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<令和6年度東都大学野球秋季リーグ戦=10月24日 等々力球場 専大8-1国士大>
▲劇的な満塁ホームランを放り込んだ西里。本塁へ帰還すると、改めて叫んだ。
西里がバットを投げた 確信の満塁弾!
西里颯(経済4・興南高)が名誉挽回の満塁本塁打をお見舞した。前日の失策をバットで返す特大弾だ。副キャプテンの殊勲打が大勝へと導いた。
打線は3回に活気づく。1番・谷頭太斗(経済2・日本航空石川高)の左前適時打などで先制すると、二死満塁のビッグチャンスで5番・西里に回ってきた。「ストライクはどんどん行こうと思った」と、インハイの抜けた変化球を強振した。右翼席へ伸び上がる打球を眺めていたのは、「確信していた」からだ。バットを背後へ投げ捨て、一塁付近で力いっぱい拳を握りしめた。
「昨日の悔しい気持ちがずっとあった」。大雨に打ちひしがれた負け越しの敗戦。「それをぶつける気持ちで試合に臨んだので、そういう気持ちが結果に繋がったと思う」と燃えたぎった。まさに、この日のヒーローだ。最高の形で結果を残した。「あそこで繋いでくれたので本当に打てて良かった」と、ニカッと笑う主砲が眩しい。
▲帰還後には、小柴滉樹(経営4・佼成学園高)とハイタッチを交わした。
全打席ヒットの作本、目覚めの意識改革
ヒーローは、もう一人いる。先週、駒大との3回戦で3ランを放った7番・作本想真(経営4・大村工業高)だ。4打数4安打2打点と大暴れした。
好調の要因は「バッティングの意識を変えた」こと。春までは「打ちたい気持ちが大きかった。けれど、(秋にかけて)しっかり芯で捉えることを意識した」と、打撃との向き合い方を改めた。凄まじい活躍ぶりで、遅れ咲いたスラッガーが真骨頂を見せつけた。
▲作本は5回二死1塁から三塁打を放ち、この日2個目の打点を挙げた。三塁コーチャーの吉田コーチと笑顔でグータッチする。
今季初マウンド、抑えの西村爆誕
投手陣は平田健眞(経営4・専大松戸高)のワイルドピッチで1失点のみに抑えた。6回から登板の奥村開(経済4・福井商業高)は0を刻んだ。9回の守りを託されたのは、今季初マウンドの西村卓真(経営4・専大松戸高)。「今日は1球カーブを投げて、それ以外は真っ直ぐ」と伸び上がる直球で相手打者を圧倒した。
左腕は「4年目にして3試合投げてきて、やっとまともなピッチングができた感じ」と、及第点で評価する。ここで新たに五本目の柱が誕生した。
▲西村は堂々たるピッチングで、最終回を3人で締めくくった。
すでに自力優勝は消滅したが、1部昇格をかけた入れ替え戦の可能性は残されている。次戦で拓大に勝利すれば、まだ分からない。なんとしてでも掴みたい切符を目掛けて、全力を注ぐだけだ。
▲息の合ったバッテリーのベンチ前でのワンシーン。奥村は前日と同様にキャッチャーの中野拳志郎(文4・小浜高)とグラブで称え合う。
▽奥村は7回に154キロをマークした。
――――連投の疲れは?
「肩肘にきているが、トレーナーさんのケアのおかげで結構良くなっている」。
何も気にならない」。
――――投球に安定感が出てきたと思うが、自身の感覚は?
「真っ直ぐで押して、変化球も最近入っている。自分のピッチングができている感じ」。
「嬉しいっす」と顔がほころぶ
――――7回にはラストバッタ―を三振に打ち取り、吠えた。その時の心境は?
最後の三振は「気持ちよかったっす」。
▲初回の守備でも後方に跳ねるハーフバウンドを見事に処理し、全体的にリズムをつくった谷頭。
▽今季、初めて1番を任された谷頭は、先制のタイムリーを放った。
――――1番打者として挙げた、今季初打点の感想は?
「いつもチャンスで回ってきているのに打てなかった」。
「それで、今日もいい感じで回ってきた。今日こそ打点を挙げられるようにしたいと思って、積極的に振った結果がヒットになった」。
文・写真=小山明香(文3)