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<2024年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会 高崎アリーナ=11月3日>
柔道の体重別柔道日本一を決める講道館杯が高崎アリーナで開催された。専大からは73キロ級の鎌倉啓太郎(経営2・習志野高)、OBの専柔会から66キロ級の關龍星が出場した。鎌倉は初戦を突破しベスト16、關は惜しくも初戦敗退という結果となった。
▲試合に向かう鎌倉。柔道部エースの期待を背負い試合へ臨む
2回戦からの出場となった鎌倉は、初戦を先月のインカレで3位入賞を収めた東海大学の滝本大翔選手と対戦した。序盤は相手に主導権を握られ、危ない場面が何度かあったものの紙一重のところで耐えしのぐ。その後鎌倉は積極的に攻めるも決定機には至らず、試合は延長戦へ突入した。「気持ちだけは本当に誰にも負けないでやろうと思った。ゴールデン(延長戦)になっても気持ちで折れないように、弱い自分を出さずに戦うことができた」と鎌倉は振り返る。お互い2つ目の指導を受け一歩も譲らない展開が続くも、延長2分53秒に試合は動く。鎌倉は一瞬の隙を見逃さず相手の釣り手を取ると、そのまま背負いに持ち込み背負い落としから技ありを取って勝利。ベスト16進出を決めた。
▲背負い落としを決める鎌倉
同じく2回戦から出場した關は、初戦で天理大学の顕徳海利選手と対戦した。試合を通して一進一退の攻防が続き、技を掛け合うも決定機には至らず延長戦へ。2つ目の指導を取られた關は後が無くなり、粘り強く積極的に攻めるも有効な技にはなかなか繋がらない。迎えた延長4分33秒、相手の大外返しをなんとか耐えた關だったが、そこから変化した背負い投げが決まり一本。試合時間8分を超える大熱戦だったが、悔しい初戦敗退となった。
▲一歩も引かずに攻め続けるも勝利には届かなかった
3回戦に進出した鎌倉は全日本B強化選手に選出されている田中裕大(パーク24)選手との対戦。田中選手には一昨年の大会、そして去年の同大会で敗れており、鎌倉にとってはリベンジマッチとなった。試合を通して組み手争いから優位に立つことができず、苦しい展開を強いられた。後襟を何度か取られ自分の技に持ち込めない時間が続いたが、粘り強く対応して試合は延長へ。相手の攻撃に耐えつつ勝機を探るも延長2分23秒に3つ目の指導を取られ、反則負けとなってしまった。試合を終えて鎌倉は「今日は勝てると思っていたが、勝てなかった。今年はなかなか勝つことができず、今年最後の大会ということもあって全部を懸けてやってきたつもりだったが、本当に(やっていた)つもりだった。勝たなければ意味がなかった。(去年と同じ相手に負けてしまったが)勝つことでしか自分は成長したと思っていない」と悔しさを露わにした。来シーズンに向けては「今はとても落ち込んでいるが、インカレの時のようにまたゆっくり立ち直るまで頑張りたい。来年こそはインカレ優勝、講道館杯優勝を成し遂げたい」と飛躍を誓った。
▲苦しい時間を耐え続けるも、昨年の雪辱を晴らすことはできなかった
藤田純監督は「2人ともどちらに転んでもおかしくないような試合だった。最後の最後で勝負の神様がちょっと相手の方に行ってしまった」と試合を振り返る。鎌倉選手については「一昨年よりも去年、去年よりも今年と、だいぶ良くなった。大会が続き連戦だったが、本当によく頑張ってくれた。鎌倉はとても悔しがっていたが、自分からしたら大きい成長と可能性を感じる試合だった。得るものが本当にたくさんあり、この経験は絶対来年に生きると思う」と健闘を称えた。また、柔道部の今シーズンの活動は今大会で終了となる。主力選手が多く残る来シーズンに向けては「自信がある。間違いなく結果を出すと思う。今年は本当に苦しい中でも粘って粘って頑張っていた。来年は必ず飛躍の年になる」と来年への大きな希望を語った。
▲試合を見守る藤田監督。今年の”試練”を乗り越え来年の飛躍へ
文・写真=君嶋悠樹(経済1)