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今年で創部100周年を迎える野球部の春季リーグ戦がまもなく開幕。悲願の1部昇格に向けて、チームの命運を握る男たちの声をお届けする。第1回目は小柴滉樹(経営4・佼成学園)と西里颯(経済4・興南)だ。 (インタビューは春季キャンプ中(2月)に行いました)
▲今回の対談を快く受けてくれた二人。(左・西里)(右・小柴)
昨シーズンを振り返る二人の言葉数は意外にも、そう多くはなかった。2月上旬、キャンプが始まりを迎え、チームは開幕へ向けて着々と準備に励んでいた。そんな中、部を率いるリーダーがそれぞれの心境を露にした。
○噛み締める悔しさ
「歯痒い気持ち。悔しい思いをした1年だった」とまず先に口を開いたのは主将の小柴だった。副将の西里は、隣で肩を並べ、よりじっくりと思い返すように語りはじめた。「チームとしても個人としても一年を通して春は何もできなかった。何ひとつ力になれなくて結果が出ず、期待を裏切ってしまった」とじれったい様子を見せる。冷静な顔つきに反して出てくる言葉には少々熱がこもっていた。個人として成績が振るわなかった1年間。一昨年の定位置は彼のものではなくなっていたからだ。もちろんチームも不振だった。「(春は)結果的に5位に終わってしまったので、やっぱり簡単ではないんだなと思った」。悔しさの一点張りから抜け出せないもどかしさが互いの心の奥底では燻っていた。
▲必ずや1部昇格を胸に掲げる。
▲副キャプテンとしてチームの底上げに尽力する。
○1部という大きな壁
出場機会に恵まれたものの、無力に閉幕した入れ替え戦は彼らの心に火をつけた。チームを引っ張っていくうえで強い想いが滲み出る。「1部に浮上しないと話にならないと感じている。1部にいなければいけないという風に思う」とキャプテンはひたすらに上を見据えていた。続けて西里も「チーム全員を1部昇格といった目標に向かわせることが自分たちの役割だと思っている。昨年から出場していた選手が少ないこともあって、今はチームを一つの目標に向かわせる大事な時期だと考えている」と言う。キャンプを通じた底上げに両者の意志が垣間見えた。昨年とは違い、主力を張っていた西村進之介(令和6・経済卒・現ヤマハ)や外山優希(令和6・経営卒・現SUBARU)など頼る背中はもういない。だからこそ一丸となって、掴みに行かなければならない。責任感はチームを鼓舞する姿勢に現れていた。
▲全員野球でリーグ戦に挑む。
開始まもないキャンプについても「各自、上に行くんだっていう気持ちは出てきている。そんな印象が見受けられるので、経験がない中でみんなが上を目指してやれているのはいい状態だと感じている」と小柴は上々の動きだしに多少の手ごたえを口にした。
新体制で挑むリーグ戦は何が起こるか分からない。先の見えない戦場に彼らは足を踏み入れていく。「1部昇格」という、遠のいていたステージを目がけて。
文=小山明香(文3)
写真=河上明来海(文4)