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12月4日、専修大学は全日本大学バスケットボール選手権大会(以下インカレ)の初戦を迎える。現メンバーで挑む最後の大会を目前にエースとしてチームを牽引してきた淺野ケニー(経済4・洛南高)に4年間を振り返ってもらった。
◯2年生で味わった優勝と悔し涙
淺野は大学生活を振り返り、印象に残っているシーンとして2年生で経験した2つの大会を挙げた。
1つは春季トーナメントで関東王者になった瞬間だ。これは、佐々木優一監督が主将を務めた2004年ぶり2度目のことだった。淺野は2年生ながら米山ジャバ衛生さん(B2富山グラウジーズ)やクベマジョセフスティーブさん(B3八王子ビートレインズ)らとともに主力として活躍し、決勝では14得点18リバウンドを記録した。「あの景色を在学中に見れたのは本当に幸せなこと」と笑顔で回顧し、「あの感情を今のチームでも共有したい」と強く望んでいる。
▲優勝決定後の集合写真
もう1つは、ベスト8で閉幕したインカレの日大戦である。58ー60で迎えた残り0.2秒、淺野は2本のフリースローのチャンスを得るが、ボールはリングに弾かれてしまった。「自分自身のせいで負けたとかではなく、もうちょっと何か出来たんじゃないかっていうのがチームとしてたくさんあった」と当時を振り返る。一方で、「1個のプレーではなく、ああいうゲームを落とさないように最大限のチャンスを掴み取ることはしないといけない。絶対に活かさなきゃいけない」と悔しい敗戦から大きな学びも得た。
▲大事な場面でフリースローを託された淺野
▲敗戦が決まり膝から崩れ落ちた
◯Bリーグ特別指定選手、3×3日本代表で経験したこと
大学バスケのオフシーズン中には2度、特別指定選手としてBリーグの舞台に立った。2023年は京都ハンナリーズ(B1中地区)、2024年は三遠ネオフェニックス(B1中地区)に加入し、夢への一歩を踏み出した。大学バスケとプロの違いについては「フリーのシュートやターンオーバーだけじゃなくて、スクリーンの角度であったりヘッドコーチがやろうとするバスケットに対しての向き合い方が違う」と新たなスタイルを発見した。
3人制バスケにも挑戦した。2023年には『FIBA3×3ネーションズリーグ U23 Asia-Oceania』に出場し、キング開選手(令3文・横浜ビー・コルセアーズ)らと一緒に見事ツアー優勝を果たした。また、『FIBA 3x3 U23ワールドカップ2024』では、日本代表として過去最高成績の5位という結果を収め、個人としては大会得点ランク10位で奮闘した。「バスケットは1対1、2対2、3対3の連続なので、分解の練習にはすごく良い。もっと(相手の)ディフェンスを見て判断できるようになったし、自分たちがディフェンスするときは強度が上がった。技術面でもすごい学べた」と5人制バスケとの繋がりを話した。
◯4年目のリーグ戦
今年のリーグ戦は波乱が起きた。留学生の突然の離脱、淺野も経験したことがない4連敗を喫したのだ。
苦戦を強いられた状況下でも、淺野は期待を裏切らない。個人としては全22戦をリーグ内最長の約768分(2位は約683分)で走り抜き、優秀選手賞と3ポイント王を獲得した。今年のリーグ戦について、「例年はターンオーバーが多かったが、それが4年間の中では1番少ない。ボールの動きが良くなった」とチームで逆境を乗り越えたことを明かした。しかし、「もうちょっと得点が僕と市場から分散したらもっと良いかなと思っている」と課題点も挙げた。
◯大学日本一からBリーグへ
インカレは淺野にとって学生生活最後の大会となる。あまり実感がないと話すが、「最後に何を残せるかっていうのが自分の選手としての価値を決めると思う。大学で日本一の結果を残したとプロのキャリアの中で言えるようにしたい」と悲願の日本一への思いを馳せる。
文=髙野葵葉(文3)
写真=髙野、バスケ部提供