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〈令和6年度春季・関東学生卓球リーグ戦 5月25日 代々木第2体育館 〉
専大は25日、5勝1敗でリーグ戦を終えた。勝率で並んだ日大、明大の三つ巴を直接対決の結果から優勝が決定。優勝の最有力となっていた日大には惜しくも敗れて自力優勝の夢は絶たれたものの、その後宿敵の明大、最終戦では2年間勝てなかった早大を破り、強豪校のプライドを見せつけた。
▲早大に勝利し、2年ぶりのリベンジに成功した
主将の野田颯太(文4・育英高)は「優勝を強く意識するっていうよりかは昨日から明治と早稲田に勝つことだけを考えていた。最後は明治が勝ってくれたけど、僕らはやれることは全部やったという感じだった」と清々しく振り返った。開幕前から「ベンチに入っている全員がしっかり準備して誰が出ても勝てるようにしよう」とチームに口うるさく言っていたというキャプテン。チーム総力戦で全試合を戦い、勝ち切れたことが優勝の要因だと語った。木塚(晴斗、文1・明豊高)とか田中(京太郎、文2・静岡学園高)とかの下級生たちが実力を付けて、勝負所で勝ち切ってくれたことが大きかった」と称賛した。背景には勝ち頭として全てを背負い込むことではなく、若手に声をかけて引っ張っていくという野田流のリーダーシップが功を奏していた。
▲上から田中、木塚。主将が力をつけて試合に勝ってくれる場面が多かったと労った
年明けに立てた今季のチーム目標は「インカレ制覇」。そこに向けて「良いスタートダッシュが切れた」と語り、「インカレはもっと厳しい戦いになる。優勝はしたけど、満足はせずに挑戦者の気持ちでしっかり勝ち切りたい」と強く意気込んだ。1年次から出場を重ね、誰よりも勝ちにこだわる熱い男は7月の全国大会に向けて再びチームを束ねる。
▲次は日本一という大きな目標に向かって再びチームの前に立つ
指揮を執った高宮啓監督は「日大に負けて自力優勝が無くなった中で、気持ちを切らさずにやりきってくれたのは良かった」と称えた。特に最終戦の早大との1戦についてはリーグが開幕する前から「2年間負けている相手に白星をつけさせないぞと。挑戦者の気持ちでいこう」と呼びかけていたという。敗れた日大戦についても「1-3から追いついたのは大きかった。結果は負けだけど“やり切って”の負けだった」と振り返った。次の照準は7月のインカレ。「ここ3年、16強止まりなのでそれを越えられるように。ただ1つ1つ、上を見過ぎず戦っていきたい」と丁寧な口調で話した指揮官。優勝を契機に良い流れのまま日本一を狙う。
▲5シーズンぶりの優勝に安堵した高宮監督
〇主将・指揮官ともに名を挙げた影のヒーロー・門脇康太(文3・明豊高)
▲影の優勝貢献者となった門脇
「門脇がいなかったら優勝できていなかった」。野田主将と高宮監督は口をそろえて3年生をリーグ戦でのMVPに挙げた。門脇康太は第4戦の法大戦3番手と第6戦の明大戦1番手と出番が限られながらも、大車輪の活躍を見せた。「とにかく自分が全部出るぞってくらい強い気持ちで練習していた。だからいざ出るってなった時にも全然焦らずに試合入れたことが良かった」と胸を張った。
まずは法大戦3番手。前2人が敗れ、落とせば敗北の一歩手前とされる場面だった。「ここで勝ったら(監督に)使って良かったなと言われると思ったので気持ちで頑張った」と法大2番手の選手からフルセットの末に勝利。結果的にチームは逆転勝利をおさめ、門脇の1勝がチームを救った。
さらに第6戦での明大戦では1番手に抜擢され、明大のエースである松田選手と対峙。「格上だし、対戦するのも初めてだった」という相手に相性が合い、技術的に勝った。フルセットにもつれるも最後は気持ちで押し切り勝利。最重要の1戦のトップバッターとしてこれ以上ない結果を残し、チームに流れを引き寄せた。野田が「本当に要所でいい活躍をしてくれた」言えば監督も「出番がなかなか無い中で、“絶対に自分が出て活躍するんだ”という熱意が練習からすごく伝わってきた。強い気持ちを持ってやってくれていたのが本当に良かった」と強く称えた。
▲今年は並々ならぬ覚悟でシーズンを迎えている(写真は昨年10月撮影)
今年を“勝負の年”と位置付け、強い覚悟で3年目のシーズンを迎えている門脇。自主練習の量を増やしたり苦手なサーブレシーブの克服に向けて反復練習を重ねたりと気持ちは行動に現れている。「次のインカレでも自分が試合に出るという気持ちは忘れずに。またいつ出てもチームに貢献できるように頑張る」と鋭いまなざしで語った。チームにとって欠かせない存在として、今後も躍進を続けていく。
文・写真=河上 明来海(文4)