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JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦3部
第9節 VS中央学院大学サッカー部
5月18日(日) 14:00Kickoff
@専修大学生田北グラウンド(川崎市多摩区)
専大 1–1 中院大
得点者 専大 仲本
中院大 小澤
第9節は中央学院大学と対戦し、1-1の引き分けに終わった。前半は左サイドの佐藤の仕掛けから得点を狙うが、主導権を握り切れない。それでも、41分にこぼれ球に素早く反応した仲本が今季初ゴールを挙げて1点リードで折り返す。後半開始直後に失点を喫した専大は、攻撃的な選手を相次いで投入するも、相手の守備ブロックを崩せない。最終盤にかけて猛攻を仕掛けるが、最後まで得点は奪えず。上位追走を目指す中、手痛い3戦連続のドローとなった。
▲出場8試合目で待望の今季初ゴールを挙げた仲本
〈試合前情報〉
以下、スターティングメンバー(4-2-3-1)
GK 12 上林 真斗(法3・昌平高)
DF 4 橋本 清太郎(文4・流通経済大柏高)
DF 23 鈴木 嘉人(経済2・実践学園高)
DF 22 坂本 柊(経済1・尚志高)
DF 5 志村 ぼん(経済3・韮崎高)後半36分 OUT
MF 7 河野 修和(文4・甲府昭和高)
MF 20 三木 喬貴(ネット情報2・習志野高)後半27分 OUT
MF 18 仲本 隼翔(経済4・松商学園高)後半9分 OUT
MF 17 佐藤 漣(法2・成立学園高)後半9分 OUT
MF 8 橋本 燦(ネット情報2・帝京長岡高)後半18分 OUT
FW 9 伊澤 壮平(人間科学4・浦和南高)
途中出場
MF 24 溝口 晃史(法1・大津高)後半9分 IN
MF 19 那須 奏輔(経済2・東海学園高)後半9分 IN
MF 14 道白 優斗(文2・流通経済大柏高)後半18分 IN
MF 26 遠藤 琉晟(ネット情報1・帝京長岡高)後半27分 IN
DF 6 岡田 海人(法3・浜松開誠館高)後半36分 IN
〈試合展開〉
前節、首位を相手に奮闘した専大だったが、東大樹監督が「相当出来の悪いゲームだった」と話すように攻守両面で精彩を欠いてしまった。試合序盤から両チームともに主導権を握ることができず、互角の展開となる。専大は左サイドハーフの佐藤にボールを預け、ドリブル突破から得点を狙うが、決定的なチャンスは生み出せない。
それでも、前半41分には、志村が縦パスを供給すると、伊澤がワンタッチでスペースにボールを送る。橋本燦が抜け出してペナルティエリア左からシュートを放つと、相手GKが弾いたこぼれ球に仲本が素早く反応して頭で押し込み、ネットを揺らす。拮抗した展開の中、仲本の今季初ゴールで先制に成功した。
▲先制ゴールを喜ぶ選手たち
ハーフタイムには指揮官から「後半ギアを上げないと苦しいぞ」と指示が飛んだが、後半開始早々、失点を喫してしまう。中院大にFKを与えると、その流れから相手にペナルティエリア手前の左から浮き球を供給される。このボールをファーサイドで合わせられて同点に。
勝ち越し点を奪いたい専大は、溝口や那須、道白といった攻撃的な選手を投入。しかし、思うように相手守備ブロックを崩せず、攻めあぐねる展開となる。後半23分、26分にはピンチを迎えるが、上林がなんとか防ぎ切って追加点は許さない。
▲波状攻撃を仕掛けられたが、上林が体を張って防いだ
その後も見せ場を作れないまま、アディショナルタイムに突入。直近2試合連続で劇的な得点を挙げている専大は残された8分に全てを懸ける。後半47分に左CKを得ると、キッカーの那須が左足でアウトスイングのボールを送り、フリーになっていた坂本が頭で合わせる。ドンピシャのタイミングだったが、ここは相手に防がれてしまう。
なおも猛攻を仕掛ける。後半53分には、那須がペナルティエリア右から得意の左足を振り抜く。相手GKが防いだボールに橋本清が詰めてゴール前にクロスを折り返すが、味方は合わせられずに試合終了。3試合連続の引き分けに終わり、前半戦最後のホームゲームで白星を挙げることはできなかった。
今節は攻撃のギアが上がり切らず、東監督は「タッチ数が多くて、1人で2タッチ、3タッチする中で、距離がどんどん近くなって上手くパスが回らなく、苦しい展開だった」と振り返った。試合後のミーティングでは「先週と同じ様な失点の仕方を反省しつつ、止めて蹴るという練習の中で、そこに向き合っていない選手が多いからこういう展開になってしまうという話をさせてもらった」と語り、「今週(試合)への持っていき方の問題なのかなと思いつつ、スタッフも含めて反省しなきゃいけない」と改善を図る。
▲試合中、指示を送る東監督
9試合を終えて3勝5分1敗の6位に位置し、「(前半戦残り2試合)全勝しても昨年(同時点)の勝点には届かないと思う。そこに少しでも近づくために勝点3は必須と思っている。しっかり勝ち切るサッカーをして手堅いところも見せられれば」と意気込んだ。
〈PICK UP PLAYER〉
仲本隼翔
久々の得点に喜び大爆発 昨季終盤は脳震盪で戦線離脱
「9節目での1点だったので、本当に取れて良かった」と今季初ゴールに安堵の表情を見せた仲本。昨年、10月以来の得点を挙げてゴール後には喜びを大爆発させた。
4年生アタッカーは得点を奪うまでなかなかプレーに絡むことができず、「前半は特に不甲斐ないプレーをしていた」と反省した。東監督も「30分ぐらい消えていた時間があった中で、やっぱり一発を持っている選手なので、良いところにボールがこぼれてきた。前節はシュート0で、今日は積極的に打ちに行ったりしていたので良かった」と語った。開幕当初は途中出場がメインだったが、第6節以降はスタメンに定着。ただ、途中交代が続いており、「ここからどんどん点を取りたい。長い時間出てチームを勝たせられるようなプレーをしたい」と初ゴールをきっかけにプレータイムを伸ばしたいところだ。
昨季終盤には短期間で2度の脳震盪があり、一足早くシーズンを終えていた。改めてプレーできる喜びを再認識し、「ラスト1年なので、しっかりチームのためにできるプレーをしていかなければいけない」と闘志を燃やした。
鈴木嘉人
エアバトルに絶対の自信あり 負傷相手を気遣う心優しい一面も
3試合連続の先発出場となった鈴木は「後半の入りが悪く失点してしまった。後ろ(守備陣)が締められなかった。1-1だったが、1-2で終わってもおかしくなかった」と試合を振り返った。
前半は相手のロングボールを警戒するあまりディフェンスラインが低くなり、監督からのコーチングが何度もあった。なかなかラインを上げきれず、「自分の背後を取られるのが怖かった。監督から『ビビっていた』という表現があったが、それが正しい」と背後への対応をウィークポイントに挙げた。
その一方で、187cmと恵まれた体格を生かした対人プレーやヘディングはチームの大きな武器にもなっている。「(コーチ陣にも)絶対に負けちゃいけないと言われている。ここ何試合かで自信がついてきているので、そこを続けていけば攻撃で点を取れたり、守備でももっとやれる」とエアバトルに絶対的な自信を持つ。
▲ロングボールを跳ね返す鈴木
気迫のこもったプレーが持ち味だが、フェアプレーと相手を尊重することを信条としている。この試合の最終盤に相手フォワードが負傷し、ピッチに倒れ込んだ。鈴木はプレーが途切れると、負傷者に駆け寄って肩を貸し、タッチライン際まで送り出す素晴らしい振る舞いを見せた。鈴木は「あれが大学サッカーのあるべき姿。相手だからと関係なく、大切にしていること」と話す。自身のブログには『勝利の女神は細部に宿る』とつづっており、「別にそれをしたから何か良いものが返ってくるわけじゃないが、高校の監督から口酸っぱく言われてきたので、体が無意識に動いた」とピッチ内外において体現している。
前半戦も残すところ2試合となり、勝点が近い相手との対戦が続く。2年生センターバックは「自分の中で引き分けは負けに等しいくらい。(勝点)3を取っていかないと上に行けない。(河野)修和くんを中心にこの1週間、積み重ねていきたい」と力強く語った。
次節は5月25日に立教大学富士見総合グラウンドで立教大学と対戦する。
文=竹田一爽(文4)写真=藤林利英(文2)