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2024.10.08
野球

【野球部】平田の被弾で勝ち点お預け 渡辺のバックホームに救われた日

<令和6年度東都大学野球秋季リーグ戦=10月7日 駒沢球場 拓大1-0専大>

▲平田の投球が乱れ、齋藤正直監督はマウンドに駆け寄る。


平田の被弾で勝ち点お預け 渡辺のバックホームに救われた日

  「投げた瞬間、うわってなった」。3回1番・田村大選手に投じた直球は、瞬く間にライトスタンドへ着地した。この被弾に全ての運を吸い取られた。以降、あらゆる好機が舞い込んでも、あと一点に届かない。

   ▲変化球がそれほど、ストライクゾーンに入らなかった。


 先発の平田健眞(経済4・専大松戸高)は、連勝を賭けたマウンドを任されるも3回で降板し、唇を噛むことになる。連投でも「疲れはなかった」が、左バッターに対して得意のツーシームが機能せず、苦しいイニングに苛まれた。気が付けば失投を許し、これが決勝打となった。

   制球が乱れ始めてから「神経質になったのが原因」。それでも1点のみに抑えられたのは「守備に助けられた」からだ。

   特にルーキーの渡辺維介(文1・松本国際高)には救われた。3回二死2.3塁の緊迫した場面で、中安打をバックホーム。7回にも二死2塁のピンチで本塁を刺し、4回から登板した肥沼竣(商4・加藤学園高)を援護した。

   ▲一試合で2つのバックホームを刺した渡辺。


 流れは専大へと傾き出した。しかし、打線は一本出せても後が出ない。9回もあっという間に二死を迎えた。打席にはこの日、打順をひとつ上げた5番・中野拳士郎(文3・小浜高)。「当てることしか出来なかった」とスライダーに食らいつき、中前に運んだ。そのまま2塁へ到達すると、「行く準備はしていた」とワイルドピッチで3塁を盗む。後続の6番・渡辺も四球で出塁し、二死1.3塁の絶好の場面で7番・宮崎優斗(経営4・佐賀商業高)に回ったが、サヨナラのタイムリーは夢のまま終わった。勝ち点もお預けとなり、拓大との決着は28日に先延ばしされた。

▲中野は最終回でチャンスを呼び込んだ。



▲好返球後、ベンチの仲間とハイタッチする渡辺。(写真右)

「維介ありがとう」の好返球

   敗戦はしたが名場面もあった。7回のバックホームからベンチに戻った際には「維介ありがとう」という声に迎えられた。

 期待を背負った新人は「飛んできたら、ああいう風に投げようと自分の頭の中で考えていたら、本当にそこにボールが飛んで来て。投げた結果が2つ(のバックホーム)に繋がったのかなって思います」と、イメージ通りだった。

   脅威のレーザービームに自信はあるかと思いきや「最近までスローイングが良くなかった」という。一度手術をしたことがあり「自分の感覚が分からなくなっていた」が、「キャッチボールの数を増やして、練習後や夕食後のフリータイムの時に軽くキャッチボールをしたり、それを毎日継続していた」と時間さえあればスローイングの改善に勤しんだ。

   その甲斐あって見事な返球を披露し、紛れもない渡辺の日を演出した。


文=小山明香(文3)

写真=知地泰雅(文2)