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<令和7年度東都大学野球秋季リーグ戦=10月2日 等々力球場 専大2-1拓大>
前節で初の勝ち点を獲得し、迎えたシーズン折り返しの第3節は拓大との対戦。第1戦の先発には引き続き多田結祐(経済2・健大高崎高)が上がり、4イニングを無失点の好投で試合を作った。打線は4回表、宮﨑元哉(経営3・明豊高)のリーグ戦初となる本塁打で1点を先制すると、7回表には相手失策の間に1点を追加。
8回には廣崎漣(経営2・浜松開誠館高)、9回は梅澤翔大(経営1・専大松戸高)が登板し、前節からの勝ちパターンで試合を締め括った。
◎先制本塁打に猛打賞の宮﨑元「ボールがしっかり見えていた」
初回、2回とチャンスを作るも決め手に欠けた打線だが、3年生のバットが貴重な先制点をもたらした。4回表、7番・宮﨑元が4球目の直球を振り抜くと、打球はそのままライナーでレフトスタンドへ。自身リーグ戦初本塁打となった。「本当に気持ち良かった。うまく打てたな、という一言です」と会心の当たりだった。
今季は全試合にスタメン出場、コンスタントにヒットも出ていたが「(バッティングの感触は)良くなかったので、この節の前にしっかりと見直した」とフォームを改善し迎えた試合。「ボールがしっかり見えていたので。ストライクゾーンをしっかりスイングできた」と、2回に放った三塁線を破る2塁打と、4回の本塁打はいずれも引っ張り方向へ強烈な打球を放った。
8回にも中前打を放ち、今季初の猛打賞も記録。春季リーグ戦では6安打で6打点を稼いだチーム屈指のクラッチヒッターは「もう負けられないので。全勝で勝って、入替戦へ向かいたいと思います」とシーズン中盤ながら逼迫感あるコメントで意気込んだ。
◎セットアッパー・廣崎とクローザー・梅澤の8回9回コンビ
1点差で迎えた8回裏、マウンドに上がったのは廣崎。「1点差の中で物凄い緊張感はあったけど、なんとか抑え切れて良かった」とコメントは初々しい。
先頭打者にヒットを浴び、犠打で1死2塁のピンチを招いたところで齋藤正直監督がマウンドへ。「(監督からは)『ちょっと固いぞ』と。『いつも通り、普通に行け!』と言ってもらいました」と、指揮官からの檄を受けた後は開き直った。持ち味の躍動感あるフォームからテンポよく投げ込み、2つのフライアウトでピンチを凌いだ。
この秋は第1節の初戦でリーグ戦初登板を果たすと、翌日の第2戦では「2番・中堅」でスタメン出場しヒットも放った。第2節の2試合ではリード時の8回に登板、好投でセットアッパーの役割を掴んだ。投打でフル回転中の廣崎は「元々投手もやるつもりで大学に来たので。投げれて楽しいですし、成長できているかなと思う」と充実の表情。”廣崎式”の二刀流が完成する日も近い。
9回裏は梅澤が圧巻の投球で三者凡退、2つの三振を奪ってゲームセット。等々力球場のスピードガンは最速153キロを記録した。「力を入れた時に(153キロ)がちゃんと出たので。ボールに(力が)伝わっているという意味で、良くなって来ていると思います」と、登板を重ねるごとに状態は上向きに。「自分は9回なので。残り少ない試合数、限られたイニングですけど、しっかり0に抑えてチームに貢献したいです」と堂々たるクローザーとしてのコメントを残した。
第2節から3連勝中のチームで、8回廣崎・9回梅澤も3連投中。廣崎は「今後も0を続けて、梅澤に繋げられたら」と話すと、梅澤も「8回は安心して見ていられるので。9回に集中して肩を作れている。頼もしい先輩です」と応えた。勝利の方程式が確立されつつある。
【多田結祐(経済2・健大高崎高)】
ーーー今日の投球を振り返って
「粘りの投球で0点に抑えられたが、もう少しテンポよく、守備の時間を短くするところは改善できると思う。前回も4イニングで降りてしまったので、5回6回まで行けなかったのが悔しかったです」
ーーー第1戦の先発を告げられたのは
「明確には伝えられていないんですけど、心の準備はできていました」
ーーー第1戦の先発を任されることをどう捉えているか
「元々長島さんがずっと投げていたところを、今は投手陣全員でカバーしようと話ている中での先発なので。絶対に0点でチームに勢いをつけようと思っています」
ーーー秋の飛躍の要因は
「夏は下半身の使い方について、悪い癖が下半身に出やすいので、その癖が出た時にどう修正していくかに取り組んだ。練習試合から調子が良くて、そのままリーグ戦に入れています」
ーーー今後に向けて
「先発・中継ぎどちらでも、とにかく0で抑えること。後ろにもいい投手がたくさんいるので、1イニングずつ全力で抑えにいきたいです」
文=萩原健丸(経営4)
写真=小畑祐人(文2)