最新ニュース
〈第77回全日本フェンシング選手権大会=9月14~16日、沼津市総合体育館〉
9月14日からの3日間にわたって全日本フェンシング選手権大会が行われ、2日目の女子エペの部門に6人が出場した。社会人などベテランも揃う中、齋藤華南(経済4・秋田商高)か5位につけ、伊藤凛(人間科学4・安来高)が16位、吉田ひなた(人間科学3・気仙沼高)が30位と健闘した。
▲突きが決まりガッツポーズをする齋藤
シードを獲得しておりトーナメントの2回戦からの出場となった齋藤は、初戦で高校生に序盤は互角の戦いを強いられるも、2セット目からは「余裕を持ってやることを意識した(齋藤)」と強めに攻めてくる相手を振り切り、15-8で勝利した。その後3回戦でも一本勝負までもつれ込んだ接戦を制したものの、次の準々決勝で馬場晴菜選手(天野エンザイム株式会社)に序盤からペースを握られてしまい15-9で敗戦し、準決勝進出を逃した。
馬場選手とはいつもナショナルトレーニングセンターなどで練習を重ねているという齋藤。「しっかりと駆け引きをすれば勝てる」と思っていたが、「駆け引きをさせてくれなかった」と相手の戦い方について話す。「ガーッと攻め込む感じ。あんなに対応できないと思っていなかった」。
しかし、今回の敗戦は前向きに捉えているという。「同じシチュエーションになった時に今日の試合を思い出すこともできるし、そこはいい経験になったなって」。次戦以降についても、「個人戦においても団体戦においても結局戦うのは自分だから、自分の土俵に相手をあがらせるくらいの気持ちでいきたい」と力強く意気込んだ。
一方、予選プールを2勝4敗とギリギリの成績で通過した伊藤は、トーナメント2回戦を延長の一本勝負で勝つなど勝負強さを発揮する。続く3回戦もこの流れで勝ち進みたい伊藤だったが、「バーンと来るというよりかは、小手周りをチョンっと突く」戦い方の相手から一回もリードを奪うことが出来ず10-15で敗退となった。
引退の年となる4年生になってからは、3年生までの自分とは違い「楽しんでやろう、みたいなモチベーションで」やっているという伊藤。2戦目の一本勝負も「いつもなら焦って負けてしまうけれど、(一本勝負に)なった時点で、どうしようかなと冷静に考えることが出来た」と、今だからこその戦い方をここまで実現させている。3週間後に迫る最後の関東インカレについても「フェンシング界は狭いから大体手の内は分かっているけど、その上を行きたい」と笑顔でこれからを語った。
▲相手を攻める伊藤
また、トーナメント初戦の平西桜子(経済3・金沢西高)との同期対決を制した吉田は、次戦で開催地の企業に所属する鈴木穂波選手(ネッツトヨタ静岡)に8-15で敗れた。
相手の大応援団の声援の中迎えた完全アウェイの試合を「やっぱりそこからの焦りはあった」と語る。また、「普段穂波さんは自分から攻めてきて、相手をわざと引き出して利用して突くという感じだけど、今回は慎重。丁寧に丁寧に戦っていらっしゃった」と相手の普段との違いを感じたと言う。「想定外のことがあったので、なかなか対応しきれなかった。自分の強みの小回りの突きもなかなか発揮出来なかった」。関東インカレの前に行われる大分でのランキングマッチにまずは焦点を当て、練習を重ねる。
▲同期対決となった吉田(奥)と平西(手前)
高校生から社会人と、幅広い年代の選手と相対した今大会。この経験を糧に一人一人が関東インカレ、そして全国インカレをどのように戦っていくのか、ここから動き出した秋の戦いから目が離せない。
文=山口由結(文4)
写真=藤林利英(文1)