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101回目の箱根駅伝の予選会が10月19日に開幕する。昨年、箱根路への連続出場が3でストップした陸上競技部。最短での箱根路復帰へ向け、命運を握るランナーや成長著しいメンバーの声をお届けする。(インタビューは8月26日に行いました。)
幾度の挫折を乗り越え競技人生の答え合わせへ 大田和一斗の集大成
昨年の悔しさを知る最上級生が競技人生最後の大舞台を目指し、精力的に練習を重ねている。ラストイヤーを迎えた大田和一斗(文4・東農大二高)は、昨年の箱根予選会でチーム内4位、当時の自己ベストを更新する64分26秒をマークしたが、チームは本戦への切符はつかめず。それでも、今年4月に行われた香川丸亀国際ハーフマラソンで再び自己新記録を出すなど、悔しさを糧に確実に前へ歩みを進めてきた。
▲昨年の箱根予選会(提供=相川直輝さん)
「正直でこぼこしていたシーズンだった」と今年の前期を振り返る大田和。丸亀ハーフで自信を深め、良いシーズン入りにつながったかに思えたが、出場を狙っていた関東インカレの直前に疲労骨折をしてしまい、無念の離脱を強いられた。「1番の目玉となる大会に出られなかったことは悔しさとして大きく残っている」と悔やんだ。最後の関東インカレの出場枠は後輩に譲る形となり、その怪我の影響もあって全日本予選にも出場はできなかった。
そうした中で迎えた最後の夏合宿では、「例年よりも練習の手ごたえを感じている」と話す。「下級生の頃は、先輩に付いていくのに精一杯だったが、その合宿を毎年こなす上で徐々に体が慣れていった。4年目ということでチームを引っ張る存在として、プラスを生み出そうとしている」。合宿に参加している4年生が例年より少ないこともあり、必然的にチームを引っ張る場面も多いという。
▲一昨年の予選会直前でも故障するなど色んな挫折を経験してきたからこそ、後輩にもアドバイスを送っている
出場すれば昨年に続き、自身2度目となる箱根予選会。最上級生ランナーは「負けを1回経験して、『もっとやらなきゃいけない』という思いや他校と戦うというところを常に持てるようになった」とこの1年間での成長を実感している。「63分30秒前後のベストを更新したい。チームの作戦として任された役割を4年として全うしてチームを引っ張りたい」と闘志を燃やす。
▲「復帰した5月下旬くらいからある程度距離を踏んで、土台となるベース作った上で、(合宿に)臨めている」
大田和は「自分自身にとって本戦は今まで10年くらいの競技生活最後の舞台。私がやってきた取り組みのすべてを出し切りたいというのと競技人生の答え合わせをしたい」と語る。数多くの挫折を乗り越えてきた4年生が競技人生の集大成に挑む。
文・写真=竹田一爽(文3)