最新ニュース
今月7日、専大陸上競技部は東京箱根間往復大学駅伝競走予選会(以下・予選会、10月19日=東京都立川市)のエントリーメンバーを発表した。昨大会は3年ぶりに本戦出場を逃す悔しさを味わった専大。箱根路へ最短復帰を果たすべく、チームは1年間を賭けて鍛錬を積んできた。そんな大舞台へ士気を高めるチームの声をお届けする。
▲本番に向け調整する選手たち
〇兆しは良好ととらえる指揮官
「(前々から)想定していたメンバーを例年よりもしっかり揃えられた」。指揮を執る長谷川淳監督は14名の選抜メンバーの顔ぶれに手応えをにじませた。夏季休暇中に行われた3度の選抜合宿をきっちりと消化できたランナーたちがほぼ全員エントリー。状態が万全ではない中で出走するランナーがいたという昨年の悲惨さとは一転し、「当日走る人(12名)を決めるのが悩ましいくらい。誰かが外れたとしても、力的に変わらない状況を作れる」と層の厚さに期待を寄せている。そしてメンバーの14名のうち1、2年生が過半数と例年以上にフレッシュな構成に。それでも「練習で上級生よりも前でゴールするシーンなどもあったほど、力がある感じだった。夏を経て変わってきているなと思った」と厚い信頼をおく。ただ、レースにおいて軸になってくるのは3年生を中心とした上級生たちだという。「やっぱり精神的支柱のような役割がある。昨年の走った感じだったり、これまでのハーフマラソンや公式戦の経験だったりと、レースの経験数というところは変えられないもの。そういった経験のある選手がいるというのはチームとしてポジティブな要素だ」と後輩を引く姿勢や走りを促した。
▲夏季合宿で状態の良い選手たちはほぼ全員選ばれた
〇新たな試みで迎える大一番
今季はこの予選会をターニングポイントとし、新たな施策を随時遂行してきた陸上競技部。長い距離へ時間をたっぷりかけて講じてきたほか、夏季合宿でのメンバー選抜や取り組み自体も新たな要素を加えるなどしてきた。さらに今大会でもチームとして新たな風を起こす。「今までにない、初の試みというか。タイムよりも順位ってところをしっかり意識させたいので、位置や順位とかを一人ひとりきっちり決めて、まとまって走るようにしたいなと思っている」と集団を形成した上でレースに臨む。例年にない緻密な計画を実行し、成果に繋げたいところだ。さらに通過目標は“7位”と設定。「その辺りが現実的かなと。通過していた時は10、9、8位と来ていたので」と年を重ねるごとに順位を上げた過去を追い越したい姿勢を見せた。
▲長谷川淳監督
〇節目に花を添えるべく
陸上競技部は今年で創部100周年の節目を迎える。監督は節目の年に箱根へ帰り咲く重要性を理解しており、「しっかり通過ラインっていうのは見ながらやってきたので、100回記念に花を添えられるように結果を出して、本戦でさらに上の大学と戦って良い状態で次の新しい101年目に繋げたい」と意気込んだ。
▲創部100周年の節目に箱根路へ帰り咲く
〇キャプテンの抱負
主将の藁科健斗(経営3・横浜高)はメンバーたちの状態について「昨年よりも仕上がりは良い。誰が走っても同じくらいのタイムが出るだろうなっていう状況まで上がってきていると思います」と好感触のようすを語った。レースにおけるカギは15キロ以後からの公園内だといい、「そこからどれだけタイムを稼ぐかが大切になってくると思うので、(公園内で)上げていければ戦えるレースになると思います」とポイントを見据えた。日が近づくにつれて本番へのモチベーションは上がってきていると話し、チームを代表して抱負を述べた。「昨年悔しい想いをして、この1年間ここに向けてやってきたので、しっかりと準備して当日100%出せるように。まずはしっかりとチーム全員で突破を勝ち取っていきたいと思います」。チームの先頭役として力を発揮し、引っ張る覚悟を露わにした。
▲チームを代表して抱負を語った藁科主将
本戦への連続出場が3でストップし、悔しさで溢れた2023年10月12日。その後チームは年明けから今大会に向けて新たな取り組みや計画を練って実践し、士気を高めてきた。積み重ねた鍛錬の成果を出し切り、最短での箱根路復活を遂げてみせる。
〇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会エントリーメンバー
大田和一斗(文4・東農大二高)
長谷川源(経営4・名古屋経大高蔵高)
新井友裕(文3・浦和実業高)
手塚太一(経営3・那須拓陽高)
福田達也(経営3・市立橘高)
藁科健斗(経営3・横浜高)
上山詩樹(経済2・敦賀気比高)
具志堅一斗(経営2・コザ高)
佐藤陸(文2・東京高)
丹柊太郎(人間科学2・松山商業高)
和田晴之(経営2・三浦学苑高)
佐藤恵伍(文1・自由ヶ丘高)
田口萩太(文1・東京高)
ダンカンマイナ(商1・専大熊本高)
文=河上 明来海(文4)
写真=陸上競技部提供、竹田一爽(文3)