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〈秩父宮賜杯第56回全日本大学駅伝対校選手権大会関東学生陸上競技連盟推薦校選考会 6月23日 =相模原ギオンスタジアム〉
11月に行われる全日本大学駅伝の関東地区の予選が23日に神奈川県の相模原ギオンスタジアムで行われ、20校が7つの出場権獲得を賭けて争った。
専大は2009年以来の本戦出場を狙って目標を”7位”として臨んだが、総合16位と遠く及ばず。順位も昨大会から2つ落とし、他大学との差が顕著に表れる苦しい結果となった。チームは年明け早々から今予選会を大きな照準に定めてきただけに、悔しさだけが残った。
▲1組目の藁科健斗(経営3・横浜高)(左)と具志堅一斗(経営2・コザ高)(写真右)。序盤で勢いをつけたかったが、「1組目が思いのほか良くなかった」と長谷川淳監督も悔いた結果となった
▲2組目の(1枚目)上山詩樹(経営2・敦賀気比高)と高橋凛琥(経営1・八千代松陰高)。上山は自力を見せ21番目に入ったが、高橋は初の10000mに苦しんだ
高速レースの3組目で失速 大勢決まる
前半の1、2組目で12位、14位と良い流れを作れずに臨んだ3組目。これ以上の後退を避けたい場面だったが、大西裕翔(文2・京都外大西高)と江幡凜太朗(経営2・水城高)は前2組とは打って変わって展開する高速レースに苦しんだ。3000m付近から早々に集団が割れ、江幡は単独走を強いられる。大西も7000m付近まで第4集団に食らいつくがペースは降下。結果的にそれぞれ32位と38位に終わり、7位との差が約2分だったものが5分にまで広がって勝負の大勢が決まった。
「全ての実力が全然違った」 大西裕翔
▲大西は中盤以降から苦しい走りに
大西は3組目に出走。レース序盤は前方に位置していたが、3000mを通過したあたりから先頭集団のペースが上がり、集団後方でレースを進めた。最終的には30分24秒10の32着でフィニッシュし、「故障と1週間前のピーキングから始まって、自分が速いスピードについていけない。実力不足。全ての要因が合わさって今日の結果」と悔しさをにじませた。
4月に行われた日体大記録会では10000mで自己ベストを記録。関東インカレでは5000mに出場して試合経験も積んできたが、「1週間ほど怪我をしてしまい練習がストップして、さほど体力は落ちなかったが、そこで関カレの流れのままいけなかった」と万全の状態ではなかったことを明かした。チームは総合16位に終わり、「全ての実力が全然違った。夏合宿をやるだけでは、他の大学も同じ時間練習しているので通用しないと思う。これ以上の練習をしていかないといけない」と危機感をつのらせる。「(箱根)予選会は負けられないので、そこまで残り少ないですけど、ゼロからやる気持ちで上げていきたい」と今回の結果を重く受け止めた。成長著しい2年生は気持ちを切り替え、再び目標に向かって走り出す。
「期待していたが実力不足」 江幡、涙止まらぬ悔しさ
▲早々に単独となり、精神的にも疲労が積もる走りとなった江幡
「調子が良くてそれなりに戦えるのかなって思っていたが、全然戦えなかった。すごく悔しさが残ったレース」。2年生ランナーは試合後、声を落とした。先月の記録会で10000mの自己記録を更新し、チーム内練習でも外すことなく3組に抜擢された江幡。出走メンバー内で最も調子が良く、3組目に“チャレンジ”と飛び込んだが、ハイレベルの戦いに大きく跳ね返された。江幡は3000mで全体のペースが上がったところから集団から離脱。長く単独走になる展開となり、「ハイペースになるのはわかっていたが、中盤で全員が先頭に着くのは想定外。(周りは)3000m以後も(1キロを)3分切るくらいで押していっていたが自分にはまだそれができなかった」と周囲とのレベル差を痛感。自らも首脳陣からも期待がかかっていた中での結果に「理想と現状のギャップがあった。すごく悔しい」と試合後の報告会では悔し涙があふれた。今日の悔しさを胸に刻み込み、10月は嬉し涙に変えられるよう立ち上がる。
▲最終4組目の(1枚目)ダンカン・マイナ(商1・専大熊本高)、新井友裕(文3・浦和実業高)。エース級が多く登場する最終組に専大が誇る主力2枚を投じるも、頼みのダンカンが中盤に大失速。巻き返しとはならずレースが終わった
「もう少し厳しい練習が必要」 長谷川淳監督
▲戦況を見つめる長谷川監督。結果を重く受け止め、語った。
チームとして本戦出場を上半期の大きな目標としてきたが、遠く及ばなかった結果に長谷川淳監督の表情は固かった。「練習や記録会を見ている感じも、対処方法も打ってきたので去年より少しタフになってきたのかなって思っていたが…。そこがちょっと出せなかったのかと」。手応えを掴みつつ臨んだ中での重い結果を受け止めた。レース全体として「どの組も後半の7000以降の落ち込みが激しいので…。もう少し練習でタフにやっていかないといけないのかなと感じた」と他大との差が生まれた現状を話した。
4年生を1人もエントリーせずに臨んだ今回について「そこはもう選手たちもわかっているところかと。トラックに関しては2、3年生が中心だとは伝えていた」といい、若手中心の今チームの在り方を強調。ただ、箱根駅伝予選会の距離はハーフマラソンであり、「そこは長谷川(=長谷川源、経営4・名古屋経大高蔵高)とか大田和(=大田和一斗、文4・東農大二高)といった4年生がメンバーに絡んでこないといけない。ロング(長距離)には自信を持っていると思うので」と最上級生に奮起を促した。
チームは今後、8月から夏合宿に入り、鍛錬を積む。「去年は今まで通りの練習から少し変えて(予選会)18位。今回は今までのものに戻す必要もあると思うし、加えて新たに取り組むべきこともあるので、しっかり本番をイメージしてやっていきたいと思う。もっと練習の中でプレッシャーを感じてやるとかみんなで絶対に外さないようにやるとか、そういった部分をもっともっと回数を重ねてやっていかないといけない」と重圧がかかる大事な場面で力を発揮できる姿を追求した。
箱根路に帰り咲くための予選会まで残り4か月。残された時間は長くなく、「選手が1番悔しい想いをしたと思う。これをどう、取り組みや意識に出していくかですね」と指揮官。選手たちの意識と行動はどのように変化するのか、注視する。
他大学との差を突き付けられ、選手全員が感じた現状。目の色を変え、厳しく向き合う姿勢が求められることとなった。伊勢路への切符を掴めなかったこの悔しさを忘れず鍛錬に励んでいく。
文=河上 明来海(文4) 、倉林光琉(法1)
写真=竹田一爽(文3)、河上
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【レース結果】
総合16位 4:02:41
〇1組目
26位:藁科健斗 30:07:77
29位:具志堅一斗 30:29:30
〇2組目
21位:上山詩樹 30:17:12
38位:高橋凛琥 30:59:61(自己新・初)
〇3組目
32位:大西裕翔 30:24:10
38位:江幡凜太朗 31:35:04
〇4組目
27位:新井友裕 29:23:76
28位:ダンカン・マイナ 29:24:72