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2024.09.23
野球

【野球部】宮崎優が快音鳴らす!田村ともぎ取った1点

<令和6年度東都大学野球秋季リーグ戦=9月23日 大田スタジアム 専大2-9東洋大>

宮崎優が快音鳴らす!田村ともぎ取った1点

▲3点ビハインドで放った宮崎優の長打は、飛距離も抜群だ。


 投手陣が四球を連発した惨敗ゲームだったが、一筋の光が見えた。5回に掴んだ追加点は、靄のかかったベンチの士気を鼓舞した。

 先頭の8番・田村虎次郎(経営3・享栄高)は、昨年11月に肩の脱臼による手術を経て、この日が初出場。「自分が塁に出る。3年生なので結果を出さないといけない。そこに対して怪我で苦しんで、悔しい思いがあった」と気持ち全開で臨んだ。「絶対にやってやるっていう気持ちは強かった」。言葉通りの気迫の籠った打球は、相手一塁手のグラブを弾く内野安打を記録。持ち前の俊足にも助けられ、ファーストベースを駆け抜けた。

 ▲初ヒットの田村がガッツを見せる。

 ▲繋いだ宮崎優のスタイムリーリーベースヒット。


 必死の思いで好機を呼び寄せた。無死1塁で回って来たのは隠れた大砲、9番・宮崎優斗(経営4・佐賀商業高)だ。鋭く振り抜いた豪快なスイングが、ボールを勢いに乗せる。そのまま宙を伸びていく打球が、大胆に右中間を破った。1塁にいた田村は難無く、本塁へと向かう。威勢よく響いた快音は意地の適時三塁打となった。

 背番号7のお手本のような当たりは、鍛え上げられた眼によってもたらされる。「マシンを早くして、ただそれだけを見る練習をした」と意外な練習法を明かした。その甲斐あって「(今日の)相手ピッチャーはみんな速いが、そこまで別に速く見えず、そのまま良い感じに打てた」と練習の成果は確実に発揮された。本来ならばクリーンアップのスラッガーが、ようやく見せ場を飾った。


▲今シーズン最も安定していた奥村が吠える。

ポジティブシンキング奥村

 守るは、エースの肥沼竣(商4・加藤学園高)、奥村開(経済4・福井商業高)、常田唯斗(文4・飯山高)、中川翔介(経営2・八幡商業高)、石井夢沙士(経済3・秋田高)と5人の継投があったものの、功をなさずに終わる。4人の投手は制球不足に奥歯を噛んだが、5回の守備から3イニング登板した奥村のみ、相手打者に四球を許さなかった。

 春から調子が上がらずにいたが「気持ちの面でしっかり今日は投げられた」と強気でいた。考えすぎてしまう癖がある大型右腕は「心配症」だと自ら認める。ただし、この日に関しては「不安要素を無くして試合に入れるよう、ポジティブに考えるようにした」と慌てることなく、ミットに投げ込んだ。

 とはいえ、大敗を喫したことに反省の色は褪せない。投手陣の一角を担う者として「野手に申し訳ない」と俯く。奥村は、不甲斐ない思いを濁すように「ピッチャー陣が情けなさ過ぎるので、次はピッチャーで出番みせて勝ちます」と明日へ託す。

 気がつけば、秋季も中盤に差し掛かる。さすがに後がない専大ナインは、この暗闇に終止符を打てるだろうか。


文=小山明香(文3)

写真=山口由結(文4)