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〈第74回関東大学女子バスケットボールリーグ戦=10月27日 日体大世田谷キャンパス 専大71ー54立教大〉
▲試合に勝利し喜ぶ選手たち
2カ月間にわたったリーグ戦は遂に最終節を迎え、1部8位の専大は7位の立大と対戦した。順位を上げるためには勝利かつ点差を広げる必要があった。前半は攻守ともに持ち前の機動力が発揮され、伊藤虹歩(文3・安生学園高)の3本の3ポイントやドライブから12点のリードを作る。後半になると立大の3ポイントが連続して決まり1点差まで迫られるが、専大の攻撃的なディフェンスが息を吹き返し、チーム全員で流れを引き寄せた。試合が終了して開いた点差は17。見事に順位を上げ、2部リーグ2位との入れ替え戦に進むことが決まった。
試合の結果に関わらず2部との入れ替え戦が既に決定していた専大だったが、入れ替え戦は1部8位と2部1位、1部7位と2部2位という組み合わせで行われ、今試合はその対戦相手を左右する重要な試合となった。専大の順位が逆転する条件は14点以上の点差をつけての勝利。試合は途中からどちらが勝利するかということよりも、どれだけ点差が開くかということに注目が集まった。
第1Q、専大は序盤から持ち味である機動力を遺憾なく発揮し、攻守ともにアグレッシブな展開から主導権を握った。ディフェンスではボールマンに対し、常にオールコートで強いプレッシャーをかけ続け、相手のやりたいオフェンスのペースを作らせなかった。オフェンスではアップテンポなバスケから中村帆香(文4・昭和学院高)が3ポイント2本を含む8得点を挙げ、チームを引っ張った。第2Qになってもその勢いは増し、相手の得点を12点に抑えつつ、伊藤や瀬川怜奈(経営3・開始国際高)らが4本の3ポイントを決める。相手に流れを渡すことなく前半が終了し、39ー27と12点のリードを得た。
▲ミドルシュートを放つ中村、チーム最多の16得点を挙げた
点差条件を含めた勝利まで視界良好かと思われた専大だったが、第3Qの立ち上がりは主導権を握られる展開となった。前半に確立良く決まっていた専大の3ポイントが落ち始め、一方で立教大に3ポイントを多く許してしまう。3本を連続して決められ9点を詰められた後も専大は思うようなオフェンスを作ることができず、4本目の3ポイントを許し1点差に迫られた。暗雲が垂れ込める専大だったが、ベンチから長南監督の指示を受けた選手たちはこのままでは終わらず、終盤に連続して7点を挙げ第4Qに望みをつないだ。
8点リードで迎えた第4Q、専大のディフェンスはオールコートでプレスをかけ続け、今試合で一番気迫がこもっていた。14点差という難しい条件は現実味を帯び始めると、立教大へのプレッシャーとなり攻守のリズムを狂わせる。瀬川や山方凛(経営2・小林高)の果敢なアタックや中村の3ポイントから点差は15に広がった。迎えた残り時間11秒、パスを受け取った伊藤はディフェンス二人を抜き去りレイアップを決め、14点以上の点差を決定的なものにした。そのまま試合終了し、71ー54と専大が1巡目のリベンジを果たし順位を1つ上げた。
▲フリースローを打つ瀬川、ゴール下を支えた
試合最後に重要なシュートを決めた伊藤は「出だしのところで自分の得意な3ポイントが入り、調子が上がりとても良かった。ただ、後半いい形でチームのみんなから繋いでもらったがシュートを決めきれなかったことは、自分の課題。シュートが入らなくてもヘッドダウンせずに最後まで信じて頑張れたことは良かった」と試合を振り返った。
▲順位逆転を決定づけたレイアップ。相手ディフェンスをものともしなかった
今試合最多得点を挙げた主将の中村は「昨日の時点で長南監督から14点ビハインドで勝たなければいけないと言われてて、試合中も得点を計算しながらプレーしていた。試合を通して攻守とも良かったが、途中で自分たちのミスで崩れてしまう時間帯があったので、そこがなければもう少し安心して勝ちに行けたのかと思う」と勝利を喜びつつも反省を口にした。
長南監督は「なかなか勝つことができず苦しい状況で今試合を迎えたが、チームのテーマであるディフェンスとリバウンドを徹底しようとゲームに入った。前半はとてもよく足が動いていて、プレッシャーから立教大のリズムを崩せた。第3Qにディフェンスからこちらが失速してしまって、追いつかれる展開となったが、今日は選手の気持ちがとても伝わるゲームで、その気持ちが切れずに追い上げられても頑張れたので、それはすごく良かった」と選手を褒め称えた。入れ替え戦に向けては「松陰横浜大に対して何をやるかではなく、この一部リーグで戦ってきたプライドを持ちながら、自分たちのバスケットをどうやって表現するかだと思う。 それに尽きるので、頑張りたいと思います」と意気込んだ。
▲ベンチからは最大限の声援が送られた
専大は11月2日に2部2位の桐蔭横浜大学と、残留をかけた入れ替え戦に臨む。
文・写真=君嶋悠樹(経済1)