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〈黒鷲旗 JVA第73回 全日本バレーボール選抜大会=5月4日 Asueアリーナ大阪〉
初日の結果により、決勝トーナメントへと駒を進めた専大は、先日の春季リーグ戦で敗れた早大と対戦した。第1セットは多様な攻撃を駆使し、デュースにもつれ込む接戦となったが、あと一歩及ばずセットを奪われた。続く第2セットは、序盤から相手にリードを許し、自身のミスも重なり大差でセットを落とした。第3セットは、新たな攻撃の形を試み、リベロの水野永登(商4・岡谷工業高)を中心に粘り強いレシーブを見せたが、相手の勢いを止めることはできず、ストレートで敗戦となった。初出場の黒鷲旗をベスト8で終えた。
▲レシーブでチームを鼓舞した水野
第1セットスターティングメンバー
OH: #12生田、#23マサジェディ
MB:#2千葉、#10稲垣
OP:#13塚田
S:#20森田
L:#7水野
第1セットは、序盤から生田宗原(経済3・昇陽高)、塚田国光(法3・船橋二和高)のブロックアウトや稲垣陽斗(経営3・海星高)のクイックなど多様な攻撃を仕掛けたものの、安定した早大のリズムを崩すことができず、点を取り合う展開となった。長いラリーが続く場面も多くあったが、水野の好レシーブもあり、繋ぎのバレーを見せた。中盤以降は相手のミスも重なり、専大が一歩リード。千葉のクイックで24ー22のセットポイントとなるが、すぐに相手に追いつかれ、デュースにもつれ込んだ。果敢に攻撃し続けたものの、2点差を返され、26ー28で惜しくもセットを落とした。
▲クイックを打つ稲垣
第2セットは、相手のサービスエースを含む3連続得点から始まった。専大は、序盤から生田と岡本亨介(法1・岡谷工高)を交代し、攻撃のリズムを変えた。しかし、その後も早大の勢いを止めることはできず、後半のサーブミスなども響き、16ー25の大差でこのセットを落とした。千葉貫世(経済4・東北高)は、「ちょっとセッターはブロックが低いので、その上から打たれないようにカバーしていたが、それだとダメなので、ちゃんと真っすぐ出せと言われた」とブロック面で監督からの指示があったと明かした。また、レセプションについて水野は「(相手の)サーブがそこまで攻めてきてたわけじゃなかったので、『自分が取るよ』って言っていたが、緩いサーブだとどうしても任せちゃって、あんまりうまくいかなかったんで。ちょっと申し訳なかったなって思う」と悔しさを滲ませた。
▲リリーフサーバーの田垣遼大(法3・東海大札幌高)はサーブからチームの流れを作った
第3セットは、マサジェディ翔蓮(文1・福大大濠高)が塚田に代わってライト、生田と岡本がレフトに入り、新たな攻撃の形を展開した。コートキャプテンの水野は「色んなバリエーションで、どんな選手出してもうまくいけるようにしたかった。色々試してみて、(マサジェディは)元々オポジットの選手なんで、ライトもできなくはないと思うんですけど、1回やってみるっていう感じで試した」と変更の意図を離話した。専大は、序盤から相手に流れを掴まれたものの、水野を中心にレシーブで粘りを見せた。しかし、早大の流れを断ち切るには至らず、20ー25でセットを落とし、ストレートでの敗戦となった。
▲プレーと雰囲気作りでチームを引っ張ったマサジェディ
先日の春季リーグで早大に敗戦した際に、"2点差を勝ちきれないのが弱さ"と語っていた水野。「1つよかったことは、ラリーが取れるようになったこと。ラリーを取って波に乗れるということが、今大会を通してできるようになってきたので、それはすごいいいと思ったが、早稲田はリーグ戦でやられたこっちのクイックとかの対応力が良くて、何もできずに終わっちゃったなっていう感じではあったので、対策されたことに対して自分たちももっと違う形で見せてやれれば、もう少し戦えたかなとは思う」と前回の対戦からの成長点を述べた。
今大会を終えて、ブロックでの活躍を見せた千葉は「今大会は今までのリーグでも悪かったところを直したところもあったが、逆に直しきれてなくて、リーグと同じところがあるので、そこをもう1回練習し直していきたい」と振り返った。
水野は「課題はいつものリーグ戦の内容とあんまり変わらなかったなっていうのはあったし、それが逆に明確になったんで、これからの練習も具体的にできるかなって思った」と大会を振り返っての課題を述べた。また、春季リーグの後半戦に向けて「これからは負けられない戦いなので。サーブレシーブでやっぱり相手にブレイクされることが多いし、下位のチームもサーブはいいチームが多いので、サーブレシーブだけもっと頑張りたいなと思う。サーブで崩してっていう展開ができるようになってきたので、そこももう少し伸ばしていけたらいいなと」と目標を語った。
文=臼井千晴(文2)
写真=山中美琴(文3)