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<第101回東京箱根間往復大学駅伝競走 =1月2~3日 東京・大手町~神奈川・芦ノ湖~東京・大手町 10区間・往復217.1キロ>
昨秋の予選会で2位通過を果たし、2年ぶりに箱根路に戻ってきた専大。往路では4区以降の失速が響き20位に終わったが、翌日の復路では全区間で15番以内と安定感をみせて16位と巻き返し、第87回大会以来・14年ぶりの総合17位で72回目の箱根駅伝を終えた。
▲左上から1区、一番右下が10区。選ばれし10名の専大ランナーが深緑とえんじの襷を繋いだ
1月2日の往路では、1区を任された日本人エースの新井友裕(文3・浦和実業高)が区間19位と良い流れを作り出せずスタート。花の2区で大黒柱のダンカンマイナ(商1・専大熊本高)が4人を抜き去り15位に押し上げるも、単独走が多くなって理想のレース内容とはならなかった。続く3区で上山詩樹(経済2・敦賀気比高)を当日変更で抜擢し“3本柱”で勝負をかけた。すると区間12位の好走をみせ、シード権まで約1分15秒まで迫った。15位を維持したまま4区の手塚太一(経営3・那須拓陽高)に襷を繋ぐが、ここで勢いが途切れてしまう。区間19位と苦しい展開となり総合18位に後退。山登りの5区でもルーキーの田口萩太(文1・東京高)が区間最下位に沈み、総合20位で芦ノ湖にたどり着いた。トップに16分49秒差、19位にも3分6秒差をつけられて最短で返り咲いた箱根路に厳しい現実を突き付けられた。
▲スターターを任された新井は区間19位と期待に応えられず。往路の流れを作れず、本人も指揮官も悔やんだ1区となった
▲区間12位と出走10名の中で最も良い区間順をマークした3区の上山。残り2回出走のチャンスがある箱根路で更なる飛躍を果たせるか注目だ
▲田口は急きょ、山登り要員となり、5区で箱根デビュー。苦しいながらも必死に往路フィニッシュを目指した。
予選会出走に加えて箱根路も経験したルーキーはこれからの3年間に活きる大きな経験を得た。
前日の悔しさから気持ちを切り替えて臨んだ翌日の復路。芦ノ湖では一斉スタートとなり先陣を切った6区の丹柊太郎(人間科学2・松山商業高)が区間14位と勢い付けると、7区に起用された具志堅一斗(経営2・コザ高)も区間13位の力走を披露し、19位に浮上。続く8区で犬塚知宏(文3・美濃加茂高)が粘りをみせて18位の大東大に15秒差まで詰め寄ると、大田和一斗(文4・東農大二高)が出走した9区の15キロ付近で18位になった。さらに最終・10区でアンカーを担った藁科健斗 駅伝主将(経営3・横浜高)が必死に前を追う走りで1つ順位を押し上げ、結果的に復路16位、総合17位の11時間8分53秒で締めくくった。
▲8~10区を走った犬塚、大田和、藁科の3選手はいずれも専大記録を更新。復路を走った5選手全員が総合成績の順位アップに貢献したが、特に後半3区での追い上げが功を奏した
〇長谷川淳監督・談話
長谷川淳監督は復路終了後、「(シード権獲得という)目標は達成してないため悔しい結果。ただ復路で希望が見えたというか、過去3年間よりは戦えた部分もあったので、そこはちょっとポジティブに自分たちの中で捉えている。次大会で1分さらにそれ以上、各区間で伸ばせればその先が見えてくるので、そこは具体的なタイム目標としていきたい」と2日間を総括した。
今季は予選会通過という目標1本に絞って1年前から“革新と挑戦”を掲げてきたチーム。「年間の目標を達成率で言えば100点ではあるが、予選会が終わってから本選までの準備期間の短さを感じた。特殊区間の準備、単独走の準備っていうところで課題があると思った。もっともっと早いスピードで伸ばしてかないと勝負ができなかったかなと思う」と本選を戦っての課題を口にした。
▲2日間を総括した長谷川監督
〇主将・千代島宗汰 談話
さらに、1年間主将としてチームを改革してきた千代島宗汰(文4・鳥栖工高)は「目標としていた順位からは遠かったことは事実なので、そこはしっかり受け止めてほしいなと思う」と総合成績について話した。ただ、「往路20位となった中で、復路では本当に意地の走りを見せてくれてたので、それは良かったかなと思う」と復路の5人を称え、白い歯を見せた。往路終了後はチームのグループLINEにメッセージを送ったというキャプテン。往路を走った選手が責任を感じ、落ち込んだ空気感あったといい、「(それに対し)全く気にする必要はないと。明日から仕切り直して復路があるので、しっかり心機一転やってほしいと伝えた」と自ら考えて実行した行動を明かした。そして翌日、見事に復路のランナーたちが力走で応えてみせ、「すごく感謝している」と振り返った。
▲10区10キロの給水係を担った千代島(右)。主将として最後の仕事を果たした
陸上競技部は2025年に入ったため創部101年目となり、部として新たな1世紀が始まっていくこととなった。下級生中心に仕上げてきたチームは今後、実りを迎えることが見込まれる。次大会こそ、悲願のシード権獲得を掴み取りにいく。
〈第101回東京箱根間往復大学駅伝競走・総合結果〉
1区 新井友裕 1時間03分32秒 区間19位
2区 ダンカンマイナ 1時間07分29秒 区間13位 *専大記録
3区 上山詩樹 1時間03分10秒 区間12位 *専大記録
4区 手塚太一 1時間04分51秒 区間19位
5区 田口萩太 1時間17分48秒 区間20位
6区 丹柊太郎 59分36秒 区間14位
7区 具志堅一斗 1時間4分26秒 区間13位
8区 犬塚知宏 1時間6分15秒 区間15位 *専大記録
9区 大田和一斗 1時間10分36秒 区間15位 *専大記録
10区 藁科健斗 1時間11分10秒 区間14位 *専大記録
往路20位・5時間36分50秒
復路16位・5時間32分03秒 *専大記録
総合17位・11時間8分53秒 *専大記録
▲レース後に千代島主将とエントリーメンバー16名が集合した
文=河上明来海(文4)
写真=河上、竹田一爽(文3)、北原倖多(文3)、髙野葵葉(文3)、君嶋悠樹(経済1)、米山初佳(文1)