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2024.10.21
アメフト

【アメフト部】崖っぷちで踏みとどまった 1点差で連勝伸ばす

<2部Aブロック 第3節=10月12日 アミノバイタルフィールド 専大17 - 16拓大>

▲1点を死守した直後の整列の様子。


崖っぷちで踏みとどまった 1点差で連勝伸ばす

 劇的なラストプレーに場内は息を呑んだ。待ち構えていたのは、波乱の展開。僅か1点を死守するまでの一瞬のことだった。

 専大は第2Qに先制点を許すも、直後にルーキー#13 天野竜人(法1・駒場学園高)のTDパスなどで逆転し、優位に立っていた。

迎えた第4Qには、4downから#1 加賀友貴(法4・浦和学院高)のキックで待望の追加点を獲得。勝敗の行方が見えたかと思われたが、ここからが本当の闘いだった。ディフェンスに着いた途端、相手に77ydを走られ、エンドゾーンの目の前まで侵入される。同点のTDは、終盤で痛手となった。

 ▲この日も天野が躍動する。

▲加賀のキックは、いつになく安定感があった。

 だが振り出しに戻ったことで、ある選手の心に火がついた。攻撃権を握ると#2後藤僚汰(法4・舞岡高)がフレッシュを更新し、敵のブロックを#13 天野が翻弄した。地道に前進しては、ゴール前まで残すは5yd。すると#10 谷口偉大(商3・堀越高)が「自分で取るしかない」と意地の激走でエンドゾーンに飛び込む。「自分がキーになるので、強気で行こうと思った」と大胆にTDをかまし、勝ち越しに成功。しかし、まだ終わりではなかった。

 試合終了の10秒前、悲劇のTDをお見舞いされる。敵のロングパスに通過され、息付く間もなく1点差まで追いつかれた。怒涛のワンプレーに大粒の汗を握る。次に相手が選択したのはツーポイントコンバージョン。阻止する以外に勝機はない。鉄壁のディフェンスが踏ん張ったところで、ホイッスルが響いた。

▲闘志むき出しで勝ち越しのTDを奪った谷口。

 間一髪の勝利は、決して喜べるものではなかった。主将の嶋影晟仁朗(法4・浦和学院高)も歯切れが悪い。チームの「準備不足」を指摘する中で、特にオフェンスへの対応は冷たかった。「オフェンスはフットボールIQが高くないのに、改善できるところを詰めきれていない。もう少しスカウティングをしっかりやって、次の試合に備えてもらいたい」と檄を飛ばす。

 ただし穴を埋めきれていないのは、ディフェンスにも通ずる。一本抜けの原因は「一番はパシュート。全員がボールに集まらなければいけないところで、足が止まっている選手が何人もいた」と眉を寄せた。「シチュエーションを頭に入ってプレーに挑まないと、ああいうことが起きるっていうのは、いい経験になったと思う」。意外にも課題を前向きに捉える一方で、厳しいコメントは続く。「 準備してくれば問題なく対処できるのに。相性が悪いからで片付けているのが、今回これだけ点を取れなかった原因」と鋭い視線を送った。

 連勝記録を伸ばしたGREENMACHINEだったが、心残りもある。全勝昇格のためには、まだまだ進歩が必要なようだ。


文・写真=小山明香(文3)