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2024.09.25
卓球

【卓球部・女子】26年ぶりの春秋連覇   窮地救った主役の2人

〈令和6年度秋季・関東学生卓球リーグ戦 9月24日=代々木第2体育館〉  

▲女子は春秋連覇で22回目の総合優勝を果たした   


   秋季リーグ戦は最終日を迎え、専大は全勝同士で首位に並ぶ中大と対戦。一時、2-3と優勝へ王手をかけられるも6.7番手が白星を挙げて4―3で逆転勝利した。 これで春と同様に無敗で閉幕し、26年ぶり22回目の春秋連覇を成し遂げた。

 ▲優勝の瞬間。ベンチも総立ちだった  


 2人の3年生が窮地に立たされたチームを救い、快挙に導いた。6番手の陳ケ尾真子(文3・和洋国府台女子高)、7番手の立川朋佳(経済3・進徳女子高)が負ければ敗北を喫する場面で見事に勝利。脇役に回ってきた影武者たちが意地を見せ、大きく貢献した。

 

○陳ケ尾、苦い経験の雪辱果たす 

 今シーズン相性の良い中大に2.4番手を奪われ、春秋連覇への道が絶たれるピンチに6番手の陳ケ尾が登場。コートに立った際は“負けたら終わり”という同じ状況だった7月のインカレでの自らの敗戦を思い出したといい、「絶対勝ってやる」と気合を入れて中大のルーキー・狩野選手と対峙した。第1セットを取られてからすぐに取り返すも、第3セットを再び取られ崖っぷちに。さらに同セットも7-9とリードを許して追い込まれた。これまで数回、団体戦の後半に起用されるもほとんど勝った経験がなく、「やばいって思って…またやられるんじゃないかと」と弱気になりかけた。だが、今日の陣ケ尾真子は違っていた。「1回、“無”になったというか。自分の卓球をしようと振り切った」と気持ちをガラリと切り替えた。すると4連続ポイントで逆転し、11―9で勝利。流れを完全に掴むと最終セットでは11―6と快勝し、見事に白星を挙げて見せた。ベンチから見守った加藤充生樹監督や出澤杏佳(文4・大成女子高)主将は「今までの陳ケ尾だったら負けていたことが多かったが、今日はしっかり勝ち切ってくれてよかった」と心から称えた。自らの殻を破って奮闘し、喜びを味わった3年生。「自分たちの学年がもっとレベルアップしていきたい」と頼もしく、来季の団体戦を見据えた。

 ▲6番手の陳ケ尾。後がない佳境でも気持ちで押し切ってみせた


○勝ち切る気迫  見事に試合を決めた立川

土壇場から追いつき試合を振り出しに戻した専大。優勝の命運は同じく3年の立川に託された。大一番に「心臓が飛び出そう」というほど緊張してコートイン。試合が始まっても落ち着かず、第1セットは手の震えが止まらないほどだったという。迎え撃つ相手は小学生時代からの対戦で1度も勝ったことがない武山選手。「相手の方が強いって思って。自分は弱いからって言い聞かせていた」と自らを奮い立たせて挑んだ。試合は開始直後から激しい打ち合いとなり、互角の展開となる。第1、2セットはいずれもデュースになり、それぞれ先にマッチポイントを奪われた。それでも「負けているっていうのとかは思わなくて。“1点ずつ、自分のことをやろう”」と心は熱くも頭は冷静に戦い、14-12、13-11と勝ち切った。早々と2セットを奪取して迎えた最終セットは流れを完全に掌握し、立川ペースに。11-7で制してストレート勝ちし、無意識に拳を握っていた。3年生は4時間を超える大熱戦に終止符を打ち、チームを春秋連覇という快挙へ導いた。

▲立川は見事に試合を決めた。緊張で溢れたが、気持ちで戦い抜いた


 そして試合直後、立川の目には自然と涙が溢れた。「あと(1点とか1セットとか)一歩のところで負けるっていう試合が続いていて。その悔しさが(報われた)、練習してきて良かったっていう気持ちだった」と心境を明かした。陳ケ尾と同様に、自らの過去の悪夢を断ち切る喜びを味わった。

▲辛い思いが報われ、こみ上げてくるものがあった


 2年次から出場を重ね、レギュラーに定着した今シーズン。最終学年となる来季に向け、「後輩から“4年生のために”って思ってもらえるような先輩になるのもそうだし、応援やプレーで引っ張っていけるチームを(現3年生6人で)作っていきたい」と力を込めた。

 

1998年以来、26年ぶりに年間リーグ戦の総合優勝に輝いた専大。関東大学リーグ内の優勝回数をさらに伸ばし、強者の力を遺憾無く発揮したシーズンとなった。伝統校の系譜はこれからも末永く、続いていく。

 


 ▽出澤杏佳主将コメント

▲出澤杏佳・主将(文4・大成女子高)

(試合を振り返って)

「6勝どうしと中大とやるってところで、今日のためにやってきたので嬉しいです。

本当に3年生の2人がよく頑張ってくれたと思います。陳ケ尾はこのままいってしまうとまずいってところでよく勝ってくれたし、今までだと負けてたかもしれないので本当によくやってくれました。立川もこれまで最後の最後に惜しくも負けるというところが多かったんですけど、今日はストレートで勝っていてすばらしかったです。首藤は1年生ながらチームを引っ張ってくれて、ダブルスでもすごく頼もしかったです。シングスで今日は負けちゃったけど、これまでよくチームを引っ張ってくれました。本当に周りのおかげなので感謝したいです」。

(最後のリーグ戦)

「これまではあまり結果を気にしてなかったけど、最後ということもあって優勝への気持ちは高まってました。そこで春秋連覇できてこれ以上ないくらい嬉しいです」。




文・写真=(河上 明来海・文4)