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JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦3部
第1節 VS作新学院大学サッカー部
4月6日(日) 14:00Kickoff
@生田北グラウンド(川崎市多摩区)
専大 1–1 作新大
得点者 専大 那須
作新大 井出(P)
第1節は作新学院大学と対戦し、1-1の引き分けに終わった。2部昇格を目指す専大は、前半25分にPKを獲得するが、相手GKにセーブされて得点は奪えず。絶好の得点機を逃すと、PKから失点を喫して1点ビハインドで試合を折り返す。後半は途中出場の道白らが攻撃を活性化させ、相手ゴールに迫る。相手のハンドで得たPKは再び失敗したものの、那須がカットインから左足を振り抜き、同点弾を奪う。その後、専大イレブンは最後まで攻撃を仕掛けたが、白星スタートとはならなかった。
▲同点ゴールを決めて喜ぶ那須
〈試合前情報〉
以下、スターティングメンバー(4-2-3-1)
GK 21 上林 真斗(法3・昌平高)
DF 20 三木 喬貴(ネット情報2・習志野高)
DF 6 岡田 海人(法3・浜松開誠館高)
DF 22 坂本 柊(経済1・尚志高)
DF 5 志村 ぼん(経済3・韮崎高)
MF 24 佐藤 春斗(人間科学2・日大藤沢高)後半0分 OUT
MF 8 橋本 燦(ネット情報2・帝京長岡高)後半42分 OUT
MF 13 山下 基成(文3・大津高)
MF 7 河野 修和(文4・甲府昭和高)後半13分 OUT
MF 19 那須 奏輔(経済2・東海学園高)
FW 9 伊澤 壮平(人間科学4・浦和南高)後半29分 OUT
途中出場
DF 4 橋本 清太郎(文4・流通経済大柏高)後半0分 IN
MF 14 道白 優斗(文2・流通経済大柏高)後半13分 IN
MF 17 佐藤 漣(法2・成立学園高)後半29分 IN
MF 25 小林 亮太(経済3・仙台大附属明成高)後半42分 IN
〈試合展開〉
この試合、1年生の坂本、2年生の三木と佐藤春が先発メンバーに抜擢され、リーグ戦初出場を果たした。試合序盤に、敵陣の左サイドで1トップの伊澤が持ち運んでチャンスを作るが、相手の守備に阻まれる。その後は相手にボールを保持され、左サイドからの素早いドリブルで攻め込まれる展開となる。
前半25分、敵陣での相手のスローインに対して前線からハイプレスを敢行する。相手GKにパスが渡ると、専大は高い位置からの守備で更に追い込む。しかし、プレスを回避され、ペナルティエリア手前で再び相手にパスが渡る。しかし、パスカットを試みた河野が相手に倒されてPKを獲得する。キッカーの伊澤はゴール右に蹴るが、コースが甘く、相手GKに止められて痛恨の失敗。山下がこぼれ球に反応し、難しい角度からシュートを打つが、またも相手GKの好セーブに遭い、決定機を逃す。
▲キッカーを務めた伊澤
前半39分には、自陣右サイドで相手のスローインの流れから競り合いが続く。2度弾き返すも、一瞬の隙を突かれて再び頭で弾き返されると、相手の前線に渡る。専大は2人が最終ラインにポジションをとっていたが、その間を抜けられると、坂本がペナルティエリア内で倒してしまい、相手にPKを献上。上林は相手の逆を突かれ、PKを決められて相手に先制される。前半終盤には、敵陣に押し込むが得点には至らず、前半はこのまま0-1で終了した。
▲先制されたPKの失点シーン
同点に追い付きたい専大は、ハーフタイムにDFの橋本清、後半12分にはアタッカーの道白が途中出場でピッチに入る。後半19分、相手ゴールキックの競り合いからのこぼれ球を橋本清太郎が拾うと、鋭いパスを道白に送る。パスを受けた道白は反転して相手をかわすと、橋本燦とのワンツーから一気にペナルティエリア手前まで走り、左サイドの山下にパスを送る。山下はペナルティエリア内にクロスを上げると、相手のハンドを誘発してPKを再び獲得する。キッカーの山下はゴール左隅を狙うも、ポストに当たって得点は奪えず。
▲自ら獲得したPKを蹴る山下
後半28分に佐藤漣を投入すると、1トップに山下、トップ下に道白、左サイドに佐藤、右サイドに那須がポジションを取る攻撃的な布陣に変更して、攻撃の活性化を図る。相手が志村のクリアボールの処理を誤ると、こぼれ球が山下に渡る。ボールを受けた佐藤は、敵陣左サイドのタッチライン際からドリブルで持ち上がると、CKを獲得する。セットプレーは得点には至らなかったものの、佐藤が早速見せ場を作った。
後半36分には、橋本清が相手のゴールキックを競り合う。こぼれ球を岡田が拾うと、前線に高い弾道のパスを供給する。相手がクリアミスをすると、こぼれ球を山下が収め、道白が右サイドの那須にパスを出す。那須は相手と対峙するも、ペナルティエリア右角付近でのカットインから左足を振り抜くと、ニアサイドに鋭いシュートが決まり、専大が同点に追い付く。
▲那須は迷わず左足を振り抜いた
試合終盤には敵陣でFKを得るが、相手にクリアされて得点にはつながらない。試合はこのまま1-1で終了し、専大はリーグ開幕戦を引き分けで終えた。那須の同点弾で追い付いたが、2度のPKを失敗するなど、得点の機会をものにできなかった。
試合後、東大樹監督は、「後半は点を取りに行かなきゃいけない中で、メンバー選考を含めて少しやり方も変えながら点を取りに行く姿勢を見せたことがまず良かったと思う」と話した。チームの課題として得点力を挙げ、「今年はもっと点が取れるチーム、かつ手堅く守備のところで0をちゃんと貫けるようなチームにできると良い」と目指すチーム像を明かした。
▲試合前、主将の河野と握手を交わす東監督
〈PICK UP PLAYER〉
那須奏輔
鮮烈関東Lデビュー弾 名古屋U-12・15同期、道白との“ホットライン”開通
関東リーグデビューとなった那須は「カットインからのシュートは自分の得意な形。最初はファーを狙おうと思ったが、タッチがずれて思い切り振ったら良い感じになった」と笑顔で得点シーンを振り返った。ルーキーイヤーの昨季は新人戦やIリーグを主戦場としていたが、開幕スタメンに名を連ねると、得意の左足で初ゴールを奪ってみせた。
「最初はちょっと緊張していた。だんだん慣れて少しずつ自分の力を出せた」と話すように時間が経つにつれて持ち味を発揮。監督からの指示もあり、ディフェンスラインの背後への動きを積極的に狙った。この日は、戸田大翔(商4・志木高)が出場停止で不在ということもあり、セットプレーのキッカーも任された。
▲昨年は「自分の出る場所でやれることをやろうと思った。外から試合を見ることで、他の選手の良い部分を吸収できた」と成長につなげた
初ゴールをお膳立てした道白とは、名古屋グランパスU-12・15時代にともにプレーした旧知の仲。高校年代では那須が名古屋U-18、道白は流経大柏に進み、専大で再びチームメイトに。那須は「(道白から)ボールが来ると思っていて信じて良かった」と話し、お互いのプレーを良く知る“ホットライン”が開通した。
『全試合90分フル出場・ゴールとアシストを奪い続ける』ことを今季の目標に掲げる那須。東監督も「期待通りの結果」と褒めつつも、「もうちょっとチャンスを作らなきゃいけない」とさらに期待を寄せた。新進気鋭のアタッカーは、ピッチに立つ喜びを噛み締めながら貪欲にゴールを狙っていく。
▲アシストした道白に加えて岡本大和(法2・長久手高)や佐藤柚太(経営2・白根高)も名古屋U-15の同期。ピッチでの共闘が期待される
河野修和
新主将がつかんだ開幕スタメン 『腐らずにやり続けた結果が監督やコーチに認められた』
河野は昨年、慢性的な怪我に悩まされて復帰と離脱を繰り返し、参入戦を含めてわずか4試合の出場にとどまった。それでも、新主将に就任した今季は開幕スタメンの座をものにし、「(昨年は)本当に苦しいシーズンだったが、腐らずにやり続けた結果が監督やコーチに認められた」と少し安堵の表情を見せた。
昨シーズンは学生スタッフとしてベンチ入りする機会も多く、ピッチの外から専大を眺めてきた。試合に出られないもどかしさを感じながらも、チームのためにサポートに徹する献身性を高く評価されて主将に指名された。「性格的に全部自分で背負いこんでしまうというのがダメなところ」と話すが、副将らと協力しながらチームをまとめていく方針だ。
今節は1-1のドローに終わった中でも、相手を大きく上回る13本のシュートを放つなど、多くのチャンスを創出したことはポジティブな要素の一つ。主将は「決められないのであればもっともっとシュートを打つべきだし、その確率も上げるべき。攻撃のパターンを増やしていきたい」と攻撃回数と精度の向上を課題に挙げた。「結果的に3部優勝ができれば良いと思うので、そこへ向けて1つずつ勝っていきたい」と次戦を見据えた。
坂本柊
試合を振り返って
「初めての関東リーグだったので、試合の入りは少し慌ててしまった。先輩達に支えられて良い形で前半は入れていたが、自分がPKを与えてしまい、そこで気持ちが崩れそうになっても周りのチームメイトが声をかけてくれたので、後半は良い集中力で入れた」
1年生で唯一の開幕スタメンを勝ち取った心境
「高校時代は全然試合に出れなかった。そのなかでも、指導者からは、『お前は大学では絶対できるから』と言われていた。その言葉を信じて、高校3年間の特に最後の1年間やってきた。自分のなかで、(リーグ)開幕前から、『やるぞ』と決めていた。それが結果に結びついたのは、これからも継続していきたい」
高校サッカーと大学サッカーの違い
「ほとんどの選手が年上なので、体の大きさだったり、速さや強度も全然違う。自分のPKのミスなど、1つのプレーでゲームが引き分けに終わってしまうので、練習から1つ1つこだわっていかなければいけない」
試合中は、どのような声かけをしてもらっていたのか
「後半は(ロングボールの)蹴り合いになったので、そこで自分の特徴であるヘディングを出せたと思う。先輩達からは、『PK以外は良かったよ』と言ってもらえた。チームを引っ張るというよりは、自分を出してやるだけだった。自分がミスをしても、先輩達に良い声かけをしてもらったので、本当に気持ち良くプレーできた」
今後の目標
「大学4年間でサッカーを頑張って、本当にプロに行きたいと思っている。まだ大学1年だが、学年関係無く、毎日毎日練習を積み重ねたい。試合に出てる以上は、チームの代表として出ているので、責任を持ち、専大サッカー部を更に強くしたい」
次節は4月12日に共栄大学サッカーグラウンドで共栄大学と対戦する。
文=藤林利英(文2) 文・写真=竹田一爽(文4)