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2023.12.17
ラグビー

【ラグビー部】要所でミスとペナルティ連発 昇格逃し終戦

〈関東大学リーグ戦1部入替戦 12月16日 熊谷 専大19-28立正大〉


▲1部昇格を逃し、呆然とする専大。2年連続で届かなかった。


 2年連続で涙を呑んだ。1部昇格を懸けた入替戦で、専大は立正大に敗れ、来季の1部昇格を逃した。14-14と同点で折り返したが、後半13分に立正大にトライを許し勝ち越される。専大も懸命な攻撃を見せたが要所でノックオンやペナルティを連発し、好機を逃す場面が続いた。そして後半30分に立正大にダメ押しのトライを奪われ勝負あり。来季の2部残留が決まり、飯塚稜介主将(文4・桐蔭学園)のチームの戦いが終わった。


 ノーサイドの笛とともに、昨年と同じ光景がピッチに広がった。歓喜の1部7位と、力なくうなだれる緑のジャージ。昨年の悔しさを胸に1年間戦ってきたが、またしても届かなかった。1年間昇格を懸けてチームを牽引したWTB飯塚主将は「あと1歩足りなかった。とても悔しいですし、後輩に申し訳ない」と悔し涙を流した。


▲試合後、号泣するWTB飯塚主将(左)と阿部生吹主務(経営4・専大松戸)。


 重要な場面でミスとペナルティを連発した。0-14で迎えた前半22分、敵陣10mライン付近からWTB飯塚主将が抜け出すも手を滑らせ落球。7点を返した33分にはFB新野翼(経済3・石見智翠館)が抜け出しチャンスを作るが、その後の専大ボールラインアウトが乱れ、チャンスを逃した。


▲WTB飯塚主将のノックオン。あと少しでトライだったが、ボールが手から滑り落ちた。


 同点で迎えた後半12分、立正大に押し込まれながらも強かに守っていたが、オフサイドのペナルティを取られ、そのまま勝ち越しトライを献上。30分には専大のノットリリースザボールからダメ押しトライを奪われた。途中出場の髙居海靖(経済4・御所実)は「結局最後もペナルティが続いて、悪いところが最後出てしまった」と振り返る。リーグ戦最終戦と同じように、この日もペナルティが勝敗につながる形となった。


▲立正大の勝ち越しトライ。

▲立正大SOキニヴェイタタ選手のダメ押しトライ。

▲ペナルティ連発の専大。


 敗れはしたが、専大も意地を見せた。14点を追う前半29分、WTB飯塚主将がハイパントキックをキャッチすると、そのまま立正大ディフェンスを振り払い大きくゲイン。最後はFB新野がボールを受け、走り切ってトライを奪った。起点を作ったWTB飯塚主将も「ハイパントが来るのは立正大学さんのプレースタイルなので、そこに対しての対応は3週間注力してきた」とうなずく。理想的な形のトライとなった。


▲前半29分のFB新野のトライ。持ち味のスピードを生かして走り切った。


 前半終了間際にはCTB野中優作(経営4・東福岡)が相手の乱れたパスを拾うと、ボールを受けたSH宮坂航生(経営4・中部大春日丘)が独走。ゴール前で相手に捕まったが、最後はSO永井大成(経営1・東福岡)が中央に飛び込みトライを取り切った。専大の強みを存分に生かしたプレーで、オレンジ色のジャージを一時脅かした。


▲SO永井の同点トライ。4年生がつなぎ、1年生が完結させた。


 石倉俊二監督は「非常に残念です。1年間通して勝つ気満々で来ましたので、本当に残念です」と悔しがった。「ペナルティとミスが肝心なところで起きてしまったことが敗因」としたが、「(力の)差はなかったと思いますよ」と胸を張る。就任1年目のシーズンで1部昇格は叶わなかったが、「選手たちが最後の最後まで諦めずに頑張ってくれたことは誇りに思いますし、やってきたことは間違いじゃなかった。もう1回準備して来年こそは1部に昇格できるように、また頑張っていきたい」と選手を称え、前を見据えた。


▲試合後の会見で悔しさをにじませた石倉監督。


 2年続けて2部2位で入替戦に進み、2年続けて1部7位に屈した。しかし、昨年見せつけられた1部との力の差は縮まり、古豪復活の兆しは見えた。4年生が遺した想いを胸に、来季もう一度1部昇格に挑む。


文=野見山拓樹(文4)

写真=相川直輝(文4) 北原倖多(文2)