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〈第100回関東大学バスケットボールリーグ戦=11月3日 秩父宮記念体育館 専大66ー81日体大〉
秋季リーグ最終節は既に優勝を決めた日体大に敗れ、10個目の黒星を喫した。負傷者や体調不良者が続出した専大は、主力や高さを欠いた一戦となり、終始相手に主導権を握られてしまう。後半には前半のミスを修正し、上村大佐(商4・能代工業高)らがアウトサイドの攻撃で粘りを見せる。しかし、15点の差は縮められなかった。留学生がいないチームの中では最高の6位でリーグ戦を終えた。
また、個人賞として市場脩斗(文4・市船橋高)が優秀選手賞、淺野ケニー(経済4・洛南高)が優秀選手賞と3ポイント王を獲得した。
専大は試合開始前に6位が確定し、当初掲げていた優勝やベスト4からは大きく外れてしまった。優勝に返り咲いた日体大に対し、気持ちの入りが難しい状況だった。佐々木優一監督は「自分たちのバスケットをしてインカレに繋がるような試合にしようっていうことは選手と話していた」と明かした。
第1Qから苦戦を強いられた。開始直後に上村、淺野、清水愛葉(文3・北陸学院高)が次々に得点を決め、順調な滑り出しを見せた。しかしその直後、相手に3ポイントやフリースローを含む13連続得点を許し、一気に形勢逆転されてしまう。齋達也(文4・東北学院高)がボールを沈める場面もあったが、11-28でいきなりダブルスコアを付けられた。
▲この日は3ポイントを4本中2本沈めた
第2Qはさらに相手のペースで試合が進んだ。ディフェンスやコンタクトの面ではミスが重なり、“自分たちのバスケット”が出来なかった。それでも淺野は留学生のムトンボ・ジャンピエール選手に阻まれながらもシュートを決め、佐藤寛太(経済4・金沢工業高)も意地の攻撃を見せる。しかし、日体大の勢いは止められず、わずか9点の攻撃に留まった。
▲ビッグマンに屈せずに攻める淺野
第3Qはアウトサイドを起点とした攻撃が連発した。上村が3ポイントに成功すると、それを皮切りに河合海輝(経済4・仙台大明成高)、清水、淺野、土屋来嵐(経営2・桜丘高)も成功する。「今シーズンはファイブアウト(外回りのオフェンス)をずっとやってきて、そこをしっかり出せた。21試合積み上げてきた部分がちゃんとできた」(佐々木監督)と練習の成果を発揮し、最大31点まで広がった差を23点まで縮めることに成功した。
▲上村の3ポイントでチームに勢いをつけた
▲河合、清水も上村に続く
最終Qは“自分たちのバスケット”を取り戻した。アピアパトリック眞(商1・福岡第一高)は内外バランス良く攻撃をする。ディフェンス面では、複数人でリバウンドに絡むなど最後まで意地を見せた。そして、チームがこの日一番の盛り上がりを見せたのは試合終了間際のことだった。渡邉心(商4・鳥取城北高)が4年目にしてリーグ戦初得点を収めた。得点が決まるとベンチメンバーは飛び出し、渡邉を笑顔で称えた。最後は15点差に抑え、幕を閉じた。
▲ノーマークを作り出し3ポイントを決めるルーキー・アピア
▲渡邊(左)のシュートに盛り上がるベンチメンバー
淺野は「精神的にも厳しい戦いにはなったが、前半で悪かったところを後半修正してインカレに繋がるようないい雰囲気で、いい終わり方でゲームができた」と今試合を振り返った。また、リーグ戦全体としては「留学生がいないところから、チームで新しいポジションでズレたところから始まった。苦しい時間帯もたくさんあったが、チーム全体として1つの方向性を見つけられて、そこをブレずにチーム全員で頑張り続けられた」と最後のリーグ戦を締めくくった。
【個人賞】
全体6位の結果ながら、2人が個人賞に選出された。
・市場脩斗
優秀選手賞
▲主将の市場は21節と22節は欠場となったが、「賞を取れたことは率直に嬉しい」と喜びを露わにした。
・淺野ケニー
優秀選手賞
3ポイント王(成功率39.8%)
▲「正直何も貰えないと思ってたのでめちゃめちゃ嬉しい。1番頑張ったのはプレータイム的にも自分だと思ってるんで(実際にプレータイムはリーグ内1位)、こういう賞を取れて本当に頑張ってきて良かった」と心の内を吐露した。
11月末からは、4年生にとって最後の大会となる全日本大学バスケットボール選手権大会が待ち構えている。佐々木監督は「留学生がいるチームに当たった時に、高さの部分やインサイドの部分がどうしても止められずにやられているケースがあった。チームで補ってディフェンスできることは見えたので、ディフェンスの強化をしっかりして(リーグ戦で)上位の負けた相手にリベンジしたい」と前向きに見据えた。
一昨年のベスト8、昨年のベスト4を超え、悲願の日本一を目指す。
文・写真=髙野葵葉(文3)