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2024.09.26
陸上競技

【陸上競技部】「箱根路最短復帰へ 期待背負う走者たち」 ⑧上山詩樹

101回目の箱根駅伝の予選会が10月19日に開幕する。昨年、箱根路への連続出場が3でストップした陸上競技部。最短での箱根路復帰へ向け、命運を握るランナーや成長著しいメンバーの声をお届けする。(インタビューは8月26日に行いました。)


成長著しい若武者ランナー  上山詩樹のこれまで

▲上山詩樹


 上山詩樹(経済2・敦賀気比高)はケガ明けの昨秋にトラック種目でデビューを果たすと、大台のタイムを次々と記録。チームに刺激を与える存在として脚光を浴びた。2年目を迎えた今季は関東インカレ5000mに出走すると日本人ランナーとしては数年ぶりに決勝進出を果たす。続く7月の全日本大学駅伝予選会にも出走し、チームの主力に上り詰めた。そんな成長著しい若武者の過去に迫る。



〇競技のきっかけ

生まれも育ちも滋賀県の上山少年はサッカーを習っていた。チーム内で長距離のランニングや小学校のマラソン大会で上位を取ることが多く、長い距離への自信を抱いていた。きっかけは中学への進学時にあり、「(小学校のサッカーチームでも)ほぼずっとベンチだったので辞めることは決めていたんです」と他の競技をすることを決意。他部活とも迷ったが、親の勧めで陸上部を選んだ。そしてスタートした陸上人生。「(実力は)あんまりでしたけど、練習は楽しかったです」と新たな競技の出会いを前向きに捉える。

▲5月の関東インカレ5000mでは決勝へ。「高校のOBの選手たちが活躍する中で、僕がこの舞台に立てたというのは嬉しいです」と国立競技場でのレースを喜んだ 



〇叩いた強豪校の門

さらに、自身の競技人生は高校へと続く。中学生活最後の大会で入賞を果たしたことをきっかけに、北信越地方でトップレベルの実力を誇る敦賀気比高校から声がかかった。「中学は(自分のレベル的に)そういうところ(全国大会の舞台)からほど遠かったので。そこへの憧れみたいなのはありました」と地元に別れを告げ、強豪校に進学。すると2年次に頭角を表し、3年間で2度の都大路(全国高校駅伝)や都道府県駅伝、インターハイなど“憧れの舞台”を経験。着実にレベルアップを果たし、実力を大いに発揮した。高校生活を「人との出会い、縁に恵まれた3年間だったと思っています」と関わりをもった人々に感謝する。特に印象深いのは現・城西大3年の斎藤将也選手。1年次から2年連続で箱根駅伝の2区出走を果たしている実力者で、今年の本戦でも区間8位の力走でチームに貢献した。「(斎藤選手からは)陸上への考え方や取り組み(の姿勢)とかってところでけっこう、影響を受けました」「(現在)大学で競技を継続している理由も斎藤選手の影響っていうのもありますね」と自身の競技人生に強い衝撃をもたらした先輩の存在が大きかった。

▲陸上人生に大きく影響した高校時代。憧れの先輩を追いかける

〇専大へ

そして現在の専大陸上競技部に進む理由は単純だった。2年次に頭角を表した際、早々と推薦のオファーが到来。自らの競技を続ける意向と高校の監督の推しもあり、進学がほぼ内定した。「逆に専大以外こなかったのもあります(笑)」と絞りやすかった。加えて3学年上の水谷勇登さん(令6・経営卒・ 新電元工業)の存在も大きく、「専大での活躍を監督から聞くことも多かったです。モデルみたいな形で意識しているところはありましたね」と代こそ被らなかったが、2度箱根路に出走した先輩を追いかけて現在に至る。

▲現役時代の水谷さん。上山は先輩の活躍を早い段階から知っていた


〇初の予選会へ

2年目にして初、憧れの箱根路への切符を掴む舞台に向けて調整を進めている。「去年の合宿はケガからの立ち上げで自由にやっていたけど、今年は予選会があるので。初めての流れでわからないこともあるけど、色々考えながらやっています」と想いを明かした。ハーフマラソンは今年の1月にデビューしたばかりで、3月の学生ハーフが2回目。後半部分に苦手意識があるため、今季は距離を積むことでのベース(土台)作りに励んできた。

そして、本番への意気込みは力強かった。「予選会を通過するチームは留学生に頼らない特徴があるので、やっぱり専大でトップに入りたいっていうのはありますし、全体として30番以内ってところも狙っています」。チームの主力としての自覚は十分、備わっている。

▲若いエース的自覚を持ち、チームを引く


同郷の先輩2人が立った箱根路の舞台。夢を叶えるため、チームを引っ張る会心の走りを10月19日、披露してみせる。



文=河上 明来海(文4) 写真=陸上競技部提供、竹田一爽(文3)、河上