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2025.05.16
陸上競技

【陸上競技部】 勝負のハーフに3名出場 悔しさが残る結果に

<第104回関東学生陸上競技対校選手権大会 4日目=5月11日 相模原ギオンスタジアム>

  関東学生陸上競技対校選手権大会(以下・関東インカレ)は最終日を迎え、男子2部ハーフマラソン決勝に佐藤陸(文3・東京高)、佐藤恵伍(文2・自由ケ丘高)、中西慶士郎(経営2・比叡山高)が出場した。同月24日に行われる全日本大学駅伝予選会に向けていつもとは違う調整で挑んだ専大は、「優勝、最低でも20位以内」という目標を掲げレースに挑んだ。しかし、暑さの影響も受け、思うようなレース展開とはいかなかった。中西が23着と健闘を見せるも、続く佐藤(恵)が44着、佐藤(陸)が47着と悔しさが残るレースとなった。 また今大会の男子2部ハーフマラソン決勝では運営本部のミスによりトラック周回1周分不足したため、参考記録となった。

 

 

〇集団から遅れるも、粘り強い走りを見せ健闘

 専大勢1番手となった中西は1時間4分16秒を記録し、全体23位でフィニッシュ。レース全体を振り返り「応援で埋め尽くされていて楽しかったが、結果が想定していたより良くなかったので悔しい」と普段と異なるレースを楽しんだ。一方で、本人としては納得のいかない結果となった。その要因として、「つけるところまで先頭集団について、中盤で粘って10番以内でゴールしようと思っていたが、7キロぐらいで離れてしまって、1人になることが多かった。後半にペースを上げられて、順位も上げることができたが、最初からついていけていればもっといい順位が取れた。後のこと考えすぎて、早々にきついからと遅れてしまったのが気持ちの面で負けていた」と分析した。

 ▲集団から遅れるも粘りを見せた

 先頭集団から早い段階で離脱してしまった中西だったが「中盤1人になってもあまりペースが落ちずに押していけたので、単独走でもある程度は押していけるのかなと思えた」と苦しい展開でも粘ることができた。

 長谷川監督も「集団から最初に遅れはしたが、それが逆に後半の充電というか、貯められたところにもなった」と後半で順位を上げられたことを評価した。

 昨年は1500mに出場し、今回が2度目の関東インカレとなった。「やっぱり(去年)この関東インカレを経験していたっていうのもあって、緊張はあったが、去年ほど緊張に飲まれずにスタートラインに立てたので、持っていき方が去年に比べ成長した」と前回の経験が活きた。

 中西にとって、箱根駅伝予選会が次なる目標である。「チームが予選会3位以内を目標にしているので、そこでしっかり調子を合わせられるようにしていきたい」と予選会出走への意欲を見せた。



〇初の関東インカレ 課題が明確に

  初めての関東インカレを迎えた佐藤(恵)は男子2部ハーフマラソン決勝に出場。序盤から良い位置につくことができず集団の後方に位置した。5㎞地点で34番手、10㎞地点で49番手と徐々に順位を落とし、集団からも遅れを取ってしまう。しかし、後半15㎞地点で47番手と2つ順位を上げ、最終的には44着でフィニッシュ。記録は1時間5分23秒と暑い中でのレースに苦戦した。

▲初の関東インカレは悔しい結果となった

  佐藤(恵)は「最初からレースに対応できず、非常に不甲斐ない結果となった」とレースを振り返り、「いけるところまでしっかり余裕を持って集団に付こうと思っていたが、思ったよりも早く集団から抜けてしまって、そこからズルズルと後ろに下がってしまった」と悔しさを滲ませた。初めての関東インカレで「こうした暑い中、厳しい環境でやれたのは良い経験になった」と話し、その一方で「集団に対応できるスピードとスピードを上げた上での余力が全然足りなかった」と反省点を口にした。

  長谷川淳監督は「恵伍はしっかり練習もできていて良い状態で迎えてくれてはいたが、走り出しの集団の位置が悪く、もう少し前の方に行って欲しかった。中盤以降、後ろの集団のグループにはまってしまってなかなか順位も上げられず、後半に自力になってしまったので、もう少し優勝するとか順位に対して執着を持って欲しい」とポジショニングと意識の改善を求めた。

  24日に控える全日本大学駅伝予選会に向けて「予選会も暑さが出てくる試合だと思うので、暑さに対応できる我慢強さ、距離をしっかり踏んでいくという練習をしていきたい」と前向きに話し、「不甲斐ない結果を払拭できるようにしっかり良い順位で帰ってきて、専大に貢献できるようにしたい」と決意を新たにした。

 


〇課題は「準備不足」 悔しさ滲ませた3年生ランナー

▲今回の経験を糧に箱根予選会での活躍を目指す

 昨年に続き、同大会2度目のハーフマラソンに出場した佐藤(陸)は1時間5分40秒47着。入賞を目指していた佐藤(陸)にとって課題の残る結果となった。「暑さと起伏のあるコースで強さが求められるレースだったが、走りでも気持ちでも自分の強さではなく弱さが出てしまった」と本来の自分の走りができず、中盤から苦しい走りが続いた。さらに、佐藤(恵)、中西の1学年後輩の2人に負けてしまったことについても「情けない走りをしてしまった」と悔しさを滲ませた。佐藤(陸)は今大会の大きな課題として「準備不足」を挙げ、差し込み(脇腹の痛み)があり、食事面での注意が足りなかったと話した。また、暑さが想定されていた中で水分補給への意識が低かった、と具体的に振り返った。

 長谷川監督も同様に準備不足について触れ「自信をもって送り出した選手だったが、調整でいつもと流れを変えて挑んだところで、コンディショニングの不備があった」と指導面での反省点として挙げた。一方で、「今まで上手くいったハーフが多かったため、暑さや高いレベルの大会で活躍するためにどうしたらいいか考える良いきっかけになると思う」と今回の経験が本人の成長に繋がることを示唆した。

 そして佐藤(陸)は、2月の丸亀ハーフの際に使用した、ナイキのフリーラン(シューズ)での練習を現在も継続している。「焼津ハーフマラソンで最後まで走ることができた」と足の筋力増加の効果を実感しており、「しっかりと(箱根駅伝)予選会や本選まで継続しようと思っている」と今後も継続する意向だ。自分に合った練習法で、箱根駅伝予選会ではチームに貢献できる走りを目指す。

 


文=平野百々花(人間科学2)、大内奈々(経営3)

写真=大内、門前咲良(文3)