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▲今大会では”箱根駅伝シード権獲得”に繋がる戦いができるよう、夏合宿で走力を磨く
10月18日(土)、陸上自衛隊立川駐屯地から昭和記念公園間で第102回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が開催される(8時30分スタート)。本戦出場枠10校をかけ、21.0975kmのハーフマラソンを各校10名の合計タイムで競われる。陸上競技部は前回大会、総合2位で本戦出場を果たし、創部100周年目に花を添えた。今大会では“本戦でのシード権獲得”を掲げるチームの戦い方に注目が集まる。
〇5位以内通過を目標 昨年の経験を武器に
「予選会の目標というより、本戦を見据えているので、箱根駅伝でシード権獲得というところが大きな今年の目標」と長谷川淳監督は語る。選手間では3位以内突破を目指している一方で、「今いる選手たちのベストの走りを引き出す、他校が強くてもさらにその前に行けるようなチームを今、作っているような状況なので、通過(順位)は何番でもいいと思っている」。それでも「3~5番以内で通過しないと本戦でのシード権獲得率が下がってしまうので、現実的に5番以内というのは目指さないといけない数字」と上位での予選突破を狙う。
▲箱根路での戦いも見据えながら今大会の戦略を練る長谷川監督
高気温の中、行われた前回大会での結果が「自信になっていると思う」とチームの武器になる。そして、今年は前回大会に出場している選手が多く「非常に経験が物を言う箱根駅伝予選会、本戦という中では経験値というところも一つ強みになってくる」と経験を活かしたい。
さらに、集団走の完成度具合や気候対策も肝心だ。「例年も暑かったり寒かったり、どっちかしかないので、快適な時がない。なので、もうやっぱりほんとに1週間前から気候はチェックしている。湿度がどれぐらいなのかとか、給水をどれぐらい取ったらいいのかとか、ペースはどうしたらいいかとか、直前まで悩むので、そこがビシッとハマっていけばいけると思うし、ちょっと何かを見せるとやっぱり動揺が生まれて後ろに下がってしまう」とコンディション対策にも心を配る。
〇具志堅、佐藤陸が鍵を握る 身体の強さと経験が強み
今大会もチーム内で自己記録が突出している新井友裕(文4・浦和実業学園高)、上山詩樹(経済3・敦賀気比高)、ダンカン・マイナ(商2・専大熊本玉名高)の三本柱が今年もチームの核となる。
加えて、上半期の大会で経験を積んだ具志堅一斗(経営3・コザ高)、佐藤陸(文3・東京高)の3年生コンビにも「本来の力を発揮してもらえれば、重要なポジションで走ることになる」と期待が高まっている。
この2選手の共通点は練習の継続率の高さだ。大学入学後、具志堅は一度も大きな故障をしたことがなく、佐藤もケガで離脱することが少ない。「長距離の本質というか、コツコツ長く継続してやるということができている」と太鼓判を押している。
▲タフな走りが魅力の島人ランナー・具志堅一斗
前回大会で具志堅は和田晴之(経営3・三浦学苑高)、佐藤とともに集団を引っ張り、総合89位の65分44秒でフィニッシュ。チーム4番手として総合2位に貢献した。さらに、本戦では7区で出走を果たし、6区で好走した丹柊太郎(人間科学3・松山商業高)の勢いを襷とともに繋ぎ、順位を1つ上げた。
2月には、中1週間で丸亀国際ハーフマラソン、宮古島駅伝、青梅マラソンと3つの大会に連続で出場。いずれの大会も20km以上を超える距離を走ったが好タイムを残し、身体の強さが際立った。中でも宮古島駅伝では最長区間である20.1kmの3区で1分1秒00と区間賞を獲得。地元・沖縄で勇姿を見せた。5月には3年連続で全日本大学駅伝予選会の出走を果たした。タフな走りを見せつけ、四本目の柱の誕生となるか。
▲多くの経験を積んだロードレース職人・佐藤陸
一方、佐藤も前回大会で集団を引っ張り、総合117位の66分03秒でフィニッシュ。チーム7番手として総合順位を底上げした。しかし、膝の故障で夢の本戦出場を逃してしまった。
その悔しさから、ランニングシューズをナイキのフリーランに変えてジョギングをするなど新しい練習方法を試した。すると、2月に行われた学生ハーフでは自己記録を2分21秒上回る1時間2分35秒を記録した。関東インカレ男子2部ハーフマラソンでは、参考記録ながら47着の1時間5分40秒と入賞を目指していただけに悔しい結果となった。それでも、今季は宮古島駅伝や焼津ハーフ、Tokyo: Speed: Raceなどにも出場し、いずれも安定した走りを見せた。苦楽を味わったロードレース職人は経験を力に変えられるか。
故障が少ないこともあり、多くの大会に出場した2選手。「レースの中でいろんなことが起きても、引き出しが多いので、対応力も上がっている。機会がないと引き出しを得られないので、そういった意味では、ベテランの走りというか、そういうのに期待している」と実績を活かせるか注目である。
〇迫る箱根駅伝予選会 「本戦で勇気を持てる走り」で突破へ
1か月後に迫る今大会では「まずはしっかり現有の戦力を整えて、チームとして最高の状態を作るというのが一つの目標だと思っている」と長谷川監督はさらなるチーム力の底上げに注力している。指揮官は「昨年は2位で通過したが、今年はシード権獲得というのを非常に大きな目標にしているので、当然そこで満足してはいけない。本戦で勇気を持てる走りができる順位を取れるようにやっていきたい」と箱根路での戦いも見据えた。
悲願の箱根駅伝シード権獲得に向けた前哨戦がまもなく始まる。
文=門前咲良(文3)
写真=門前、竹田一爽(文4)