン手前で相手のタックルに遭い、トライには至らないものの、味方からパスを受けたHO山内青空(経営3・仙台育英高)が相手の隙を突いてグラウディング。


▲永井がチャンスメイク


▲後半31分、山内のトライ



 以降はセットプレーから反則を取られて攻め込まれるが、要所で攻撃を食い止める。その後、後半40分には自陣で相手がラックから攻撃を展開すると、SH神園然(経済2・東福岡高)がインターセプトから快足を活かして50m以上を走り抜き、31ー0と勝負を決定づける。



▲後半40分、神園のトライ



 しかし、試合終了間際には自陣での守備が続き、相手のラストプレーで反撃を許す。後半46分には、自陣トライゾーン手前で相手ボールのラインアウトから、モールを押し返せずにトライを奪われる。相手のコンバージョンキックも決まり、試合は31ー7でノーサイド。最後に失点を喫したものの、終始リードを保った専大が勝利し、3試合連続でボーナスポイント(3トライ差以上の勝利で新たに勝ち点が追加)も獲得した。この結果、専大は勝ち点18で中央大、山学大と並び暫定首位に立ち、開幕から3戦無敗でリーグ後半戦に突入する。



▲ノーサイド後に両チームが健闘を称え合う



 試合を終えて、石倉監督は「前半は結果的には0ー0で、決して相手に合わせることなく自分たちがやろうとしているディフェンスは間違い無く出来ていたので、無失点に抑えたことは問題無い。ただ、(トライを)取りきれるところで最後取れなかったことは、ラストパスなどの部分でミスを起こしてしまったので、そこは少し勿体無かったと思う」と試合全体を振り返った。


 開幕戦から大差での勝利が続いていることについては、「力の差があるので、我々としては大差で勝って当たり前だと思っているが、得点を重ねるよりも0で抑えたい。大量得点を取ったが、7点取られたことは悔しい。結果的に点差が開いて勝利したが、0で抑えて『専大のディフェンスは凄い』と言われるチームにしていきたい」と、守備の重要性を説いた。


 リーグ戦は佳境を迎え、「國學大との試合で、もう一回(新潟食農大戦に続いて)0で抑えることが出来るように調整をしていきたい。山学大に対しても外国人選手を中心とする強いチームなので、しっかりと自分たちの試合が出来るようにしたい。今日の前半は0ー0だったが、しっかりと(前半から)点を取って0で抑え、後半に入っても自分たちのペースに持っていけるような試合を目指したい」と後半戦に向けての意気込みを話した。




 主将の吉田は「1週間準備してきたことを(試合でも)やりたかったが、途中で自分たちが違ったことをしてしまい、前半はあのような結果になった。後半にしっかりと立て直して、春からやってきたことが相手との違いとして表れたと思うので、勝つことが出来て良かった」と試合を振り返った。


 先制トライの場面は「後半の入りから敵陣に入り、最後はゴール前で相手のペナルティを誘ってモールを組み、トライを取れたので、凄く良い形で後半に入れた」と話した。


 次戦に向けて、「弱い相手ではないので、まずは相手にベクトルを向けるよりは自分たちにベクトルを向けたい。強いキャリーで当たることを1週間やってきて、白鷗戦の前半に出来なかったことを来週は前半からしっかり出来るようにしていきたい」と意気込んだ。




 大谷は試合を振り返り、「前半は押され気味で、ディフェンスの場面が多くなってしまい焦りがあったが、後半に断ち切れて良かった。相手の留学生を1人で止めることは難しいので、人数をかけて抑えることが出来た。自分たちは1人スタープレイヤーがいるというよりも、皆の力で戦っていて、リザーブの選手たちもスタメンと同じくらいの熱量で出来る部分が強み」と話すように、この試合もチームの総合力で勝利を掴み取った。

 

 次戦に向けて、「しっかりと次も勝ち切り、全勝して入替戦に行けるように頑張っていきたい」と意気込みを話した。

 



次戦は10月12日に専修大学グラウンドで國學院大學と対戦する。


文=藤林利英(文2)、写真=君嶋悠樹(経済2)