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<令和6年度東都大学野球秋季リーグ戦=9月2日 等々力球場 専大5-2国士大>
中野2点二塁打の光る打撃 秋の開幕好スタート
▲ベストナイン受賞の中野が3打席1安打2打点の活躍で、開幕から勢いづく。
東都の秋が始まり、悲願の1部昇格を掲げる専大ナインは投打が噛み合い勝利を掴んだ。春に続いて開幕の切り札となったのは、正捕手に定着した7番・中野拳志郎(文3・小浜)。1点を追う4回1死二、三塁の場面で痛烈な左越え適時二塁打を放ち、一挙2得点の逆転を呼び込んだ。打線は6回にも1死三塁で9番・宮崎優斗(経営4・佐賀商)が中前適時打と、後続の1番・吉水真斗(経営2・松商学園)が1死一、二塁の好機を活かした、センターへの適時二塁打で2点を追加する。投手陣は2点を失ったが全体的に大きく崩れることもなく、秋はスタートから安打が実り次戦へ弾みをつけた。
▲秋の開幕も中野のバットが流れをつくった。
開幕と言えば中野の好打
今シーズンも開幕戦を飾ったのは、この男。下位打線ながら今回も存在感を見せつけた。打撃では春の感覚を忘れずに「秋までの期間崩れることなく、あまり変わらない感じで入っていけた」と落ち着いた表情で応える。オープン戦に関しても「一試合に1本ぐらい打てていた」ことが好打に繋がった。
さらに些細な変化は中野の打席に安定感をもたらした。「バットを寝かせてみたりノーステップに変えてみたり、追い込まれてから対応するようになった」。特にノーステップ打法を取り入れたことで、できるだけ長くボールを見て、選ぶことを徹底した。
攻守でチームを支える正捕手には内面の変化も。「守備は守備で攻撃は攻撃でちゃんと区切りをつけた」。春季は「中途半端で入っちゃたりしていた部分があった」と裏の一面も明かす。これに終止符を打ったのは同級生捕手の一言だった。「服部(新、文3・花咲徳栄)から、はっきりした方が良いと言われ、ちゃんと打てているから自信を持ってやった良いよと言われてから守備と攻撃で分けて気持ちを作るようになった」と活躍を後押しする言葉が鍵となっていた。
早くも2季連続ベストナインの兆しを漂わせる中野。チームのキーマンとして、これまで以上に期待がかかる。
▲吉水は3回の守備でお手玉したことを大いに悔やむ。
背番号5の小さなこだわり
不動の1番吉水は5打席3安打1打点で打線を活気づけたものの、どこか浮かない顔をしていた。「1番バッターとして一番大事な1打席目の結果が良くなかったので、次の試合に活かしていければ良いと思う」。リードオフマンの役割を理解しているだけに、満足した様子は一切ない。だが以前に比べて「重心は低くしました。変化球のボールに手を出さないように割れを作るようにした」とテイクバックを大きくとるようになっていた。
ただ、最も気がかりにしていたのは3回の守りだった。「エラーしちゃったんで、今日は全然ダメでした」と心の声がこぼれる。実際に1死から置いた走者が先制点を許すきっかけとなった。「目標に執着してないが、シーズンを通して、吉水が出ていて良かったと思ってもらえるプレーがしたい」と内に秘める想いがある。「2季連続で出させてもらっているからには信頼を築いて行かないといけない」「守備などは練習したらノーエラーができるものなので、そこにはこだわっていかないといけないけれど、今日はエラーしちゃったのでちゃんと反省して帰ってまた練習します」。高い背を少し丸めながら微笑みつつも、謙虚な姿勢で宣言した。
▲最速155キロをマークした常田唯斗(文4・飯山)は、持ち前の直球がキレていた。
[常田]
――――投球の調子は?
「今日はストレートの威力とコントロールがいつもに比べて良かった。そこに最近ずっと良かったカットボールで、打者を衝いてアウトを取れたところが良かった点だと思う」。
――――今日のピッチングは何点?
「90点ぐらいで。結構落ち着いて投げられたので、そこが大きい」。
―――――リーグ戦にはどのような生酛で臨む?
「一年生から投げさせてもらって、思うように結果が出なかったり、すごく迷惑をかけてきたことが多かった。このシーズンこそは自分の力で試合をつくって勝ちに貢献できたらと思う」。
[小柴滉樹(経営4・佼成学園)]
――――主将として今日一日を振り返って
「勝てたから良かった。初戦だから硬くなるし、思うようにいかない部分もあると思うけど」。
――――中盤の巻き返しについて
「打順の巡りも良かったし、比較的思うように試合が進んだ。あんまり焦る感じがなかったのが良かった」。
――――打線の繋がりはどうだった?
「打順が色々と変わって、春から今いい感じできている。あまり調子の悪い人もいないし、オープン戦通りに行けた」。
文=小山明香(文3)
写真=君嶋悠樹(経済1)、門前咲良(文2)