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<令和6年度東都大学野球秋季リーグ戦=10月23日 等々力球場 国士舘大6-2専大>
▲苦い表情の常田を見て、中野が駆け寄る。
悪夢の延長10回、常田が痛恨の3ラン被弾
延長10回、常田唯斗(文4・飯山高)が曇天を仰いだ。今季初めて喫した被弾が専大ナインに悪夢を見せる。
試合は5回まで先発の肥沼竣(商4・加藤学園高)が力投し、6回には二死満塁から小柴滉樹(経営4・佼成学園高)の2点二塁適時打で先制とした。しかし、このあと神様のいたずらよって勝負をひっくり返される。
直後の7回、エースが一死1塁で走者を背負うと、悪天候となり一時中断。再開すると、マウンドに上がった肥沼をしきりに雨が襲い、同点に追いつかれた。
▲タイムリー後、控えめに拳を上げたキャプテン。
▲エースは雨男だった。
8回以降は奥村が登板し、なんとか2イニングを凌いで「シャー」と雄叫びを上げる。ベンチの前でガッツポーズすると、大胆に中野拳志郎(文4・小浜高)とハイタッチを交わした。舞台はそのままタイブレークへ突入する。
▲ピンチを切り抜けたバッテリーは笑顔が弾ける。
悲劇は、抑えの常田が登場してから始まった。1、2塁のバント処理を西里颯(経済4・興南高)が3塁へ悪送球して1失点。勝ち越しを許してからは二死2,3塁まで持ちこたえたが、フルカウントから投じた1球に常田は涙を呑んだ。相手の1番・服部選手に1号3ランを放り込まれた。右翼席に向かって一直線に伸びていった打球に、スタンドから悲鳴がした。常田は一発を見送ると、大きく腰に手を当て、どんよりとした曇り空をしかめる。4点を追いかける裏の攻撃は反撃にも及ばず、試合終了のサイレンが鳴り響いた。
▲常田は二死まで耐えるも、泣く泣く仕留められた。
チームは重苦しい表情でベンチを後にする。主将の小柴も伏し目がちにバットを運んでいた。そんな空気の中、齋藤正直監督は「頑張りましょう」と明日だけを見つめる。「今日はね、ちょっとね、天気が我々に味方してくれなかったね」。ボヤキ口調に反して表情は柔らかい。「肥沼も滑っちゃってたでしょ。こういうこともあるよ。丁寧にていねいに放っていたんだけど」とエースの踏ん張りを見守っていた。それから仕切り直すと、「とにかくね、我々のやることは勝ち点4を取ること」と気を吐く。指揮官は相変わらず上向きだ。「人生はね、色々あるんだから頑張らないとね。一生懸命やっていたらいいこともあるよ」と、エールを残して去って行った。
この日は駒大と東洋大が勝ち点を追加したことで、専大は3位に降下した。だがリーグ戦は終盤でも、まだ終わりではない。混戦の首位争いを勝ち取るために前へ進むのみだ。
文=小山明香(文3)
写真=山口由結(文4)