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2023.12.24
陸上競技

【陸上競技部】新井が28分台! 今季最後の記録会で自己新続出

<令和5年度 第4回世田谷陸上競技会=12月23日 大蔵運動公園陸上競技場>


 専大は今季最後の記録会に臨み、世田谷陸上競技会10000mに18名が出走。5組に出場した新井友裕(文2・浦和実業)が28分49秒54と新体制となって最速タイムを樹立したほか、その他の組で上山詩樹(経済1・敦賀気比)や犬塚知宏(文2・美濃加茂)らも8名が自己新記録をマークした。

▲新体制で28分台の1人目となり、派手に喜ぶ新井


 ケガからの完全復活を目指す新井は5組に出走。レース開始直後から福田達也(経営2・市立橘)と共に先頭集団の後方に位置する。ペースメーカーの選手を筆頭に1周70秒ほどのペースで推移すると、8800mを過ぎた辺りから新井が仕掛ける。組2着でフィニッシュし、レース前に目標としていた28分台となる28分49秒54をたたき出した。

▲中盤は余裕を持ちながらレースを進めた

 新井はレースを振り返って「今月の日体大記録会では怪我明けで走った。そこから練習を積めていたので、28分台狙うつもりでレースを走った。28分が出たけど、最後勝ち切れなかった」と反省点を口にした。レース中盤ではコーチから「ここまでくればタイムは出る」という声掛けもあり、ペースメーカーにしっかりと付いていくことを意識し、見事に自己新記録をマークした。

▲レース中、並走していた福田を「意識していた」と話す


躍進の年となった今年を「タイムは出たが、怪我が多くてまだまだ」と振り返る新井。来年2月には丸亀ハーフマラソンが控えており、「タイムが出やすい大会なので、専大日本人記録を狙いたい」と高々に宣言。続けて「来年はもう一段階レベルアップして他校の主力と戦わないと予選会は勝てないので、そこを意識したい」と今後を見据えた。自他ともに認める”爆発力”を秘める期待の2年生。今季最後のレースで大台を記録し、切磋琢磨する同期だけでなく、チームに強烈な刺激をもたらした。

▲来年は次世代のエース候補に成り得る強烈な印象を与えた


〇驚異的な成長ぶり ルーキー上山が激走


 4組に出走した上山は自己記録を45秒をも更新する29分09秒54をマーク。28分台も視界にとらえ、同世代トップの記録をたたき出す激走を見せた。

「予想外に良いタイムが出た。いい走りができたなと思う」と笑顔でレースを振り返った上山は序盤から先頭につきレースを展開した。先頭集団が徐々に崩れていくも離されることなく落ち着いた走りを見せた。「組1着を狙うレースをしろ」と五ヶ谷宏司コーチからのゲキが飛ぶと、ラスト1周に仕掛けた。集団を一気に飛び出し、ほかの選手を引き離しそのまま組1位でフィニッシュ。

▲先頭集団に付ける上山。組トップでのフィニッシュを果たした


 「余後半までゆとりをもってラストで上げられたらという感じで走っていた。あとは(自分が)速いと思わないことですね。そう思い始めると気が滅入るというかマイナスな感じになってしまうので、速いと思わなかったからこそ出た記録なのかなと思います」と大幅な記録更新について語った。

 前季は怪我に悩まされ、1度も走ることのできなかった上山。入学前の怪我とそこからの焦りもあり、うまく治らなかったという。そんな中、転機になったのは怪我からの復帰後に参加した夏合宿。自身も「(合宿で)結構いい感じに作れたっていうのはあります。ここに間に合ったというのが大きかった。合宿が自分を変えてくれたのかなと思っている」と話した。

▲シーズン後半からのレース出走で驚異的な成長をみせ、伸びしろをアピール

 

 長谷川淳監督も「ここ近年では、1年目でここまで行く選手はいなかったので、すごいほかの選手の刺激になっている。大幅に記録を更新しているのでかなりインパクトがある。夏から始めたので、この半期でよくここまで上げてきたなと思う」とその急成長ぶりに驚いているようだった。

 来年2月には丸亀ハーフマラソンを控える。あまりレース経験のないまま迎えるハーフとなり「そこでもしっかり余裕を持って走れるようにしたい。距離に対して順応していくっていう形が今後の課題になるので、そこを意識しながらレースに出たいと思う」と語ると同時に「ハーフでいかに結果を出すかが重要。それは大学でも求められるし、箱根でも求められると思うので。あくまで10000mは通過点だと思っているので、もっともっと上を目指して、今を満足せずにやっていきたいと思います」と高みを目指した。急成長を見せる1年生ルーキーの活躍に今後も目が離せない。


〇先月味わったどん底からの立ち直り 大幅更新の犬塚

 同じく4組に出走した犬塚も29分35秒74の自己新記録となる力走を見せた。この組ではペースメーカーを務めたダンカン・キサイサ(経営3・大分東明)を先頭に1周71秒程度でレースが展開する。犬塚も前を走る上山に負けじと中盤まで先頭に食らいついていたが、「6000から一気に苦しくなった」と語るように6000m以降は先頭集団と離される耐えるレースに。それでも、最後まで粘り続けて6着でゴールし、自己新記録をマークした。今年、最初で最後となったトラックレースを振り返り、「最初(のトラックレース)としては良いタイムで嬉しい」と笑顔を見せた。しかし、「レース展開的には1年生の上山が1個前の集団にいて自分もそこに付いていきたかったが、6000m過ぎから垂れてしまったので、そこが反省点」と後輩の活躍もあって悔しさをにじませた。

▲最後は力を振り絞って6着でフィニッシュ。50秒近く自己記録を伸ばした

 先月行われた上尾シティーハーフマラソンでは不本意な結果に終わり、「ぼろぼろのタイムでとても落ち込んで。そこからなかなか練習がうまくできなかった」と話す。それでも、ハーフマラソンで結果を残した安藤凜(経営2・相洋)や長谷川源(経営3・名古屋経済大高蔵)が練習を積む姿を見て「自分も腐ってばかりじゃだめだな」と奮起。そうした中で「ここまで上げてこられたのは一つの収穫」と一定の手ごたえを口にした。今後に向けては、「2月に丸亀ハーフがあるのでそこで64分30秒を切って、3月の学生ハーフでは64分切るくらいのタイムで行けたら」と具体的な目標を設定し、練習に励む。現在はBチームで練習することが多い犬塚だが、「全ての練習をAチームでこなせられるように生活面でも陸上面でもしっかりやっていく」と更なる飛躍のためにAチーム入りを目指す。

▲先月のハーフで味わった落ち込みから奮起して臨んだ今レース。好結果をマークし今後に繋げる



 レース後、長谷川監督は「今回はペースメーカーがいる組に入れさせてもらった。設定したペースは無理ない形にして、そこでしっかりペースに乗っかって大幅更新できた人は良かったのですけど、後ろの選手は前半しっかり入れた分、後半落ちてしまう者が多かったので、そこはもう少し工夫が必要かなというところです」と総括。ただ、自己新をマークした人数は多かったが、29台以上は出走者のうちの3分の1。「落ちちゃうとそれくらいになっちゃう。悪くても29分半くらいが水準になるようなチームになってこないとですね」と底上げを促した。今後の1、2月はハーフマラソンに積極的に出走させるという。「今日で一回区切りになる。距離に重きをおいて、また箱根仕様にしていかないと」と語った。

 

4年ぶりに箱根路出場を逃した専大の今季の公式レースが幕を閉じた。最短で返り咲くため、部全体で底上げを図り年明けからは長距離の訓練を積む。



その他の結果

5000m

9組 21着 中島 琢登 15分18秒35


10000m

3組

   2着  水上 紘汰 30分24秒61 (自己新)

   15着 黒田 太洋 31分50秒70 (自己新)

   16着 佐藤 真也 32分10秒89 (自己新)


4組

   1着  上山 詩樹 29分09秒54 (自己新)

   6着  犬塚 知宏 29分35秒74 (自己新)

   11着 具志堅 一斗 29分59秒65

   14着 中島 優太 30分07秒81 (自己新)

   16着 和田 晴之 30分10秒31

   17着 丹 柊太郎 30分23秒71 (自己新)

   19着 日比野 陸 30分38秒95

   22着 江幡 凛太朗 30分54秒43

   27着 安藤 凜 32分28秒52

   DNF ダンカン キサイサ


5組

   2着  新井 友裕 28分49秒54 (自己新)

   4着  福田 達也 29分04秒81 (自己新)

   12着 渡辺 凜 30分01秒58

   14着 大田和 一斗 30分06秒09 (自己新)

   16着 佐藤 陸 30分09秒99



文=河上明来海(文3)、竹田一爽(文2)、高橋奈月(文1)

写真=河上