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2023年度 関東大学サッカーリーグ戦 2部参入プレーオフ決定戦
2部参入プレーオフ決定戦 VS順天堂大学蹴球部(2部リーグ9位)
12月2日(土) 17:00Kickoff
@ブリオベッカ浦安競技場(千葉県浦安市)
専大 2–2 順大
得点者 専大 樋口、情野
順大 名須川、小林
▲試合終了のホイッスルとともにピッチに倒れ込む選手達
〈試合前情報〉
専大は3部リーグを4位で終え、2部参入プレーオフに進出した。
直近のリーグ戦からのスタメン変更は3名。藤井、戸田、松本が外れ、浦川、山本、村上が入る。
以下、スターティングメンバー(4-4-2)
GK 1 大野 来生 (法4・成立学園)
DF 4 根本 健汰 (ネット情報4・鹿島学園) 後半40分 OUT
DF 3 東海林 泰地 (法4・清水桜が丘)
DF 6 鈴木 浩大 (経済4・専大松戸)
DF 5 樋口 大輝 (法4・松商学園)
MF 8 浦川 流輝亜 (文4・青森山田)
MF 15 松村 厳 (法3・松商学園)
MF 11 山本 隼大 (経済3・名古屋) 後半5分 OUT
MF 10 村上 千歩 (商4・東海学園) 後半36分 OUT
FW 13 山下 晶大 (経営3・専大松戸) 後半8分 OUT
FW 18 情野 依吹 (経営3・日大山形) 後半36分 OUT
途中出場
DF 2 一丸 大地 (法3・東海学園) 後半5分 IN
FW 9 松本 皐誠 (商2・東海学園) 後半8分 IN
MF 7 松永 颯太 (経済4・清水桜が丘) 後半36分 IN
FW 24 仲本 隼翔 (経済2・松商学園) 後半36分 IN
DF 12 志村 ぼん(経済1・韮崎)後半40分 IN
〈戦評〉
90分での勝ちが昇格の条件となる専大は、キックオフ直後から攻勢に出ると、セットプレーから樋口が先制点を奪う。前線からの守備が上手くハマると、優位に試合を進めて1点リードで試合を折り返す。後半開始早々に失点を喫するが、情野の得点ですぐに勝ち越して一歩前に出る。さらに追加点が欲しい専大だったが、後半21分に完璧なFKを決められて再び同点に。その後は攻めの姿勢を見せたが、順大に主導権を握られて2-2で試合終了。3シーズンぶりの関東2部昇格は叶わなかった。
〈試合展開〉
2部昇格を懸けてプレーオフで順大と対戦。90分での勝ちが昇格の条件となる専大は、キックオフ直後から果敢にゴールを狙う。前半9分に山下が右サイドの敵陣深くでFKを得ると、キッカーの浦川が左足でペナルティエリア中央にクロスを供給。走り込んだ樋口が強烈なヘディングシュートを放つと、これがゴール右に決まって先制に成功する。
▲幸先よく先制点を奪った樋口
先制後もペースを握るのは専大。守備時は右サイドハーフの山本が最終ラインに吸収される形となり5-2-3の布陣に。前線の情野、山下、村上がプレスを掛けて高い位置でボールを奪い、手数を掛けずに攻撃を完結させる。前半35分には山下が相手からボールを奪取。そのままペナルティエリア手前の中央から右足を振り抜くが、相手にブロックされてしまう。村上が「本当にうまくハマっていた」と話すように前半は思い通りに守備がハマり、1点リードで試合を折り返す。
▲ショートカウンターを幾度も繰り出した山下
後半も主導権を握ると思われた専大だったが、後半2分に順大にロングボールを送られると、左サイドの敵陣深くからクロスを許す。相手にペナルティエリア中央から振り向きざまにシュートを放たれると、カバーに入った鈴木の股下を抜けてゴール右下の隅に吸い込まれてしまう。背後へのボールに対してのアプローチの「ちょっとした差」(樋口)で同点に追い付かれた。また、このプレーで攻守に躍動していた山本が負傷し、一丸を投入する。
▲後半の立ち上がり一瞬の隙を突かれて失点
昇格のために勝ち越し点を狙う専大は、山下に代えてスーパーサブの松本をピッチに送り出す。すると、後半10分には松本が走り込んだディフェンスラインの背後に浦川がロングボールを送ると、相手に当たってボールがこぼれる。即座に情野がペナルティエリア中央から左足でシュートを放ち、ゴール右下の隅に流し込んで専大が再び一歩前に出る。
▲ゴールを決めて応援団に駆け寄る情野
専大はなおも攻め手を緩めずに波状攻撃を仕掛けていく。後半11分には敵陣中央から浦川が抑えの効いたミドルシュートを放つ。しかし、ここはGKの好セーブに遭って追加点は得られない。すると、次第に順大が攻勢を強め、後半13分にはクリアボールが相手に渡ってペナルティエリア左からシュートを許すも、ここは大野が防ぐ。しかし、後半21分にハンドを取られてペナルティエリア手前で順大にFKを与えてしまうと、これをキッカーの小林選手に決められてしまい、再び同点とされる。GKの大野が一歩も動けない完璧なシュートから失点を喫した。
▲完璧なFK。大野はノーチャンスだった
その後は順大が試合巧者ぶり見せて試合をコントロール。専大もロングスローなどから最後までゴールに迫ったが2-2で試合は終了し、2部昇格は叶わなかった。試合後、主将の村上は「キャプテンとして昇格できなかったのは責任を感じる」と心境を明かし、「後輩達には悔しい気持ちを忘れずに笑って昇格してほしい」とエールを送った。
▲ラストプレーのロングスローから得点は奪えず
▲90分走り切った両チーム
この試合で4年生は引退となり、いずれもプロの道に進む村上(ヴァンフォーレ甲府加入内定)、樋口(松本山雅加入内定)はプロ1年目からの活躍を誓う。この悔しさを生かし、次なるステージでの活躍に期待したい。
▲悔しさのあまり涙する選手も居た
試合後、インタビュー
樋口大輝
▲(写真左)在学中にJデビュー。4試合に出場した
今の心境は―
「後輩のために(2部へ)上げることができなくて本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」
先制点について―
「セットプレーで点を取ろうという話だった。良いボールが来たので、合わせるだけだった」
ディフェンスラインは経験豊富な4年生で構成されたが―
「前回の神大戦から4年生の4人になったと思う。試合中に意見を出し合えるなどしっかりコミュニケーションを取れるので、良い守備ができていたと思う。今日は2失点してしまい、反省しても次はないが、改善ポイントだと思う」
後半は専大の右サイドを突破されるシーンが多かったが―
「右のサイドハーフを右のウイングバックっぽく5バックにしていたので、どうしても前に出ていきたくなるところを我慢するのか、もっとスライドするのかちょっとした差で1失点目はやられた。背後のケアと前に出るところの難しさはあった」
プロへの意気込み
「今年の夏も(松本山雅に)少し帯同させてもらって全然貢献できなかった。来年は1年目から試合に絡んで、松本山雅の昇格に貢献したい」
村上千歩主将
▲主将、エースとしてチームを牽引
今の心境は―
「キャプテンとしても昇格に向けてやってきた分、昇格できなかったのは責任を感じる。後輩達には悔しい気持ちを忘れずに笑って昇格してほしい」
前線からの守備は狙っていたか―
「監督からも3バックの右のところはけん制しながら(と言われていた)。縦パスが入ったところをボランチで取ってというのは狙っていた部分。前半は本当にうまくハマっていたと思う。奪った後のパスやランニングをもっと増やしていかないといけないと思った」
今シーズンを振り返って―
「自分がしたいポジションで正直やれていないという悔しさや情けなさを感じたが、その中でサイドハーフでもできるんだなというのは新しい発見だった。来年からプロ生活が始まるが、どこのポジションでもできるところも武器にしつつ、突き詰めないといけない」
本来ならトップで出場したいという思いがあるか―
「トップだったり、トップ下でやりたいというのは正直あった。目標としていたもっとゴールに絡むシーンだったり、ゴールという結果を達成することはできなかった」
プロへの意気込み―
「ヴァンフォーレ甲府の強化部にも言われたが、ゴールとアシストは期待されていると思うので、そこの部分で1年目から結果にこだわってやっていきたい」
文=竹田一爽(文2)写真=相川直輝(文4)