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<第104回関東学生陸上競技対校選手権大会 3日目=5月10日 相模原ギオンスタジアム>
関東学生陸上競技対校選手権大会(以下・関東インカレ)の3日目が行われ、専大からは男子2部3000mSC予選に江幡凛太朗(経営3・水城高)、柳沢碧泉(経済1・八千代松陰高)が出走。江幡は自己記録を4秒12縮めた9分12秒75をマークしたが準決勝進出を逃した。柳沢も9分20秒35と大学初の公式戦は悔しい結果となった。
▲自己記録を更新するも、準決勝進出は叶わなかった
▲大学デビュー戦は悔しいものとなった
▲他の選手からの応援もあった
〇予選敗退も自己記録を更新 課題が残るも「意味のあるレース」
初めての関東インカレを迎えた江幡は男子2部3000mSC予選の3組に出走。序盤、集団の前方でレースを進めた。「(準決勝進出できるのが)3着プラス3人だったので、前の2組を見ていても、4着が9分1桁前半でいかないと入らないかなと思った。速いレースになるとは思っていた」ということを頭に入れつつ、自身が描いたプラン通りに2000m付近まで3、4番手あたりを狙い、体力の消耗を最小限に抑えながら走った。
▲序盤は集団の前方でレースを展開した
しかし、レースの後半に江幡よりも後方に位置していた創価大学のソロモン・ムトゥク選手が追い上げ先頭に立ち「留学生(=ソロモン・ムトゥク選手)が出たところで離しきれなくて、そこから(気持ちが)切れた感じがした」と組内10着でフィニッシュ。準決勝進出とはならなかった。「結構、調子は良かったのでいけるかなと思っていた」と好調だっただけに悔いが残る結果となり「いつも通りみたいなレースになった」と反省した。
このレースでは自身の持つ記録を4秒12縮めた9分12秒75をマークしたが「自己ベストを出せたことは嬉しいが、標準を切ったわけでもないし、決勝に進めたわけでもないので嬉しいという感じはあまりない」と準決勝進出を逃したことを悔やむ。
今回のレースを「ラストの実力不足に課題が見えた。やりたいことはしっかりできて、その上で課題を見つけることができたので、意味のあるレースではあった」と振り返る。そして、失速の原因を「乳酸に負けたというところと、持続力不足」と分析。特に持続力を鍛えるために「3000m障害はしっかりバネをためて走らなきゃいけないレース。午後の練習とか普通の練習を落とし気味でここまでやってきて、今日こういう結果で終わったので、しっかりと後半で粘れる力っていうのをトレーニングの時間入るので、何も気にせず、徹底的に鍛えていく期間にしたい」と力をつけていく。
今大会が初出場となった。大学入学後、公式戦で3000mSCを走るのも初めてだった。「去年までは全日本大学駅伝予選会を走っていたが、今年はちょっと変化を取り入れて3000m障害というところをチャレンジした。高校でも3000m障害を経験しながら強くなってきたので、こういう舞台に立てたというところを糧にして、夏にしっかり今日(のレースで)出た課題を乗り越えて、箱根予選と本戦でチームに恩返しできるような貢献をしていきたい」と新たな挑戦で能力を向上させる。
▲新たな挑戦で自身を強化する
伸びしろを見つけた3年生は「来年、もう一回狙って入賞と表彰台というところを目指して、ここから1年間、鍛えていこうと思う」と来年も3000mSC出場に意欲を示す。さらに、箱根駅伝に出走を果たしたいという思いもある。「秋の予選と冬の箱根というところも。もう3年目なので数少ない残りのチャンスをしっかり(つかみ)、納得のいく夏を過ごしていけたらと思う」と自身を鍛える夏にする。
▲今大会で感じた課題を自身の成長に繋げる
〇ルーキー柳沢は悔しいデビュー 「1年目から活躍できる選手に」成長へ
大学入学後、初めての公式戦となったレースを「初めての大学レースだったが…。大学での記録が出て、応援とかすごくて、すごく楽しかったが、やっぱり自分の実力がまだまだ通用しないっていうことがわかった。トラックの大きな大会が終わったので、これからは箱根駅伝の予選会に向けてしっかり(とやっていきたい)。夏合宿を終えて駅伝メンバーになれるように、この悔しさを生かして頑張りたい」と言葉を詰まらせながら振り返った。
▲このレースが大学公式戦デビューとなった
柳沢は男子2部3000mSC予選の1組に出場。序盤、集団の中央に位置してレースを展開した。しかし、1600m付近には後続で走っていた選手たちが追い上げ、先頭から離れてしまう。最終的に9分20秒35の組内11着で終え、苦いデビュー戦となった。「同じ組にも1年生がいて、自己ベストだけだったら結構(タイムが)近い人も同じ組に何人かいたので、しっかり先頭集団に食らいついていって、自分がいけるところまでしっかり粘るレースを心掛けたが、残り1km、2kmで正直、限界で…。気持ちは折れていなかったが、体が動かなくてずるずると順位を落としてしまったのでレースプラン通りにはいかなかった」と歯を食いしばった。
▲フィニッシュ後のなかなか立ち上がれなかった姿からは悔しさがにじみ出ていた
昨年の都大路でチームのアンカーを務め、八千代松陰高校を4位入賞に導いた実力を持つルーキーは1年生ながら関東インカレ出場を果たした。「1年目からこの関東インカレに立つ経験は、なかなかできないことだと思う。この悔しさを忘れないで、今後の4年間の陸上に、陸上競技にしっかり取り組んでいきたい」と悔しさをバネに競技に取り組む。
専大陸上競技部に入部して1か月が経った。高校時代、毎朝4時過ぎに起床して片道2時間かけて登校するという生活を送っていたが、大学に入学して競技に向き合う時間が増えたという。「陸上練習量だけで言ったら大学の方が増えているが、朝起きる時間や自分の体のケアに使える時間は大学の方が多く使えるようになっている。正直、高校に比べて逆に大学の方がしっかり陸上に向き合えているのかなと思うので、集中できてる感じがする」と有意義な時間を過ごしている。
悔しい経験をしたルーキーは「今回の試合を通じて、筋力面や走力が周りの選手たちに比べて劣っているなとわかった。(箱根駅伝予選会は)今よりも距離があると思うのでもしっかり怪我しないようにケアしながら、1年目から活躍できるような選手になれるようにこれから頑張っていきたい」と練習に励む。「チームの目標である、箱根駅伝のシード権獲得に向けて、大学4年間は多分あっという間に終わってしまうと思うので、1年目から活躍して周りから『あいつならやってくれる』というような期待をされるような選手を目指したい」と1年目からの活躍を誓う。
▲今大会の悔しさを糧に1年目からの活躍を誓う
文・写真=門前咲良(文3)