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2024.05.23
野球

【野球部】全員でつかんだ逆転勝利 東洋大から勝ち点獲得

〈令和6年度東都大学野球春季リーグ戦=5月22日 駒沢球場 専大5-4東洋大〉

 執念で勝ち点をもぎ取った。1戦目を快勝で終え、連勝し勝ち点を得たい専大は、1回表に小柴滉樹(経営4・佼成学園高)の中前適時打で先制に成功する。しかし3回裏に先発の平田健眞(経営4・専大松戸高)が2本塁打を浴び4点を失う。だがその後吉水真斗(経営2・松商学園高)の左前適時打などでじわじわと相手を追い詰め同点に。そして、8回表に1アウト満塁のチャンスで相手の捕逸により勝ち越しに成功。その後は平田が相手の得点を許さず131球の完投勝利で締めた。

▲先制適時打を放った小柴

▲自身初の完投勝利となった平田

 初回から1点の援護をもらった平田は、1回裏に2アウト1,2塁のピンチを抑え、2回では安定感のあるピッチングを披露するも3回に東洋打線につかまってしまう。先頭打者の9番前髙選手にストレートをライトスタンドに運ばれ同点にされると、後続には死球、左安打を許しピンチを作る。ここで抑えたい平田だったが、4番の池田選手が放った打球はライトスタンドに飛び込む3点本塁打。この回だけで4点を失う結果となった。

 しかし、ここから専大打線の反撃が始まった。4番の西里颯(経済4・興南高)が中前への二塁打を放つと、そこから二者連続で四球となり1アウト満塁のチャンスに。ここで6番の谷頭太斗(経営2・日本航空石川高)が初球を中犠飛とし、1点を返した。「点差が少し開いていたので、とりあえずチャンスをものにしようと思って。初球から行くと決めていた」。その後は膠着状態が続くも、7回に四死球と暴投で再びチャンスを迎え、打席に立ったのは途中出場の織茂秀喜(経営3・松商学園高)。左方向への犠飛で1点差に迫ると、続く吉水が初球を左前に放ち同点に追いついた。

▲谷頭。犠飛の次の打席で腕に死球を浴びるも「大丈夫です」と笑顔を見せた

▲久しぶりの打席で結果を出した織茂

 この日最初の打席も初球を左前に運び、先制点に繋げた吉水。「初球まっすぐで来るかなということは分かっていたというか、割り切っていて。そこを1球で決められたのはよかった」と冷静に振り返った。また、「昨日まで、打席の内容が全然よくなくて。反省する中で、打席の中で色々考えるのではなくしっかり最高の準備をしようと思って入った」と、打席での心構えを明かした吉水。今季から1番打者に定着した2年生が、逞しい成長を見せている。

▲喜びの表情を浮かべる吉水


 援護を受け、立ち直った平田はその後気迫溢れるピッチングを見せた。何度も塁に走者を出すも、打たせて取るピッチングで追加点を許さなかった。9回裏、2アウトの場面で同点本塁打を放った前髙選手を迎えるも、「めちゃくちゃ気合が入った(平田)」と二ゴロに抑え、初めての完投勝利を収めた。

▲「秋は全部無失点でいきたい」と力強く話す

 試合前から齋藤正直監督に絶対9回まで投げると宣言していたという平田。「有言実行できたのはよかった」と安堵の表情を見せた。被弾後については、「9回まで行くと言っているのに、ここでテンション下がってもあれだな、と。次の打者三振取ろうみたいな。笑いたかった」とハートの強さを語る。その裏には、昨日完投勝利した肥沼竣(商4・加藤学園高)へのライバル心が隠されていた。「(昨日の肥沼は)1失点で自分は4失点。秋は負けない。打倒肥沼」と、他校の選手だけではなく味方の選手への闘志も燃やす。


 今日の第1試合で東農大が優勝を決め、今季は1部昇格の夢が絶たれてしまった専大。しかし、主将の小柴は「(次回の国士大戦を)取ったら勝ち点3なので。勝ち点を取って秋に繋げるというか、うちが力あったよねというところをしっかり見せて終わりたい」と前向きに話す。春季リーグを笑顔で締めくくれるよう、全員で一丸となって27日の最終戦に挑む。

▲勝ち越しの瞬間、喜びの表情を見せる専大ベンチ


文=山口由結(文4)

写真=増田美海(文4)