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<令和6年度東都大学野球春季2部リーグ戦=4月11日 等々力球場 拓大6-0専大>
勝ち点奪取へ向け前進した専大は、連日勝利を試みるも無惨に負けを喫した。先発の奥村開(経済4・福井商)は立ち上がりから調子が振るわず、2回表に3失点で3回途中降板。打線は9回裏に1死から3連打でチャンスを作るも、得点とはならず。計10安打の大量ヒットは結ばれぬまま散った。4安打と安定したバッティングを見せた小柴滉樹(経営4・佼成学園)の頑張りは報われなかった。
▲小柴は単打を量産し、ひとり目立って活躍していた。
「厳しい意見にはなるが、ちょっと調子に乗っていたイメージがある」と、主将はひと言目から辛口評価。「冷静に入っていけていない感じはした」。ミーティングでは、齋藤正直監督から「打席もマウンドも、相手と勝負できていないと言われた」ことも明かした。試合内容を振り返る主将の眼差しは、普段より険しいものだった。そんな小柴は、全打席ヒットと好調の素ぶりを漂わせているにもかかわらず「運が良いって感じ」と満足した様子は伺えない。「実際、オープン戦は調子が良くなかったし、(打席に)入ってみないと分からなかった」。「けれど、ここ二日間で風向きが変わってきたような気がする」と感覚は上向きのようだ。「連日、ヒットは出ているので悪くはないけれど、あと一押しできるかできないかというところをもう少し詰めていかないと」。「(明日以降)今日みたいな展開になると思うので、最後に一本出せるようにしたい」と謙虚に構えていた。またチームとして「雰囲気は落ちていない。明日勝てば取れる」と今度こそ、勝ち点を掴むべく意気込んでいる。
▲守備では周囲に声を掛け続けていた小柴キャプテン。声とプレーで見方を鼓舞していた。
3回にマウンドを降りた奥村は2回表に2連打を浴び、2死2、3塁で迎えた9番五十嵐奨斗選手に適時打を許して、先制点を与えた。「最善の準備をしてきたつもりだったが、自分のピッチングができなかった」と大きく悔やんだ。「リーグ戦の怖さがあった」と、公式戦の恐怖をひしひしと実感していた。一方で「勝つことを考えて、気持ちは明日に向いている」。「今日のことは一度整理した後に反省したいと思う。もう一度気持ちを上げて行きたい」と前向きな姿勢で明日を見据えている。
投手陣は全体的に力が及ばず、西村卓真(経営4・専大松戸)、常田唯斗(文4・飯山)、秋田駿樹(経済4・広島新庄)と継投するも、複数のイニングで失点が目立った。唯一、常田が0に抑えていたが、8回先頭の四球は後を任された秋田の重荷となった。
▲本調子とはいかなかった奥村。
▲常田は、毎回ランナーを背負いながらも奮闘した。「オープン戦から自分の中ではしっくり来ていなかったりしていた」と試行錯誤しているようだ。
試合後に姿を現した指揮官の表情は実に苦いものだった。「新地にはいつもやられる。苦手意識があるみたい」と毎度の展開に頭を悩ませる。「今年はまだ打線に迫力がない。ピッチャーから流れを作っていかないと」と試合全体のリズムを意識し、反省点に挙げた。
けれども新入生のデビュー戦初安打には収穫があったようで、特に山田太成(経済1・大阪桐蔭)には興味を示し、「やっぱり打席で雰囲気があるやつっていいですよね」と早速の好打席に注目を寄せた。
▽7回裏途中出場の山田は、初打席で鋭いライナーを飛ばした。
「1打席目に良い当たりが出てショートに捕られたが、2打席目に1死の場面で渡辺(=維介、文1・松本国際)が先頭で出塁してくれたので、やっぱり自分も繋がないといけないなと思って打席に入りました。
今日は打席に入る前から打ったろうって気持ちが強かった。打たないとチームは勢いづかないので、そこでしっかり打てたのは良かったです」。
▲9回裏1死1塁の好機に、見事な中安打を記録。指揮官が褒めていたことを知ると笑みを溢した。
▽山田と同じく、初の公式戦で初安打をマークした渡辺。
「点差があったので楽な気持ちで打てたが、緊張感もあった。まだ1年生なのでフレッシュな気持ちでやっていきたい」。
▲1死の最終回でライト前ヒットを放ち、チャンスを生み出した
文=小山明香(文3)
写真=河上明来海(文4)・山口由結(文4)