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〈第50回全国学生相撲個人体重別選手権大会 8月31日=靖国神社相撲場〉
専大からは東日本学生相撲個人選手権大会で出場権を獲得した4名が出場した。昨年、75kg未満級で初優勝を果たした栩内陽向(商4・弘前実業高)は、難なく決勝へ駒を進めると、清宮健史選手(日大)を寄り倒しで破った。節目の50回目を迎えた同大会で専大史上初となる2連覇の快挙を成し遂げ、全国学生相撲選手権大会(=インカレ)の個人戦出場権を得た。
▲専大史上初の連覇を成し遂げた栩内
○今年の決勝は「攻め8割、守り2割」の相撲 タイトな4連戦制して連覇つかむ
見事な相撲で専大史上初の快挙を成し遂げた。前回大会王者として臨んだ栩内は、昨年の準決勝で対戦した山城希友斗選手(日大)と初戦で激突した。初戦が勝負になると考えていた前年度チャンピオンは、立合いから果敢に相手のまわしを取りに行く。それでも、互いに譲らず、昨年と同様に長相撲の様相を呈すると、1分以上が経過。山城選手が勝負を仕掛けて土俵際に追い詰められるが、粘りを見せて最後は下手投げで栩内に軍配が上がった。
▲初戦、下手投げを繰り出す栩内
キーポイントに挙げた初戦を「四つを組んだ時、力では勝てると思ったが、どうにか気合で乗り切った」と振り返った。その後は難なく決勝まで駒を進め、昨年の決勝と同じく日大の清宮健史選手と相見えた。互いに手の内を知る中、激しい立合いから膠着状態が続くと、最初に仕掛けたのは栩内。相手を土俵際まで追い込み、2分間にも及ぶ取組を寄り倒しで制した。昨年はがむしゃらに攻めたという4年生は「確実に勝ちに行きたいという気持ちもあり、攻め8割、守り2割でいった。結果的に勝てて良かった」と戦略を明かした。
▲寄り倒しで相手を破った
今大会は取組間のインターバルが非常に短い中で、決勝を含めて4試合を戦った。決勝直後には苦しい表情を見せ、「(長相撲で)息が切れて脳に酸素が回っていなかった。本当にきつかった」とまさに意地で連覇をつかんだ。最後の体重別大会ということもあり、栩内の父も会場に駆け付けた。「地元から応援に来てくれたので、優勝という形で終われて良かった」と満面の笑みを浮かべた。
今大会の結果でインカレの個人戦出場権を獲得。昨年のインカレは怪我の影響でコンディションが上がり切らなかったこともあり、「怪我をしないように頑張りたい」と意気込む。
○堂々ベスト8 成長の一勝が次への糧に
栩内と同じ75kg未満級に出場した水野智朗(商2・愛知工業大学名電高)は、昨年の成績を上回るベスト8進出を果たした。初戦前は緊張した面持ちだったが、立合いから鋭く前へ踏み込み、見事な上手投げで竪山智哉選手(名古屋大)から白星を挙げた。試合後には「去年も同じだったが、固かったので。試合に臨む前のアップだったり、そういうのがまだまだ足りないのかな」と初戦を分析した。
▲昨年は達成できなかった初戦を突破した
勢いそのままに挑んだ2回戦も積極的に前に出て、低い姿勢で攻め続けた。しかし、土俵際に押し出され、惜しくも敗れた。「前に出た結果負けてしまったので、今度は土俵際とか前に出た後のことももっと考えてやっていきたいなと思う」と反省点を述べた。
▲集中して2回戦に挑んだが、惜しくも及ばず
大会を振り返って「目標は3位だったので、ちょっと悔しい結果ではあるが、1個勝てたのは大きかった」と前向きに語り、「来年もまた全国に出て、今度は3位とか、優勝目指して頑張りたい」と高みを見据えた。また、目前に迫るリーグ戦に向けても「多分リーグ戦は出ると思うので、チームに貢献できるように頑張りたい」と力強く意気込んだ。
○蒲田監督「良いリズムができた」 総力戦で1部残留へ
取組後、蒲田勝太監督は「栩内の連覇は素晴らしい。本人の努力のおかげ。学業との両立をしており、他の部員のお手本になっている」と称えた。いずれも入賞とはならなかったが、水野や山田珠大(文3・埼玉栄高)、小坂憲史(商4・鳥取城北高)に対しても「東日本(学生相撲個人体重別選手権大会)で出場権を獲得し、ベスト8・16は立派なこと」と労をねぎらった。
9月21日には東日本学生相撲リーグ戦が控えている。蒲田監督は「部員11人の中、9人で戦う総力戦。良いリズムができたので、そこへ向けて頑張りたい」と力を込めた。
〈結果〉
○75kg未満級
栩内陽向 優勝
水野智朗 ベスト8
○100kg未満級
山田珠大 ベスト16
○135kg未満級
小坂憲史 ベスト16
文=臼井千晴(文2)、竹田一爽(文4) 写真=竹田