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昨季は春秋ともに2位となり、あと一歩で入替戦に臨むことができず悔しいシーズンとなった野球部。長年遠ざかっている1部昇格を目指し齋藤監督が今季の展望を明かした。(インタビューは春季キャンプ中(2月)に行いました)
〇指揮官が振り返る昨季と今季の展望
昨季は春秋ともに2位とあと一歩で入替戦に臨むことができなかった専大。特に秋の最終戦を振り返り、悔しさを滲ませた。優勝の可能性は東洋大・駒大・専大の3校に残されており、専大の優勝条件は「第一試合の駒大対東洋大で駒大が勝った上で、第二試合で専大が勝利」。駒大が2点リードで迎えた時点で「『よし、次の試合』と優勝決定戦に向けて準備をしていた」が9回裏、東洋大が2本の本塁打を放ち土壇場で追いつくと、タイブレークの末、東洋大が優勝を決めた。「『何のどんでん返しだろう、何の罰ゲームだろう』ということが起きてしまった」と当時は驚きを隠しきれなかった。
わずかな差で優勝を逃した昨秋の反省点から「リーグ戦においてはプレッシャーに打ち勝っていった選手たちがレギュラーになっていくだろうし、最後勝ちに繋げていければなと思っています」と話したうえで、今季は当然の如く「2部優勝、入替戦で勝つこと」と目標を掲げた。
▲監督自ら考えたスローガン「総力結集」で1部昇格を狙う。
〇春季リーグの布陣と期待の選手
・投手
昨年は常田唯斗(令7・文卒・現明治安田生命)、肥沼竣(令7・現セガサミー)、奥村開(令7・経済卒・現日本新薬)、平田健眞(令7・経営卒)の4人が中心に登板していたためリーグ戦での登板経験が浅い投手が多く「ほぼ0から作り上げていく状況である」と話す。その中でも、今年のエース候補として齋藤監督が名を挙げたのは長島暖和(経営4・専大北上高)だ。リーグ戦では登板経験がないものの「持ち前の速球を武器にチームを勝利に導いてくれると確信している」と練習、オープン戦の内容から大きな期待を寄せている。下級生では玉木稜真(経営2・東海大星翔高)、齋藤新太(経済2・松商学園高)は順調に伸びてきているため「非常に期待値が高い」とコメント。新入生では中島翔人(経済1・相洋高)、梅澤翔大(経営1・専大松戸高)も「(頭数として)計算できる新戦力」と評価している。昨年同様、先発完投型ではなく複数の投手で繋ぐ “総力結集”で勝利へ導く。
▲上から長島、玉木、斎藤。玉木はほろ苦いデビューとなった昨春の雪辱を果たす。
▲ルーキーの中島(上)、梅沢(下)はこれからもアピールを続ける。
・捕手
捕手は昨年、正捕手の座を掴み取った中野拳志郎(文4・小浜高)が今年も中心となる。中野が下級生の頃は加藤大悟(経営3・専大松戸高)や工藤翔斗(経営3・大阪桐蔭高)に正捕手の座を譲ることが多かったが「オーバーじゃないけど、扇の要だね」と監督の信頼を勝ち取るほど大きく成長を遂げた。
▲今季は主将としてもチームを引っ張っていく。
・野手、打線
野手陣の現段階での布陣は昨年同様、谷頭太斗(経営3・日本航空石川高)・吉水真斗(経済3・松商学園高)・松永知大(経済4・創成館高)・渡辺維介(文2・松本国際高)・廣崎漣(経営2・浜松開誠館高)・山田太成(経済2・大阪桐蔭高)が名を連ねたが、4番の座と一塁手がいまだ白紙の状態である。昨年は西里颯(令7・経済卒・現日本通運)が兼ねていたため「(そこに)誰をはめ込むかで攻撃力が変わってくる」と展望を明かした。
▲松永(上)と渡辺(下)は打線の核となる
▲谷頭(上から1枚目)、吉水(2枚目)は昨季レギュラーに定着した。廣崎(3枚目)、山田(4枚目)は出場機会を増やしたが、外野の残り1枠を懸けて争う。
そして、期待を寄せる選手は怪我から復帰を果たした田村虎治郎(経営4・享栄高)だ。一昨年の夏、帰塁の際に脱臼をしてしまい手術するほどの大けがに見舞われた。復帰に1年を費やし、昨年の秋季リーグから徐々に出場機会を増やしていった田村を「背はあまり大きくないけど、非常に走攻守揃っていて1、2番にハマると面白い」と評価している。
▲選手間でチーム1と認められたバットコントロールを活かし、ハイレベルな外野争いに参戦する。
打線全体に関しては、今季は「(昨季よりも)足のある選手がスタメンに入ってくると思うので、足を絡めた積極的な走塁と長打を駆使し、得点アップを狙っていきたい」と機動力を高める攻撃で戦っていく。
〇2人体制の副主将 浅田光太朗・織茂秀喜
例年、副主将は1人体制としているが、今年度は浅田光太朗(経済4・国学院栃木高)と織茂秀喜(経営4・松商学園高)が就任し、2人体制となった。2人体制とした理由について「浅田は元気があるし、どんな状況になっても心の起伏がない。織茂は非常に自分に対しても他人に対しても厳しい性格だからミックスした関係であると非常にいい」と話した。そして「頼れる選手が新4年生には多い。試合に出ていないからといって卑屈になるようなことも無いから誉めたい選手たちだ」と笑顔で語った。
▲浅田(上)と織茂(下)の性格がチームに好影響を与える。
創部100年を迎えた節目の年に、今年のスローガンである「総力結集」を体現するような全員野球で8年ぶりの1部復帰を目指す。
文=知地泰雅(文3)
写真=知地、小山明香(文4)、河上明来海さん(令7卒)、山口由結さん(令7卒)、増田美海さん(令7卒)