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〈全日本学生フェンシング選手権大会=11月13~17日、京都府大山崎町体育館〉
4年生にとっては最後となるインカレが始まった。大会2日目の14日は個人戦の女子エペ、男子サーブル、そして男子エペと女子サーブルの1回戦がそれぞれ行われた。女子エペでは主将の齋藤華南(経済4・秋田商高)が自身初めてとなるインカレ初優勝の座を射止め、伊藤凛(人間科学4・安来高)がベスト8で入賞、市ヶ谷愛(文4・高松北高)もベスト16に輝くなど、女子エペの4年トリオが有終の美を飾った。
▲齋藤の優勝を喜び合う女子エペの選手たちと前畑監督
先日の海外遠征では予選落ちの結果に終わった齋藤。「ワールドカップの時のダメだったところを意識して戦った」結果、予選プールを全勝で通過する。トーナメントも順調に勝ち進むも、続く準決勝の対戦相手は稲山友梨選手(明大)。4月の学生カップの決勝など、さまざまな舞台で齋藤に立ちはだかってきた選手だ。齋藤は先制こそ許したものの、そこから反撃を繰り広げあっという間に逆転に成功する。その後一度もリードを許さず15-11で勝利し、リベンジを果たした。
▲相手の肩を突く齋藤(右)
決勝では稲山選手と同じ明大の岸本鈴選手と対決。高身長で高いポテンシャルの持ち主である1年生相手に「経験値で勝負しないと」と4年生ならではの戦い方で相手を攻略し見事個人戦優勝のタイトルを勝ち取った。
「絶対に勝ちたかった試合」と何度も口にする齋藤。普段はワールドカップなどの海外遠征に照準を合わせることが多いが、今大会は学生最後の大会ということもあり絶対優勝するという気持ちで臨んだという。「絶対に優勝する、と思った試合で優勝できたのは有言実行みたいな。自分的にもすごく自信につながるし、メンタルコントロールの仕方とかでもいい経験になった」と、にこやかに個人戦を振り返った。
▲メダルを持ち笑顔を見せる齋藤
伊藤は予選プールを2勝2敗と何とか突破し、トーナメントに挑んだ。同じ専大の平西桜子(経済3・金沢西高)との初戦では序盤こそ接戦となったものの勝利し、そこからはジュニア大会で優勝経験のある1年生の太田選手(早大)相手に延長戦の一本勝負で制するなど土壇場での勝負強さを発揮した。続くベスト8を決める試合も一本勝負となり、逆に敗れてしまったものの「最後はちょっと悔しいと思ったけど楽しくできた1日だった」と温和な表情で1日を振り返る。「負けたらどうしようっていうよりかは、なんかもうやってきたんだから出来るみたいなマインドの方がうまくいくってことに4年目で気づいた」。4年生になってから、4月の学生カップで4位につけるなどマインドの変化が結果にも如実に表れている伊藤。最後の個人戦でも「全然後悔はないし、やりきった」と笑顔を見せた。
▲相手を攻める伊藤
ベスト16の結果で終えた市ヶ谷は、「(個人戦は)この試合で引退。ちょっと緊張していた」というが、「やってみたらいつものプレーが出来た」と話す。最後の試合に関しては「全部相手のペースだった。その相手の動きに対してどうしようどうしようとなって」と反省点を述べるも、「今日はあまり欲しがらずに平常心でチャンスだけ行くみたいな感じで戦えた。いつもだったら欲しがって逆に点を取られることも多い」といつもと違う良い面についても話した。今試合は母親も応援に駆け付けていた市ヶ谷。「フェンシングを始めた時から、いちばん近くで応援してくれている。今日も引退試合ということで見に来てくれて。トーナメントとかで負けていても最後まであきらめなかったのは、やっぱりお母さんとかの応援があったから」と感謝の気持ちも述べた。
▲試合中の市ヶ谷
16日に行われる団体戦では、競技を続けない4年生の伊藤と市ヶ谷にとっては最後の試合となる。2人と齋藤は中学3年生の頃から親交があり、「同じ大学に入れることもすごくうれしかったし、1年生の頃とかもいまだに思い出せるくらい(齋藤)」と仲の良さをにじませる。ライバル・明大の5冠阻止を目標に掲げている女子エペチーム。学生としての集大成を笑顔で締めるべく、練習を重ねる。
文・写真=山口由結(文4)