News

最新ニュース


2024.10.20
陸上競技

【陸上競技部】 革新の2位通過で箱根路復活! 第101回箱根駅伝予選会

<第101回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会    10月19日=陸上自衛隊立川駐屯地~国営昭和記念公園    21.0975キロ>
▲総合3位、専大記録を叩き出す異次元の走りを見せ、予選会2位通過に大きく貢献したダンカンマイナ(商1・専大熊本高)


10月19日、第101回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が行われ、専大は10:53:39の総合2位で2年ぶり72回目の本戦出場権を獲得した。年明けから今大会1つに絞り込んでハードワークに取り組んだ成果が結実し、昨大会の雪辱を見事に果たすこととなった。

▲レース後の報告会にて長谷川淳監督(左前方)とエントリーメンバー14名



〇革新で臨み、大飛躍

 下馬評を大きく覆し、底力を発揮した。第83回予選会以来、17年ぶりの2位通過と堂々たる記録をマークし、箱根路への切符を手にした専大。昨年18位と遠く及ばなかった結果から大飛躍を遂げた。「レースプラン通りというか、計画通りにしっかり走ることができたなという印象」と指揮を執る長谷川淳監督は確かな手応えを口にした。レースプランとは今大会のために初導入となった集団走。「夏の時点でこれだけちゃんと集団走をやろうというのは初めてだった」と真新しい体制で臨み、選手たちはしっかりと応えてみせた。

▲レース序盤から集団を形成し、しっかりと維持。各ランナーたちはプラン通りの走りを披露した


 夏合宿の時点から、各選手ごとにキロごとによる位置取りや順位などを具体的に指示し、実践形式で動きを身体にしみ込ませてきた。 迎えた今レースでは「リスクを取らないことが成功に繋がると思っていた」と後半の17キロ付近までは集団でまとまってペースを抑えめにする指示を出し、前半部分で余裕を維持。数字で見ても5キロを24位、10キロを9位、15キロでは4位と着実に順位を上げ、通過を確定付ける走りを披露し、理想通りとなった。監督が危惧したリスクとは、集団走であるがゆえに起こる、”後半部分からばらけてしまった際の精神的な負荷”。そこに手を打つべく、グループの力を活かして後半からのペースアップに繋げた。

▲後半からタイムと順位を大きく上げた(上から)具志堅一斗(経営2・コザ高)、大田和一斗(文4・東農大二高)、長谷川源(経営4・名古屋経大高蔵高)。持ち味をしっかりと出し切った


また、今大会は前例にないほどの高気温の中で迎えることとなったが、長い時間をかけて長距離への対応策を打ってきたために、苦にならなかった。「特に 暑い中で練習をしていたわけではなかった」と指揮官は謙遜するが、年明け早々から長距離を踏む鍛錬を積んできた選手たちには、自然とタフさが身に着いていた。ランナーの一人である藁科健斗(経営3・横浜高)駅伝主将は「最初から入りは遅いものの、全然焦りはなかった。10キロくらいでもこのままいければって感じで、レース中に手ごたえがあった」と余裕を持った状態でも他大学を抜く数の方が多かったと話した。積み重ねてきた鍛錬の成果は、しっかりと力量アップに繋がっていた。

▲レース中に手応えを得ていたランナーの藁科


〇上位に食い込む  単独走組の力走

集団走はせず、自らのペースに委ねられらたランナーたちも大きく貢献した。特に圧巻の走りを見せたのは期待の新人・ダンカンマイナ(商1・専大熊本高)。スタートから他大学の留学生ランナーたちの先頭集団に付き続け、1:01 "47の総合3位という偉大な記録でフィニッシュし、「嬉しかった」と白い歯を見せた。初のハーフマラソンとなるも「ちょっときつかった」とロングランをそれほど苦にしない様子で、「最低でも箱根駅伝の出場権を獲得するために、辛い練習をして準備した」と振り返った。監督も「初ハーフだったのでどこまでいけるかわからなかったし、最近の感じでここまでの走りをするとは言えない状況だった。ただ、(今日を見て)試合には本当に強いんだなと。最高の走りだった」と舌を巻くほどの圧巻さだった。入学から未だ1年足らずだが、チームの根幹を担っているマイナ。異次元のパワーを更に蓄積し、本戦でも周囲を魅了する。

▲初のハーフマラソンでも臆することなく、圧倒的な走りを見せたダンカンマイナ


マイナに続いてチーム2、3番手に入った新井友裕(文3・浦和実業高)と上山詩樹(経済2・敦賀気比高)は30番手以内でフィニッシュとハイレベルな結果をマーク。新井は「2人で40番に入る目標があった」と話していたなか、有言実行。タイムも順位もきっちりと稼ぐ力強い走りを見せ、長谷川監督も「30から70番目を想定していた中で、しっかり目標を達成してくれて本当によくやってくれた」と賛辞を惜しまなかった。前半から後半まで大きく失速することなく、前方でレースを進めた2人。自らの強みを遺憾無く発揮し、チームを導く走りを披露した。頼れる日本人2枚看板は本戦でもチームの軸となる。

▲日本人コンビとして上位に入り、確かな手応えを得た新井(上)と上山。両者ともに誓った目標を見事に達成した



〇待望の本戦   次の1世紀へ

悔しさで溢れた昨大会から371日。"革新と挑戦を"を掲げてきたチームは最短での箱根路復活、17年ぶりの2位通過と見事に雪辱を果たし、創部100周年の節目に花を添えることとなった。あと3ヶ月もしないうちに、待ち望んだ72回目の箱根路本戦がやってくる。今日の結果を持って自信を手に入れた専修ランナーたちは本戦でも革新を起こし、次の100年に襷を繋ぐ。

▲昨大会の悲壮な表情から笑顔が返り咲いた今大会。本戦で戦い抜く自信を手に入れたチームは、次なる目標のシード権獲得を目指す


〇主将・千代島宗汰  談話

▲千代島(左)と駅伝主将を務めた藁科(右)

「(試合を振り返って)僕たちは昨年度の負けたあの日から絶対この日に勝つために、組織作りから何からも結構変えてきた。この7位目標っていうところでやってたんすけど、2位っていうのは、素直に喜んでいい結果なのかなって思います。 サプライズではないですけど、下馬評が低かったとは思うんですけど、自分たちは絶対通ると思ってましたし、こういう結果が出る様々な要因が噛み合わさっての結果だと思うので、決してまぐれではないと思ってます。

(本戦へ)まずはより一層、力をつけていかなくちゃダメですし、最近は体調不良であったり、 怪我で走れないっていうところが多かったので。そういったところではまず通るだけのチームじゃなくなってきてるっていうのは我々の共通認識である。2位で通ったからには、シード権獲得にチャレンジしていかなくちゃいかないと思ってるので。まずは万全な状態で迎えるために、そういったところを徹底していきたいです」。




文=河上 明来海(文4)

写真=河上、竹田一爽(文3)、髙野葵葉(文3)