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〈第77回関東学生フェンシング選手権大会2日目=10月9日、駒沢オリンピック公園総合運動場 屋内球技場〉
関東学生フェンシング選手権大会(以下、関東インカレ)の2日目が行われ、女子エペの個人戦で平西桜子(経済4・金沢西高)と吉田ひなた(人間科学4・気仙沼高)がベスト8に入った。女子エペの団体戦は、大会日程の変更や出場メンバーを急遽交代するなどのイレギュラーが重なって苦戦し、ベスト8で姿を消した。
▲ポイントを奪い、ガッツポーズをする吉田
○女子エペ個人戦 4年生の2選手が最後の関東インカレで8強
平西は自己初、吉田は1年次以来となる関東インカレでのベスト8となった。予選プールを無傷の5連勝と全体1位で通過した平西は、トーナメント3回戦で明大の本間美月選手と対戦。序盤は平西がリードする展開も、徐々に押される形となり、11対15で敗れた。ベスト4進出とはならなかったが、「いつもベスト16以上に行けていなかったので、シンプルに嬉しい」と最後の関東インカレで奮闘した。
▲12月の全日本選手権が競技生活ラストマッチの予定。「とにかくやりきりたい」と語った
予選を全勝で通過し、「プレッシャーで少し押しつぶされそうになった」と話す平西。トーナメント2回戦は15対14の接戦となるなど、予選後は思うようにポイントを伸ばせなかった。26日には全日本学生フェンシング選手権大会(以下、インカレ)が控え、「練習を本番だと思って自分にプレッシャーを掛けていきたい」と力を込めた。
予選を2勝2敗で通過と成績が振るわなかった吉田は、トーナメント1・2回戦で予選上位の選手を次々と撃破。ベスト4を懸けた3回戦では岸本鈴選手(明大)と対戦するも、10対15で敗れた。予選は緊張もあって「剣を振り過ぎてしまった」と話すが、見事に軌道修正を行い、トーナメント戦につなげた。相手ディフェンスの隙を着実に突く戦い方が功を奏し、関東インカレでは自己ベストタイの8強入りを果たした。「今まで以上に関東インカレの成績が良かったので、インカレでも今まで以上の成績を目指す良いきっかけになった」と学生最後のインカレで3位以上を狙う。
○女子エペ団体戦 今年はチームスタイルを変更 インカレで集大成へ
例年、団体戦は個人戦の翌日に行われていたが、5日に発生した東急田園都市線の事故の影響で大会日程が大幅に変更。女子エペは個人戦と団体戦が同日開催となり、心身ともに厳しい状況を強いられた。さらに、個人戦の結果を受けて急遽出場メンバーを変更し、思うような準備ができない中で、早大との対戦を迎えた。
好調の平西を筆頭に序盤はテンポ良く得点を奪うが、吉田が「チームのモチベーションを保つのが難しかった」と話すように逆転を許すと、終盤には10点以上差がついてしまう。最終9巡目の平西も諦めず、最後まで攻めの姿勢を貫いたが、35対45で敗れ、ベスト8で関東インカレを終えた。
▲試合後、円陣を組む選手たち
昨年はインカレ、王座戦、関東インカレで準優勝を果たすなど、安定した強さを見せていた女子エペチーム。しかし、主力を担っていた齋藤華南選手(令7・経済卒/現・林テレンプ株式会社所属)ら3選手が一気に抜ける形となった。
特に絶対的エースとして活躍した齋藤選手が抜けた穴は大きいと吉田、平西は口をそろえる。吉田は「(昨年は)齋藤先輩がすごくたくさん得点して他が耐えるプレースタイル。今はたくさん得点できる選手がいないので、とにかく1点ずつ積み重ねるしかない」と話す。平西も「(齋藤選手は)自分の憧れ。先輩のように後輩の些細な変化に気づけるようにコミュニケーションを取っている」と試行錯誤を重ねる。
現チームで臨む団体戦も残りわずか。まずは今月末のインカレへ向けて鍛錬を積む。吉田は「チームの盛り上げが大事だと先輩方に教わったので、自分が失敗しても雰囲気は下げないように意識したい」。平西は「『団体ってこういうものなんだよ』という姿勢を先輩から教わったので、それを教えて引退したい」とそれぞれ意気込んだ。4年生の集大成となるインカレで、表彰台入りを目指す。
▲ベンチに向けてガッツポーズをする吉田。他選手の出場時もチームを鼓舞した
〈その他の結果〉
女子エペ・個人戦
宮田咲希(人間科学3・北陸高)予選プール敗退
篠島優衣(経営1・埼玉栄高)予選プール敗退
男子サーブル・個人戦
山本絢士(ネット情報4・高知小津高)トーナメント2回戦敗退
今給黎仁(経営3・鹿児島高)トーナメント初戦敗退
下村悠陽(文1・柳井学園高)トーナメント初戦敗退
前田絆成(経済2・富山西高)トーナメント初戦敗退
大西琳久(経営4・三島高)トーナメント初戦敗退
板橋央(商1・新田高)トーナメント初戦敗退
男子サーブル・団体戦
ベスト8
▲2回戦の青学大戦に勝利し、喜ぶ男子サーブルチーム
文・写真=竹田一爽(文4)