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2024.09.20
陸上競技

【陸上競技部】 「箱根路最短復帰へ 期待背負う走者たち」  ②長谷川源

101回目の箱根駅伝の予選会が10月19日に開幕する。昨年、箱根路への連続出場が3でストップした陸上競技部。最短での箱根路復帰へ向け、命運を握るランナーや成長著しいメンバーの声をお届けする。(インタビューは8月26日に行いました。)



諦めない心で悲願の出走へ   長谷川源


 4年目を迎えた男が最初で最後の予選会に向かって鼻息を荒くしている。長谷川源(経営4・名古屋経大高蔵高)は昨秋からハーフマラソンで頭角を表し、新春3月の学生ハーフではチーム4番手と存在感をアピール。長谷川淳監督も長距離部門で戦える選手として期待を寄せている。ラストイヤーとなって積み重ねてきた練習の成果が実を結んできているランナーの4年間を振り返る。

▲今年3月のレースで奮闘した長谷川


〇「競技辞めようと」下級生時代

 「あの時はもうそのレースで(競技を)辞めようと思っていた」。長谷川は2年次のある記録会で競技を終える覚悟を決めていた。入学からなかなか良い結果が出せず、チームの下位でもがいていた。そして迎えた記録会。チーム内で設けられている「入学してから〇年までに〇mを〇分以内」といった基準タイムを切るべく、臨んだ。レース2週間前から、悔いを残さないようにと必死になって自らを追い込んでいたが、内心は「正直諦めていた」という。そして迎えた結果は晴れて基準切りに成功。選手資格を継続することができた。


下級生時代の辛い思いを発奮材料に、コツコツと努力を重ねてきた4年生。練習を継続する中で、長い距離に対して相性がいいと気づいた。「ふつうのポイント練習とかは外しがちだったが30キロとかの距離走はほぼ外すことがなくて。そこから距離を積み重ねようと思った」と振り返る。そして2年次の2月に初のハーフマラソンを経験。「なんかまだまだ、っていう余裕があった」と手応えを得た。その後も継続してハーフマラソンに出走を重ね、力を蓄えていく。すると次々と結果が上向きに。特に今春の日本学生ハーフでは64分台で自己記録を更新、チーム4番手の活躍を見せた。「記録が出るごとに、予選会へ出たい、落としたくないっていう想いは強まっていった」と自信を手に入れた。

▲昨夏の合宿。3年次からようやく結果がでるように


〇長い距離への自信

自身の強みについてはこう分析する。「最初はローペースで突っ込まずに入って、そこから耐えに耐えて残りの5キロで上げるタイプ」。証拠を裏付けるデータとして昨年11月から今年3月の学生ハーフまでのハーフマラソンで、残り5キロのラップタイムはチーム内でトップを記録した。他選手にはなかなかない“後半の伸び”を4年間という歳月をかけて磨き上げてきた。その強みを予選会で発揮するプランは既に描かれていた。「学生ハーフと予選会のコースはほぼ同じなのでこの間の感覚だと公園内のラスト5キロに自信がある。後半に不安が無い分、前半や中盤に意識を持てる(他の選手と違う走り方ができる)と思う」と語った。

▲長距離への自信を覗かせる


〇泣いても笑っても最後

最上級生としてラストシーズンを迎えている今季。悲願の予選会出走も最初で最後となり、2年次で自身を追い込んだ時に重ねて悔いのないよう、日々燃焼している。「通りたいっていう気持ちが1番強くて。チームに貢献してみんなで(通過を呼ばれる瞬間を聞いて)喜びを分かち合いたい」と決意を表した。

1度は諦めかけた競技人生。それでも上を目指し、自らと格闘してきた。4年間の集大成を、好結果で飾ってみせる。

▲全てを出し切り、後悔なく終えてみせる



文=河上 明来海(文4) 写真=竹田一爽(文3)、河上