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2025.04.25
ラグビー

後半の2トライで反撃するが、大学王者に完敗 

〈春季オープン戦=4月20日 帝京大学G 専大A10-72帝京大〉


  ▲終始、レベルの高いラグビーに圧倒された


 帝京大学を相手に大差で敗れた。前半は相手の勢いに呑まれ、前半26分までに38点を奪われる。専大は得意のセットプレーからトライの好機を伺うも、帝京大の堅守に阻まれる。このままトライを奪うことができず、0-38で前半を終える。

 後半には、専大が2本のトライを奪う。後半4分、SO永井大成(経営3・東福岡高)のトライで一矢報いる。後半38分、途中出場のWTB原口嵩丸(経営3・北越高)が、自陣ゴール前でのインターセプトから独走トライで意地を見せる。しかし、後半に入っても帝京大に点差を離され、10-72でノーサイド。



 「やっぱり強いなと。大学日本一のチームですから、しっかりチャレンジしようという話で皆も気持ちが入っていたが、それ以上に帝京大の強さを感じた」と石倉俊二監督が振り返るように、前半開始早々から帝京大に攻め込まれる。専大は自陣インゴール手前右サイドでのペナルティから、スクラムを与えてしまう。前半4分には、その流れから左サイドに展開されると、そのままトライを許して0-7とする。 

 以降は、陣地の押し上げと守備の立て直しを狙って、両チームのハイパントキックが続く展開となる。専大は、相手のボールをキャッチすると細かくパスを繋いで攻め込むが、強力なFW陣を要する相手のタックルを受けて前進できない。


  ▲幾度となく、黒い壁が立ちはだかる

 

 その後も、立て続けにトライを決められる。帝京大のペースで試合が続き、前半26分までに5連続トライと3ゴールを奪われ、0-38となる。以降も相手に押し込まれるが、人数をかけた守備で相手の攻撃を耐え凌ぐ。


  ▲ 立て続けに失点が続き、前半から苦戦を強いられた

 

 前半33分には、原の個人技で相手のペナルティーを誘う。専大ボールのスクラムから攻撃を展開すると、WTBの原小太郎(経営4・桐蔭学園高)が敵陣の右サイドでパスを受ける。細かいステップで中央への切り込みを試みるが、対峙する相手に危険なタックルで倒され、そのプレーで相手のシンビンを誘発する。

 前半38分には、原が無念の負傷交代。専大ボールのスクラムから攻撃を展開すると、密集から相手にボールを取られてカウンターを受ける。相手の素早いパスワークで逆サイドに揺さぶられ、再び中央付近での攻防となる。すると、原がプレーの途中で頭部を強く打ち、ピッチに倒れ込む。原は自力で立ち上がるものの、チームスタッフに支えられてベンチに退く。原に代わり、同ポジションを務める原口がピッチに入った。

 前半中盤以降は相手を無得点に抑えるが、好守で圧倒する帝京大の勢いを止められず、そのまま0-38で前半を折り返す。 

 流れを変えたい専大は、ハーフタイムに2人の選手を入れ替えて後半に臨む。石倉監督は、NO8の後藤武尊(経営2・東福岡高)とCTBの丸山敬太(文4・桐蔭学園高)に代えて、NO8佐藤智哉(経済2・桐蔭学園高)とCTB松崎雄大(経済4・長崎南山高)を起用する。

 後半4分には、この試合初めて専大がトライ。後半開始早々、帝京大に追加点を決められるが、その2分後にはSOの永井大成(経営3・東福岡高)のトライで5-45とする。

 後半6分には、LOの大谷亜蓮(経営3・國學院栃木高)のプレーでチャンスを作る。永井が味方からパスを受けると、相手ディフェンスの裏に抜け出す。その後、大谷が前進して相手の守備に突入する。連続攻撃から、永井が敵陣左サイドを突破するものの、相手の強固な守備に阻まれる。その2分後には、専大ボールのラインアウトからモールを組んで押し込むが、ノットリリースザボールの反則をとられる。

 後半20分には専大が6人の選手交代を行うと、攻撃が活性化する。この交代で、スタメン15人のうち、FL吉川悠京(経済4・高鍋高)以外の14人が途中出場となった。


  ▲選手を大幅に入れ替えると、攻守に安定感が増した

 

 後半35分には、追加点まであと一歩と迫ったが、トライを決めきれない。敵陣深くで専大ボールのラインアウトからモールを組むと、相手陣地のインゴールエリア内まで押し込む。後はボールをグラウディングするだけだったが、トライの目前で阻止される。その後、専大ボールのスクラムでプレーが再開されると、相手のゴールエリアに侵入して、ボールをグラウディング。待望の追加点と思われたが、プレーの途中で反則があったとされて、トライが取り消された。


  ▲トライまで、あと一歩だった


 それでも後半38分には、待ちに待った専大の追加点が決まり、応援席を沸かせた。相手のアタックで自陣ゴール前まで攻め込まれ、ゴール中央付近から数的不利の右サイドにロングパスを出される。すると、原口が「勘が働いた」と相手のパスコースに飛び出してインターセプト。相手に猛追されながらも、そのまま向こう側のインゴール裏まで駆け抜けてトライ。原口は「走り勝てて良かった」と話すように、相手の隙を突いたプレーと走力で、追加点をもぎ取った。


  ▲原口が相手の追走を振り切り、独走トライ


 しかし、試合終了間際には相手のパスワークで専大の守備を崩されて得点を許し、10ー72でノーサイド。専大は後半に2本のトライを奪うが、最終的には62点差で敗れ、大学選手権4連覇の帝京大に実力差を見せつけられた。


  ▲試合後、日本一の相手と健闘を讃えあった


 試合を終えて、石倉監督は「一人一人のフィジカルが強く、一つ一つの動きが速い。やることが自分たちとあまり変わらなくても、レベルの違いや差が広がっていく」と、帝京大のレベルの高さを話した。

敗戦を喫したが、「良かった点もすごくあったので、自分たちとしては収穫もあった。後半に入って2本トライが取れたのは良かった。スクラムが思った以上にしっかり組めていたし、ラインアウトもしっかり出来ていたというのが、今日の一番の大きな評価」と、前向きに語った。


  ▲帝京大を相手に、セットプレーが機能した


今後のオープン戦では、「一つでも何かを得て、秋のシーズンで勝てるように学んでいって欲しい。毎年そうですけど、オープン戦は 『学びの場所』」と、選手たちの成長を望む。

そのうえで、「来週はセブンズのリーグ戦の試合もあるので、チーム的には色々とメンバーが別れたりするが、1年生もこれから試合に出てくると思うので、1年生も交えて頑張っていきたい」と、今後に向けて意気込んだ。


 追加点をあげた原口は、「秋の公式戦のシーズンに向けて、今が最低ラインとして、これから上がっていきたい。去年よりも全体的に体が小さいので、体が小さい分、運動量でカバーしていきたい」と、今後の目標を口にした。


 スタメンで出場した副主将の長友順平(経済4・東福岡高)は、「去年、選手権を優勝していることもあって、フィジカルの差などを感じた」と、試合を振り返った。

新入部員には「多分、強豪校などから来ていると思うので、強豪校で学んだことをしっかり大学で活かして頑張って欲しい」と、期待するコメントを残した。

今年のチームスローガンについては、「BLOW UPはチームで決めた。しっかり一つ一つの目標に向かってレベルアップしていくと決めて、スローガンにした」と話した。

今後のオープン戦では、「夏に向けて一つ一つの試合に勝っていきたい。チームとしてFWの強化を目指しているが、今年は全体的に体が小さいので、BKで点を取ることを目標に置いている。それを達成できるように、練習からやっていきたい」と語った。

今後の目標については「今年は、セットプレーの精度の高さが去年よりも良いと思うので、今に満足せずに、ここからレベルアップしていきたい」と意気込んだ。


 スタメンでプレーした青木秀太(経済4・大東大第一高)は「春からやってきたFWのセットプレー(スクラム、ラインアウト)の部分で、日本一の相手に通用したのではないかと思う」と、試合を振り返った。

この試合は後輩が多くプレーしていたこともあって、「どの後輩も、みんな良いパフォーマンスをしてくれた」と、褒め称えた。

今後のオープン戦では、「セットプレーは引き続き精度を高めていきたい。自分たちのやりたいプレーが帝京相手にできなかったので、ここから修正して、プレーの質や精度を高めていきたい」と、目標を語った。


  ▲この敗戦を糧に、今後もオープン戦を戦い続ける


次戦は、流通経済大学と対戦する。

(4月26日 流通経済大G・12時キックオフ)

文=藤林利英(文2) 写真=峯岸茉莉亜(法2)