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<令和6年度東都大学野球春季リーグ戦=5月2日 等々力球場 専大10-0国士舘大>
雨天中止に伴い予定が後ろ倒しとなった2日、国士舘大との1回戦が行われた。打線は4回表2死3塁のチャンスで、5番松永知大(経済3・創成館)が2ランホームランを放ち先制する。6回表には3番小柴滉樹(経営4・佼成学園)が三塁線にセーフティーバントを決めると、1死1、2塁でまたも松永が中適時二塁打の追加点。後続では2死満塁で1番吉水真斗(経済2・松商学園)が走者一掃のタイムリーツーベースヒットで3点を加えた。その後も勢いに乗り、この回大量の7得点を挙げる。守りでは先発の肥沼竣(商学4・加藤学園)が立ち上がりから快投し、リズムを作ると7回無失点でマウンドを降りた。試合は10対0で圧勝した。
▲ダイヤモンドを回る姿は喜びに満ちていた。
左の強打者がチームに勇気をもたらした。今季初の本塁打はチームとしても第1号。右中間へ伸びた打球は、逆風に負けることなくスタンドに放り込まれた。カウント0-2と追い込まれてから高めのインコースを強振。前を打った西里颯(経済4・興南)の三塁打は、これを見越していたかのような、見事なお膳立てとなった。
背番号24は「なんとしてでも打点を付ける気持ちでいた。(インパクトの瞬間から)感触はあったが風次第だと思った」と会心の打席を振り返る。自己評価は「70点くらい」とまずまずの高評価。5打席3安打3打点にもかかわらず「まだ打ち損じがある」と反省どころに目を向けていた。
齋藤正直監督は、このひと振りについて「松永のホームランは試合を勇気づけた」と印象的な一言を口にする。「その前までのゲームでは、なかなか点が取れなかったので一発あると空気感が変わりますよね。それが大きかったと思います」。待ちわびた一打を味わうような口ぶりでいた。それから打球が押して見えたことについて「実力でしょ。いい当たりでした」と堂々と称賛する。この言葉に松永は、顔をほころばせ「嬉しいんですけど、謙虚が大事だと思っているので、一喜一憂することなくやっていきます」と今後を見据えて宣言した。
これまで、くすぶっていた打線が火を噴いた。主将、副将が座るクリーンアップも役割を果たし、計12安打が勝利へと導いた。
▲追い込まれてから力強く振り抜いた。
同じく投手陣も好調だった。エース肥沼は先制後の4回裏に打者3人で打ち取り、守備でも流れを呼び寄せた。「拓殖大戦で課題になったテンポは一番気にしていた」「変化球でストライクを取れていて、立ち上がりも良かった」と話す右腕。けれども「後半に連れてフォームが崩れた」と顔をしかめた。「毎回ランナーを出してしまったので反省している」。後半に関してはキャッチャーの中野拳志郎(文3・小浜)も「腕が振れていなかった。変化球も曲がりがなく流れていた」ことを課題に挙げた。一方で「点を取った後に、先頭を抑えられていたのは大きかった」と小気味よい投球には好感を覚えている。
次戦は飛んで立正大戦となる。エースは「また相手が変わるので、そこは1回切り替えて自分のピッチングをやっていけたら良いと思います」と冷静に答えた。未だ連勝のない専大。勝ち点へと繋がる兆しが見えてきた。
▲課題としていた立ち上がりを、テンポよく抑えた背番号18。
▽先制を援護した西里は、2安打1打点と好機をものにした。
--今日の試合を振り返ってみて。
「守備のリズムを攻撃に活かせた理想的な形だと思う。そういう自分たちの良いリズムで試合を進めていけたらと思います」。
--好安打だったが、調子はどうだった。
「前の試合、あれだけ打てずに悔しい思いをして、この試合までに修正してきたので、それが結果に出てくれたのかなって思います」。
--具体的にどこを修正した。
「右手の使い方なんですけど、リストを立てて寝ないように練習した。それで打球が変わってきたかなって思っています」。
「不規則な日程になりますが、立正大のピッチャー陣を想定し練習して、またこういったゲームができるようにやっていきたいと思います」。
▲副キャプテンは今季初の三塁打をマークした。
▽6回表に巧みなバントヒットを成功させた小柴。チャンスメーカーのキャプテンが安定した打席で魅了した。
--今日の試合をを振り返ってみて。
「3敗していて今日勝たないとまずいっていうところで、これ以上負けられないところで勝てたので良かったです」。
--小柴から繋がる場面が多かったが、そういった意識はあったか。
「なんでもいいからとにかく打って行って、後ろに繋げばチャンスはあると思っていました。特に4、5番の調子が上がってきているので、自分も出る意識でいました」。
--次戦に向けて。
「立正大には良いピッチャーがたくさんいるのでしっかりと打ち崩せるように、バッテリーの調子が良いので野手陣がなんとか引っ張って行って勝てればと思います」。
▲5打席3安打で好打をアピールした主将。
文=小山明香(文2)
写真=増田美海(文4)